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消費者庁、ジャパンライフ「桜を見る会」招待状悪用チラシを見なかったふり

12月3日「桜を見る会」野党追及本部ヒアリング。
消費者庁の答弁の辻褄が合わなくなってきた。

 

今日の質問のポイントは、昨日公開された内部文書の「※政治的背景による余波懸念」というところに集中する。

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野党議員がいろんな形で「政治的な働きかけがあったのでは」という質問を投げかけるが、現・取引対策課長は、頑として「政治的な影響はなかった」と言い張るばかり。
まぁ、そう簡単に口を割るわけがない。
問題はここからだ。

 

時系列表を作ってみた。

2013年
│山下取引対策課長 被害拡大を深刻に懸念し、立ち入り調査を主張
2014年5月

2014年7月 山田取引対策課長に交代。途端に「立ち入り検査は不必要」に

2014年9月 ジャパンライフを召喚して文書注意

2015年1月
│強引な勧誘被害が拡大。マルチの行き詰まりから最後の荒稼ぎがはじまる。
2015年3月 ジャパンライフ会長に「桜を見る会」招待状届く

2015年4月

2015年9月10日 消費者庁による立ち入り検査


│立ち入り調査から約1年3か月、何の処分もなし。詐欺も継続。
2016年12月 ジャパンライフ、行政処分

 

2015年9月に立ち入り検査が入ったのに、1年3か月もの間放置され、その間も被害が続いたことを野党は指摘する。
検査から7か月以内にケリを付けるのが一般的であり、検査マニュアルにも、そう期限が記してあるという。
ところが、異常な長期間にわたって、結果は先送りされた。
その間、ジャパンライフは「招待状」を使って詐欺を続け、被害はさらに拡大していた。

 

山井議員「政治家からの介入以前の問題として、安倍総理に山口会長が、桜を見る会に招待されていた。それによって行政処分がブレーキかかってしまったのではないですか?それで被害が拡大したんじゃないですか?」
官僚「そういうことはございません。(意訳)悪質な手口のジャパンライフを摘発するには、慎重な捜査が必要だった。それにより時間がかかった。」

 

そして話は、「桜を見る会に招待されました」という詐欺材料のチラシに触れてくる。

 

小西議員「宿題になってたでしょう。この安倍首相の載ってるチラシを消費者庁が把握したのはいつですか?
官僚「山口会長が桜を見る会について言及している、ということを、調査の過程で知ったのは平成28年(2016年)7月頃です。ただ、『招待状を使っての宣伝』というのは、把握していませんでした。(意訳)一般的に著名人を使った詐欺商法というのはよくあるので。」
小西議員「2015年9月に立ち入り調査をしてますよね。最大の詐欺の道具であった安倍総理の招待状のチラシ、あなた方見てないんですか?押収してないんですか?」
官僚「立ち入り検査では、把握してませんでした、」

 

立ち入り調査に入って、あの衝撃的なチラシを見かけなかった、なんてあるだろうか?

 

柚木議員「みなさんが隠してたんじゃないですか?2016年7月まで「桜を見る会」の招待状の存在を認識してなかったと言ってたけど。立ち入り検査の時に、みんなが被害を受けてる、当然手に入る資料なんですから。それを知ってたとなると、社長が「桜を見る会」に総理に招かれていたことを知っていて行政処分が遅れたとなってしまうから、2016年7月まで、ジャパンライフがこれを隠していたことにしたんじゃないですか?ジャパンライフに天下りをした先輩から、隠してくれと言われたんじゃないですか?」
官僚「(意訳)立ち入り検査をしても、(招待状付きの)宣伝チラシは、違法なものではないので押収の対象とはしない。」

 

ふつうに考えて、最大に利用して来た「桜を見る会に招待されました!」というチラシを、立ち入り検査に入った調査員の目に入らないわけないではない。
「チラシ自体は、違法性がなかったから押収しなかった」なんて、不自然な言い訳だ。
官僚の不誠実な答弁に、「おかしい」と複数の議員が反論するも、場を仕切っている黒岩議員がそれを遮って、急にまとめようとする。
「おや?」
と思っていると、「じゃ、大門先生から話があるから。」と黒岩議員。

 

シメに大門議員が話すことは、最初から予定されていたのだろうか。
長い間ジャパンライフを地道に追い続けて来た大門議員は、ヒアリング会場の一番後ろで質問もせずに黙って座っていた。
異なる党が寄せ集まって、「オレがオレが」となりがちなこういう場で、事情を最も知っているはずの大門議員が、じっと後ろで見守っているのは、侍というか、なんというか・・・。

 

大門議員「ちょっとウソが多すぎる。昨日お示した会議の資料(「本件の特異性」文書)っていうのは消費者庁の中の資料ですから、確認できると思うんだけど。ノーコメントで通さなきゃいけないのか分からないけど、その存在まで認めないとなるとね。あなたは山田課長さん以降のことしか言わないけれど、その前の山下課長の時に、いかに立ち入り検査やらなければならなかったかという指導も含めて、昨日までは黒塗りだったけれども、全部実名で、膨大な資料を公表しなければ、文書の存在について認めないのですか。膨大な資料を実名で公表すれば、いろんな人に迷惑がかかるんじゃないですか?」

 

長年にわたってこの問題を追ってきた大門議員は、膨大な資料を集めて読み込んでいるに違いない。
それを実名で全部公表するぞ、と・・・。

 

大門議員「あと、私が手に入れた、安倍総理の桜を見る会の(詐欺道具チラシ)これはですね、そこまで言うなら言いますけど、2015年9月の立ち入り検査で消費者庁が入手したものを、こちらが頂いたものということでございます。「元社員」という言い方で資料を配った方もいるみたいで、ほかの方のそれはよく知りませんが、私の場合は、消費者庁が入手したものを国会で示させて頂いてます。」

 

うおおおお、キタ。
まさか消費者庁から入手していたとは。
これはやはり、事件が目立たないときから地道に人脈を使い、長きにわたって資料を集めて来た、非常に共産党らしい仕事が実を結んだ真骨頂だ。
「立ち入り検査で招待状チラシは出てこなかった」と答弁した官僚、いったい今後はなんと説明するのか。

 

大門議員「これが一番大事なんですよ。(チラシは)被害を拡大した最大の武器になった。その時、消費者庁が見過ごして、連日被害が広がっているのにね。見過ごしたかどうかという、総理の責任は重いですよ。消費者庁の責任も、そりゃ一番重いわけですよ。入手してたんですよ。それを私は手に入れたわけですから。入手してない、知らないってのは、ウソですよ、それ。か、調べきれてないかのどちらか。きちっと調べて、明日、消費者特別委員会ありますからね。明日答えてください。

 

消費者庁は、大門議員が最初に出した「本件の特異性」を記した文書を怪文書呼ばわりしたことで、完全に大門議員の怒りを買った。
「消費者特別委員会」は、普段は地味~な委員会なのだが、12月5日は注目されるだろう。

12月5日の「消費者特別委員会」の記事はコチラ

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