2020年初の「桜を見る会」野党ヒアリングも、とうとう通算で20回目を迎えた。
初回から約2時間と、なかなかのボリュームだ。
2019年最後のヒアリングで、いくつかの本質的な質問に酒田課長は答えられなかったので、実務者の話を聞きたいとして、野党追及本部は今回に向けて、2人の出席を要望していた。
それが以下の人だ。
官房人事課長⇒内閣府における文書管理の責任者
セキュリティ室長⇒電子データの廃棄記録、ログ、バックアップデータについて
ビックリなことに、出席拒否だ。
菅官房長官が、内閣官房での年頭に「国民の声に耳を傾けよ」と訓辞を垂れたのはなんだったのか?
安倍首相が、年頭所感で「桜を見る会」の問題について「今後も丁寧に対応してまいりたい」というあの言葉はなんだったのか?
本当に、安倍政権というのは「言うだけはタダ」精神が一貫ししている。
まず、冒頭で取り上げられたのは、この問題。
「桜を見る会」で、内閣府が2019年1月、飲食提供などの関連業務を巡り、入札公告前に委託業者と打ち合わせをし、開催スケジュールを伝えていたことが毎日新聞の取材で判明した。内閣府は「今後の運営に役立てる目的で、入札の公平性に疑義は生じない」としているが、専門家は「公正な入札を妨げた恐れがある」と指摘している。
(2020年1月7日毎日新聞)
年末年始の情報薄のときも、毎日新聞は地道に関係者取材を続け、話題が途切れることなく報道し続けた。
他のマスコミには見られない、地味な努力だ。
敬意を表したい。
さて、上の引用文では触れていないが、この問題で持ち上がっているのは2社、
飲食物の提供業者「ジェーシー・コムサ」(東京都渋谷区)と
会場の設営業者「ムラヤマ」(東京都江東区)
である。
そして「ジェーシー・コムサ」という会社は、昭恵夫人とお付き合いがあるということをまず知っておかなければならない。
2019年11月には、蓮舫議員がこれに関して国会で質疑しようと準備を進めていたところ、氏のプライベートの携帯電話にこの業者から連絡が来るという、なんとも不可思議な事件も起きている。
過去の参照記事。

入札公告は2月であるのに、1月にすでに特定の業者を呼んで打ち合わせをするとは、いかなることか?
それに対する回答がこれだ。
これも、これまでずっと聞かされてきた、「子どもの言い訳」に近い程度の低い説明である。
次に開催する「桜を見る会」に、反省点を生かす目的であるなら、なぜ翌年の入札1か月前なのか?
反省会をするなら、ふつうはその直後に行うのが常識的だ。
1年も経ってから、あそこはどうだった、あれがどうだったなどと言いあっても、記憶が薄れているだけではないか。
しかも、内閣府の説明を踏まえれば、この時点で名簿はとっくの昔に廃棄されているのだ。
反省会なら、名簿等の関係文書がまだある時点でやってはいかがか?
こんなレベルの低い言い訳で、入札1か月前の業者との接触を正当化しようという政府の態度は、国民をかなりナメている証だ。
酒田総務課長「『不適切だった』とは、思っておりません。」
言いやがった。
少なくとも、内閣府が談合を疑われる行動をしたのは明らかなのに、酒田総務課長は「不適切とは思っていない」と堂々と言う。
すごい神経だ。
では、今後は他の案件についても、こういう疑わしい行為をドンドンやるということだろうか?
毎回のヒアリングで、頭にカッときて、ものすごいストレスに襲われるのは、酒田元洋課長のこういう態度だ。
ただ、この「反省会」をやったわりに、実際にはなにひとつ改善されていないのが現実だ。
例えば野党が手に入れた「ムラヤマ」社の文書によれば、ここ何年もの間、セキュリティや招待客の動線に関する設営の基準は何も変わっていないという。
飲食物に関しても、安倍後援会の800名以上の皆様が、一時間以上も前にセキュリティフリーで入場し、さんざん飲み食いしたあと、開催要項に則って招待された方は、正門からチェックを受けて規定通りに入場するが、すでに会場は踏み荒らされているという実態が、改善された気配はなく放置されている。
なんでこういう見え透いたウソを、ここまで平気でつけるのか、神経を疑う。
なんということか、ヒアリングの4分の1も聞いてない時点で、問題山積みだ。
今回は執筆を分けて、この後の内容は、次の記事に回すことにする。