さて続きです。
2020年1月9日分の第21回目の「桜を見る会」野党追及本部ヒアリング、前編はコチラで。

最後に取り上げられた問題。
宮本徹議員が国立公文書館で発見した、小泉政権時代の桜を見る会名簿には、総理大臣と官房長官の決裁印があったことについてである。
現在は、会が終了すると遅滞なく、記録もないまま無造作に捨てられる文書が、2006年には総理大臣決裁印付きで国立公文書館に「永久保存」されているという扱いの大きな違いだ。
その話題が最初に出たときの記事がコチラ。

酒田総務課長「(資料を示して)これが、2010年、決裁を取った最後の名簿となります。その後2011年、2012年は開催をしていないので名簿はない。その後2013年から決裁簿を確認したところ、決裁された形跡がない、と。」
いや、ビックリした。
以前は取っていた総理大臣決裁を、急に取らなくなったのは、ピッタリ安倍政権になってからなのか。
これはおかしい。
2013年に安倍首相が初めて「桜を見る会」を開催した時から、なんらかの「後ろめたさ」を感じていて、総理決裁をやめていたとは考えにくい。
これはひょっとしたらひょっとして、年月をさかのぼって改ざん・隠ぺいしたなんて疑獄に発展したりしないだろうか・・・?
酒田総務課長「決裁規定を変更したということはございません。どういうものを決裁するかは、それぞれの省庁、部署の判断でして・・桜を見る会の名簿決裁は、現場が事務の簡素化の一環として取らなくなった、ということです。」
バカ言うんじゃないよ。
常識的に考えて、これまで総理大臣がハンコを押していた書類が、急に現場の判断で「総理のハンコ、めんどくさいからもういらないね。」なんて判断できるわけないではないだろ。
酒田総務課長「はい、決裁規定で2013年から桜を見る会招待の決裁をやめる、といった決裁はございません。」
決裁もだが、こんな大事なことを変更決定した書類が何もないのは、ふつうにおかしい。
酒田総務課長「・・・。いったん持ち帰りたいと思います。」
スガと相談するってことか?
奥野議員「これね、もともと総理大臣決裁だったんですよね。なぜかと言えば、総理大臣主催の桜を見る会だったから、総理に最終的に誰を招待しますかということを諮ってるわけですよ。だから総理決裁なんですよ。で、それをやめると。総理主催で、『誰を呼びますか』と、総理が全体を見ていないわけですから、形式的にしろ総理まで上げる必要があると思うんですね。これを簡素化のためにやめる、ということであれば、総理の了解を取らなきゃならないはずなんですが、了解を取ってやめたということですね?」
酒田総務課長「2013年当時に、どうしてやめたのかということを当時の担当者に聞き取りをしたが、なぜそうなったのかは記憶がない、ということでした。
奥野議員「論理的におかしいですよね。総理主催のものについて、総理に諮らない。官房長官にも諮らずに、決裁をしないというのはあり得ないと思うんですよ。もしやめるのだったらきちんと理屈建てをして、総理、官房長官に相談をしてると思うんですよ。もう一回敬意を洗い出してください。あまりに杜撰です。」
奥野議員の言う通りだ。
原口議員「じゃ、簡素化ってなんで分かるんですか?」
酒田総務課長「毎年毎年慣例的にやっているので・・・」
原口議員「『どうしてやめたのか?』という担当者への聞き取りで『なぜそうなったのか分からない』と言ったと、さっき言いましたよね。なぜそうなったか分からないのに、なぜ『簡素化だ』と分かるんですか?それは誰が言ったんですか?」
酒田総務課長「事務の簡素化の一環として行わないことにした、と。当時の状況から見てあったのかなぁ、と」
酒田総務課長、苦しくなると「・・・かなぁ」という語尾が増える。
かなぁ、じゃねえよ。
それに「何度聞いても同じこと」とは、何たる言い草だ。
聞いたことに明確に答えるのが官僚だろう。
酒田総務課長「いえいえ、違います。当時、事務を簡素化しようという流れがあったので、この決済についてもそういう・・」
原口議員「あったかと思いますって、あなたの判断ですか?」
酒田総務課長「いえいえ、違います。」
奥野議員「誰の判断ですか?まさか係員が一存で『簡素化します』とは言えないですよね。相当上のレベルに諮らないと、簡素化って決定できないはずなんですが。どなたに聞かれたんですか?」
酒田総務課長「担当に聞き取りいたしまして・・」
奥野議員「どのレベル?」
酒田総務課長「どういう経緯で簡素化されたのか、詳しいことは分からない。」
奥野議員「聞かれた『担当』ってどういうレベル?課長とか局長とか。」
酒田総務課長「まさに『担当』レベルです。」
総理決裁の簡素化を、現場の担当者が独自にやったというのだろうか。
そんなこと出来るわけないではないか。
それとも、責任を現場に全部押し付けようというハラなのか?
酒田総務課長「一番知ってるのは、その担当者なので。」
奥野議員「その人が『記憶がない』というのだったら、その上にも聞くべきでしょ?」
原口議員「下から起案したんじゃなくて、官邸から『これ、もうやめとけよ』って、上から来たんじゃないですか?」
酒田総務課長「担当者に聞いたところ、決裁を取らなくなったということでございます。」
「上から」という可能性は高いかもしれない。
酒田総務課長「そこは控えます」←は??
黒岩議員「1人か2人か答えられないって、どうして??個人情報?セキュリティ?」
酒田総務課長「当時担当していた者に確認をしました。」
黒岩議員「だーから、何人?名前も聞いてない。なぜ答えられないの?」←切れ気味
酒田総務課長「当時担当していた者に確認をしました。」←この回答!!
黒岩議員「だーから、1人なのか2人なのか?」
酒田総務課長「当時担当していた者に確認をしました。」←もうバカにしてる域
黒岩議員「ナニヲ言ってんですか!なんで答えられないんですか?」
意味のない答弁をオウムのように繰り返す、もはや官僚の立法府に対する挑戦と言ってもいい。
はい、そしてここで酒田課長の逆ギレ答弁入ります。
アンタの感想は聞いてないよ。
質問が本質的かどうかってのは、官僚が国会議員に言うべきセリフではない。
淡々と事務的に答えるのが彼らの仕事であるはずだ。
最後に原口議員の感想。
ここまで、聞いて。
安倍内閣の回から、急に総理決裁が取られなくなったという招待者名簿。
初めての「桜を見る会」があった2013年から、名簿が世に出ることを恐れていたなんて、安倍政権とはそんな殊勝な政権だったろうか?
森友も加計も問題になる以前の話だ。
我が世の春を謳歌し、何かやらかして社会から責められる、なんて想像もしない政権だったはずだ。
これは私の想像だが、2013年から2017年までの名簿は、「当時」ではなく、ここ最近廃棄されたか、或いは最近になって「行政文書管理ファイル」から抹消されたか、ではないかと思う。
そうなると、政府の文書改ざん問題再び、となる。
この問題、やりようによっては財務省の悪夢再び、となるかもしれない・・・。
※文中、すべての年号を平成から西暦表記に統一した。