安倍首相と「ジャパンライフ」という詐欺企業の、思いもよらぬ関係性が明らかになりつつある。
ジャパンライフが被害者に対して、圧倒的な信用の裏付けとして、「桜を見る会」の招待状を使っていたことは、ネットではずいぶん前から取り沙汰されていた。
詐欺師のやることだ、招待状をどこからか詐欺師的なやり方で入手し、利用していたのではないかというのが、大方の人の見方だったと思う。
ところが、今回「桜を見る会」が問題になり、いろいろなことが深堀りされると、招待状に同封されている「受付票」のナンバリングが注目されるようになった。
さらに、ジャパンライフ会長が詐欺に利用していた招待状に打たれていた「60」という番号が、「60~63 総理、長官等」という招待区分番号であることが分かり、政府もそれを認めるところとなった。
つまり詐欺師が、「総理、長官等」の枠で招待されていたということが、確定になったのだ。
強いて言えば、60~63と振り分けられていれば、先頭の60という数字が、首相枠に振られるのが一般的な感覚だ。
さて、11月29日参・地方創生及び消費者問題に関する特別委員会(長い・・)で、大門議員は、ジャパンライフが安倍首相のバックアップを受けていたとも取れる驚きの事実を指摘した。
この山下課長さんという人は、マトモな官僚であることが分かる。
詐欺師の常套である「ポンジスキーム」では、破綻とともに詐欺行為が終了するわけだが、あとには莫大な被害額だけが残る。
おそらく被害情報を相次いで受けた山下課長は、早急に立ち入り調査をし、社内のしくみが収益が上がらないことが前提のポンジスキームであれば、行政の力で強制的に事業をストップさせるつもりだったのだろう。
それで、被害は最小限にとどめられたはずだ。
し・か・し、だ。
小林審議官「(意訳)資料が手元にないので分かりません。」
大門議員「通告してあるんですよ、経過についてってことでね。」
いったい何があったのか?
同年5月30日に、「内閣人事局」が設置された。
たぶん、これだろう。
今の、特に上層部の官僚たちの言うことが、これほど狂ったのは、おそらくこの時からだろうと思う。
安倍政権が「黒だ」と表明したら、それがピンクだろうがオレンジだろうが、「現時点では黒と認識しております」みたいな官僚答弁をせざるを得なくなった。
さもないと、政権によって、人事異動でとんでもない左遷をくらうことになる。
それが内閣人事局だ。
一般常識と乖離した答弁、このブログで言う「バカになったふり」を、官僚に強要しているのがこのシステムだ。
ヒアリングでは、聞いてるこちらのアタマがどうかしてくるほどだ。
答弁に立つ小林審議官は、大門議員の質問に一切答えない。
質問通告があって、資料が手元にないはずがない。
「60」を官邸枠と認めるか認めないかで国会の舞台裏が紛糾する中、消費者庁にまで口裏を合わせる余裕がなかったのだろうか。
『本件の特異性』・・この言葉、どこかで聞いたことが・・・。
「本件の特殊性」という言葉は、森友問題で財務省が文書改ざんした時に、削除された文言一つだ。
森友問題では「本件の特殊性」とは、昭恵夫人と籠池氏が昵懇であるからという理由により、特別な計らいをすべしという通達だった・・との見方が強い。
が、なにせこの辺り、森友問題もうやむやなのだ。
ジャパンライフ問題での「特異性」とは、安倍首相と山口会長が昵懇であるから特別に計らいなさいという意に汲むのが自然だと思う。
ジャパンライフの立ち入り検査が、官僚の異動によって阻止された翌年、すでに資金繰りが悪化していたジャパンライフは、逃げる前の最後の荒稼ぎとばかりに、「桜を見る会」の招待状をフルに使って、さらに多くの高齢者をひっかけた。
その後、さすがの被害の多さに、消費者庁は立ち入り検査をするのだが、検査後1年3か月も処分を出さず放置したという。
大門議員によれば、この検査後の「放置」も、政治的な影響力が働いた可能性があるという。
「桜を見る会」について安倍首相は、丁寧な説明をするどころか、スガ官房長官の口を借りて「招待者名簿は、捨てたからない」と示すのみで、国民がこの問題に飽きるのを待っている。
森友問題で毀損したのは国有財産だったが、今回の問題には明確な被害者がいて、今も苦しんでいる。
こういう人たちに政治の舵を握らせておいてはいけない・・多くの人の倫理的判断で支持率を下げることが、この問題を解決に向かわせる、最も有効な手段なのであるが・・。