2月3日の予算委員会、見どころは、辻元議員の質疑だった。
まずは、コロナウィルスに関して、政府には十分な情報公開をすることを要求、そして、事後に政府対応を検証できるように、関連文書を全部保存しておくように、という要求をしつつ、現政府の文書管理に釘を刺すという効果もあって、うまいなと思った。
これに「法令通りに保管する」という安倍首相答弁に対して、「1年未満だから捨てちゃった」では、後日検証できないと、さらに釘を刺す。
メインの話題に入る。
辻元議員が指摘したのは、「前夜祭」の運営について。
この「前夜祭」で問題とされているのは、安倍事務所主催の講演会パーティで、参加者がホテルとの直接の契約者となり、ホテルが直で会費5千円の領収書を切っている。
安倍事務所には、収支が関係ないという主張から、政治資金収支報告書に一切それに関する記載がないことだ。
一般的に、政治家が後援者を呼んだパーティを開き、それが収支報告書に記載がない、というのはあり得ないことだという。
辻元議員は、だったら全国の政治家・議員たちに、こういうパーティの運営が可能だということを宣言しろ、と迫る。
ちなみに、安倍首相は「新春の集い」という新年会を、毎年地元山口県で開催している。
この安すぎ新年会については、下の記事に説明がある。

で、この「新春の集い」に関しては、収支報告書に記載があるのに(その記載方法には問題があるようだが)、「前夜祭」に限っては、収支報告書に載せないというのは、どういうことか?
辻元議員は、この点を追求する。
棚橋委員長「総務大臣、高市早苗くーん」
辻元議員「総理でしょ!」
議場はものすごい喧騒に包まれる。
辻元議員「総理しか答えられないでしょ。高市大臣は、前夜祭の主催ですか!?」
喧騒の中で答弁する高市大臣。
辻元議員「委員長、なぜ総理を当てるっ!?」
棚橋委員長が映っているが、その顔には動揺が見える。
なんせ、この間、枝野氏にポチだ、カエルだと、さんざん罵られている経緯もある。
辻元議員「速記とめろ!」
辻元氏の迫力は、やはりすごい。
議場「そうだーーー!」の嵐。
辻元議員「委員長ね、私も真剣にやってんだよ。」←すげー
棚橋委員長「ど・・どうされますか?」
辻元議員「委員長、反省してください。委員長、反省して!」
議場、めちゃくちゃ騒がしい。
棚橋委員長「ちょっと、ちょっと聞こえない・・」
辻元議員「総理しか答えられないことを聞いてるわけです!」
棚橋委員長「ですから、今から総理に答えてもらいます。」
辻元議員「その前に、なんで総務大臣当てるの?!」
棚橋委員長「今から総理に答えてもらいます。内閣総理大臣、安倍晋三くーん」
辻元議員「もうね、桜を見る会になったら、異常な運営でしょ?ずっとそれが問題になってるじゃないですか。」
辻元議員の猛抗議あってか、この後、棚橋委員長の傲慢な仕切り方は収束する。
閣僚席「違います。」←モテギらしい
棚橋委員長「閣僚席からの不規則発言はおやめください。」
辻元議員「みんながこれをやりだしたら、日本の政治はどうなりますか?」←ホントそれ。
ここまで言われて、発行した領収書の一枚も出せないということは、領収書自体を切っていなかったのか?
ちなみに、下関の地元議員や野党国会議員の現地調査では、「もらってない」「覚えていない」という人はいるが、「もらった」という人は、みつからなかったという。
内閣府を相手にした「桜を見る会」もだいぶ追い込まれてきたが、この「前夜祭」の問題は、今後の急展開もあり得るような気がする。
ニューオータニも、大手高級ホテルとして、逆風の世論にいつまで無視を決め込むことが出来るのか。
ネットの中継では気が付かなかったが、この辻元議員の質疑中、こんな出来事があったそうだ。
わわ。これはあからさまで、ぶっ飛ぶ。
ジャスト5時、安倍首相は腕時計を見て「終わった」と呟いた。これで中継が終わり、辻元議員のしつこい質問がオンエアされなくなると安堵したのだろう。
だが非情にもその瞬間「ニュース シブ5時の時間ですが、国会中継を続けます」とテロップが流れたのだった😆 https://t.co/K0PQDtw3kR— 盛田隆二🍶Morita Ryuji (@product1954) 2020年2月3日
まぁ、辻元議員のこの質疑、ちゃんと最後までNHKに流れたようなので、よかった。
前夜祭の問題は、このように安倍首相が領収書を隠せば隠すほど、世間の目には「怪しい」と映る。
そんな最中に、例の「検事長の定年延長を閣議決定」が起きた。
IR汚職や広島県の河井夫妻公選法違反問題だけでなく、首相の「前夜祭」も公選法、政治資金規正法に関わる疑いが出てきた今、官邸が検察人事に露骨に手を突っ込むというのは、こういう問題を捜査する当局に圧力をかけようという思惑を想像せざるを得ない。
現に本日こういうニュースが出た。
(2019年2月3日共同)
日本社会が、どんどん不公平、不公正になっていく。