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逃げる自民党、次期国会まで国民の関心は持続するのか

記念すべき第200回目の臨時国会が、安倍首相の朗読で幕を閉じた。
「桜の・・」と言いかけている世間を無視して国会を閉じるさまは、まるで訪問販売者をにべもなく追い払うマンションの住人のようだ。
そして、こちらに強制力がないのをいいことに、インターホン越しにこう言う。
「また来年来てくれ、覚えていたならね。」

 

さて、私たちは来年までこれを覚えていられるだろうか。
次の国会までは、約1か月半ほどの期間がある。

 

しかし、世間がきれいさっぱり忘れるのは、さすがに難しいと思う。
「桜を見る会」は、その中のいろいろな問題が、廃棄された「名簿」一点に集約されている。
そのあまりに必死な政府の隠しぶりに、国民はむしろ「たかが名簿になぜそこまで・・」と、逆に興味を持ってしまった傾向すらある。
また、並行している「ジャパンライフ問題」には、絶対に忘れるはずがない被害者という人たちがいる。
それ以外にも、来季の国会がはじまってからの、菅原元大臣や河井夫妻議員の動向も気になる。
相変わらず行方不明を決め込むのだろうか。
そして、さらなる病欠を申請するのだろうか。

 

2019年は、5月から10月まで国会がほとんどまともに開かれないという異常事態が、大した世間の批判も浴びず続いてしまった。
ところが、補正予算がある今回は、「半年も開かない」などというわけにはいかない。
年末・正月を挟むとはいえ、たった1か月半ですべて忘れてもらうというのは、ちょっと無理がある。

 

そういう弱みを振り切って、さらなる支持を取り付けるつもりなのか知らないが、今月に入ってから、政府は数々の大盤振る舞いを発表している。
・26兆円規模の経済対策
・1兆円規模の東北復興支援事業
・全国50か所に高級リゾートホテル建設
などだ。
これは、支持を取り付けるための「撒き餌」ではないだろうか。
疑い深い人の中には、「ホテル建設は、オークラへの口封じじゃないか」などと言う人もいる。
また、新年早々の解散を睨んでの「撒き餌」の可能性もある。
しかし、この「撒き餌」作戦は、恩恵のない一般市民には、却って不快感を与えたのではないかと見ている。
いずれにせよ、こんなもの、断末魔の利権以外のなにものでもない。

 

景気のいいバラマキの発表をする一方で、菅官房長官は、会見でもしどろもどろになることが増えた。
あの鉄壁のスガ氏が・・などと言われたりもしているが、スガ氏の会見はこれまでも鉄壁でもなんでもなかった。
だって、厳しい質問が一切来ないのだから。
「問題ない」「当たらない」と言っておけば、それ以上は問われない。
誰でも出来る簡単なお仕事だったのだ。

 

どころが、最近それが揺らいできたのは、マトモな質問が上がるからだ。
こう言っては申し訳ないが、決して厳しい質問ではない。
日本以外の先進国なら、当然あってしかるべきレベルの難易度だ。
スガ氏は、毎日の会見の中で、その答弁を充実させてきたのではなく、質問するマスコミたちを都合よくコントロールしてきたのに過ぎない。

 

彼らの間で、どんな駆け引きがあって記者たちが質問に手心を加えていたのかは、部外者には知る由もないが、近ごろ会見内容が揺らいできたのは、スガ氏と記者たちの間にある、なんらかの力関係に変化が出たのではないかと思われる。

 

「桜を見る会」問題の急先鋒となった、共産党の田村智子議員が言う。
「『桜を見る会』名簿はありますよ。」
うん、私もそう思う。
毎年慣例になっている官僚の実務として、それは捨てられるはずがないのだ。

 

公正な行政を行っている証拠でもある「文書」が、政府内でメチャクチャに扱われていることは、国家の程度が下がることにも等しい。
名簿を「出せ」と、地道に抗議することが、国家のレベルの低下を食い止めるために、私たちが当面出来る唯一の手段なのだ。

 

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