2020年1月9日、第21回目の「桜を見る会」野党追及ヒアリングは、出だしからこれ。
「人事課長」とは、内閣府で文書管理を担当するリーダーだ。
毎回、酒田課長に聞いても要領を得ず、持ち帰り、次回に回答を持ってくると「いい加減な聞き取り結果」の内容であるということが度重なり起きていることが、本人の出席を請求している理由だ。
そして早速文書管理の問題が指摘される。
2013年~2017年までの名簿が「すでに廃棄されている」と内閣府は主張しているが、その廃棄記録がないことである。
2018年、2019年に関しては、すでに名簿の保存期間が「1年未満」に設定されているので、文書保存ルールによれば(倫理的にはさておき)、廃棄記録が義務付けられていない、つまり合法になる。
しかしそれ以前の5年間に関しては「1年以上」の保存期間が設定してあったため、廃棄記録がないことは、政府の公文書管理ガイドライン違反に問われるのだ。
原口議員「廃棄してないんじゃないですか?」
酒田総務課長「担当者によれば、いつ廃棄したのかは分からないが、廃棄したのは確かだと。」
原口議員「ガイドライン違反はしたけども、いつしたかは分からんと、そこで済ませてるの?」
こういうバカみたいなやり取りも、酒田課長が人事課長に聞き取り調査を依頼して、人事課長が当時の担当に聞き取る、そしてまた返事を伝言ゲームで戻す、という経緯を経ている。
だから「人事課長をよこせ」と野党は言っているのだ。
ああっ、しかし、ここで原口議員が割り込んで違う質問してきた!
ここは、官僚に「絶対ない」って言わせなきゃダメですよ。
多分、躊躇するだろう。
ここは「あなたの発言は、場合によっては今後の引責にも関わってくる」ってことを、しっかり分からせなきゃ。
では、5年間分の廃棄記録に関して、何人の旧担当者に聞き取りをしたのか?という問いに、なぜか酒田氏は「人数は分からない」と答えている。
人事課に任せたので、自分は知らない、という回答だ。
だーかーらー、人事課長を呼べと言っているのだ。
聞き取りした際の、メモ等の文書は?の質問にも、あるかどうか分からないという返答だ。
酒田総務課長「分からない」
なるほど、行政文書ファイル上から書類の存在を抹殺した可能性が出てきたわけか。
すごい話だ。
酒田総務課長「記憶が不鮮明であるということです。」
「記憶が不鮮明」などと言いながら、「捨てた」ということは、異様に記憶がはっきりしている点も不自然だが。
驚いたことに、「廃棄記録」はおろか、そもそも「行政文書ファイル」に載っていたかどうかが分からないという、さらに杜撰な話になってしまった。
官僚は、「ヒューマンエラーも起こりうる」とか言っているのだが、5年連続で安倍首相に都合の悪い文書がヒューマンエラーで誤って削除されるなんてこと、あるはずないだろ。
考えてしゃべれよ。
これはどうやら、南スーダンPKO同様、ないないと言っていたものが出てくる展開になりそうだ。
この回のヒアリングでは、もう一つ注目すべきディスカッションが行われているのだが、それは次回後編ということにしようと思う。
つづく
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