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「桜を見る会・前夜祭」5千円の会費徴収は本当か?

「桜を見る会」は、田村智子議員が国会で安倍首相を追求するより何か月も前に、そもそも「予算がおかしくないか?」というところに東京新聞、赤旗新聞などが疑念を持ったことが発端になっている。

 

ザックリ説明すると、予算額は2013年度分から2019年度分まで1766万円で固定されているのに、実際の支出は14年度は3005万円、15年度は3841万円・・そののちも右肩上がりで、19年度には5519万円にまで至っている。
では、その「余剰分」は、いったいどこからどうやって捻出したのか?

 

予算オーバー分はどう賄っていたのか。「(超えた分について)これはどこからお金が出てきているのか」という宮本氏の質問に対し、井野靖久・内閣府大臣官房長は「内閣府本府の一般共通経費を活用することにより経費を確保している」と答弁した。一般共通経費とは、内閣府のさまざまな行政執行に使える財源で、いわゆる「色」のついていないカネだ。
(2019年11月29日東京新聞)

 

少し前の記事だが、「やりくり」をしたことについて、井野官房長が答弁している。
「一般共通経費」がどんなものか素人にはよく分からないが、字のまま「一般的にかかる経費」と理解しておこう。

 

で、12月17日の第16回追及本部ヒアリングでは、こんな形でその「余剰分」について触れられた。

 

原口議員「『桜を見る会』は予算が3倍になったと、ということは、ふつうの予算だと賄えませんよね?その膨張した分は庁費で払ったってことでいいですか?」
酒田総務課長「はい」
原口議員「前年度の(庁費の)予算は26億円、今年は56億円、約30億円も増えてるんです。庁費って『桜を見る会』にどうやって使えるんですか?」
酒田総務課長「(要約)庁費の中に積算として入っている。」
原口議員「庁費の中にも予算があるわけでしょ? 3倍に膨れて、それを補てんしていいなら、それ予算って言わないでしょ。」
酒田総務課長「(要約)『目(もく)』の中で庁費を流用することは認められている。」
原口議員「あ、そーなんですか。そうなるとあなた方が私たちに出してる予算っていうのは、流用可能で、足りなければよそから持ってきてもいいと。そういう予算なんですね?」

 

「庁費」という言葉が出てきた。
「一般共通経費」と「庁費」は同じものを指すのだろうか?
違うものなのであれば、先月の井野官房長の答弁と、ヒアリングの酒田課長の答弁は一致しないことになるが、残念ながら私の浅い知識ではそこまで分からないので、一旦保留とする。

 

しかし、決めた予算枠の中であれば、いろんな項目同士で、報告もなく自由に融通していいなんていうことが、まさか省庁の中でまかり通っていたとは知らなかった。

そしてここからは、日を改めて、12月19日の第17回目の追及本部ヒアリングとなる。

 

原口議員「この間ね、『目(もく)』の流用をしたんだと言ったけれど、内閣府単独で決裁しましたか?財務省となんらかの協議してるでしょ?・・・財務省との稟議、してますよね?
酒田総務課長「(要約)資料情報がないので分からない。」
原口議員「情報持ってないって、アナタ責任者でしょ?いつから責任者でしたっけ?」
酒田総務課長「昨年の夏から・・」
原口議員「だから、今年の『桜を見る会』でオーバーしてるじゃないですか。その情報持ってないわけですか??」

 

このやり取りから分かるのは、内閣府には、財務省に相談することなく「融通」「流用」できる金銭があるらしいということだ。

 

話は少し変わるが、この日、ヒアリング会場には下関市から、安倍派ではない下関市会議員、田辺よし子氏が参加していた。
田辺氏は、「桜を見る会」に参加した人たちに、地元で独自に聞き取り調査をした結果を披露した。
その中には、ホテルニューオータニで開催された「桜を見る会・前夜祭」に関する興味深い話があった

 

田辺氏「(ライオンズクラブを通して初めて参加した男性の証言)サンデン交通さんに6万8千円旅費を払いまして、2か所観光をして前夜祭にも出て新宿御苑に行ったということでした。前夜祭では、誰か連れて行ってくれた方に5千円を払いましたと。しかし領収書は頂いておりませんということでした。・・(中略)・・もう一人、ソロプチミストの女性の方がいまして、その方は5千円は払っていませんということでした。」

 

ついに、前夜祭の5千円を「払ってない」という人が出てきたよ・・。
安倍首相のぶら下がり会見の説明では、「前夜祭」の参加者全員から5千円を徴収して、ホテル名義の領収書を出しているという話だった。
しかし、今年約850枚発行されたはずの領収書が、下関で一枚も発見されていない。
これは現地調査に入った野党議員だけでなく、田辺氏のような地元の議員、またマスコミも必死に探しているというが、それはいまだに出てきていない。
ちなみに、少し以前にメディアで公開された5千円の領収書は、2015年のものだ。
2015年のものが出て来るのに、今年のものが全く出てこないというのは、どういうことなのか。

 

原口議員「田辺先生、地元から領収書が一枚も出てこないというのは不思議なことで、お金払ってない人が多いんじゃないかとも思っていて・・、ただお金を払ったという人もいて、でもその方は領収書をもらっていない。払った方がどのくらいいるのかも不明ですね。」
田辺氏「・・・実際に行った人はツアー料金の6万8千円を振り込み、前夜祭では入り口に行ったとき、誰だかわかりませんが、お金を回収する人がいて、その人に(5千円を)渡したということなんですね。そして、ホテルニューオータニと書かれた領収書は全くもらってないんです。ただお金を渡しっぱなしという方が、ライオンズに1人ありました。ソロプチの方は、お金も全然払わないで、3人でフリーパスで入っていったということでありました。バラバラなんですよ。」

 

2015年の領収書が出てきたことで、世間では「高級ホテルで5千円は安すぎるとはいえ、徴収はしていたようだ」と固定観念に縛られているが、2015年と言えばもう4年も前の話。
これはひょっとして、直近ではさらになーなーになって、5千円の徴収すらまともにしていなかったのではないか、という気がしてくる。

 

で、ここからは私の邪推になる。
ニューオータニが安倍首相のために特別にはからって、破格の5千円でパーティを請け負ったのではないかという疑いがこれまでにも持たれてきたが、さらに一歩踏み込んで、ここではその邪推を一層ヨコシマに加工してみる。

 

その費用、まさか内閣府から出ていませんか??

 

府で、テキトーにやりくりして、足りなかった「桜を見る会」の経費を補てんできるくらいなら、たかだか1000人かそこらのパーティ代をひねり出すのはワケもないことだろう。
これはますますニューオータニの明細書が必要になってきた。
ちなみに直近のニューオータニの回答は、「前夜祭の明細については、公開を前提とした再発行には応じられない」という奇妙なモノ。
公開も非公開も、客が発行しろと言った明細書を提出する義務が、ホテル側にはあるはずだ。
そして、この言い回しから、「ホテルに明細書がある」ことが、暗に示されている。

 

明細書が出てきて、あて名が「内閣府」だったらどうなるのだろう??

 

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