アベノマスクに関して、小さすぎるとか、見た目が悪いとか、機能性とかいうことは、もはやあまり問題ではなくなってきた。
それよりもマスク調達の至るところに、掘れば掘るほど怪しい経緯が明らかになるからだ。
それはすでに政府調達の「利権」という次元を超えていて、依存症かなにかのように、のべつまくなしにマスクを買いまくっている。
厚生労働省マスク班から今日4月21日、布マスクの全戸配布にかかる企業名、契約内容についての回答がきました。
3企業を合わせても90•9億円で少ないのだが。
また、4企業と言っていたのに3企業という疑問はあるが、3企業と契約金額が出てきました。 pic.twitter.com/jvEGGgIc1b— 福島みずほ (@mizuhofukushima) 2020年4月21日
これは4月21日のの福島みずほ議員のツイート。
それまで「4社」と言っていたのに、なぜか「3社」の公開だった。
2019年度の予備費から233億円を用意してマスク代に充てるとも言っていたはずなのだが、約90億円と金額も満たず。
その後、スガ官房長官は会見でこのように述べている。
(2020年4月24日Newsweek日本版)
福島議員の国会での追及に「3社」と譲らなかった国会答弁に、スガ官房長官が裏打ちを与えた形になったものの、その事実はすぐに隠し続けられなくなり、結局はスガ官房長官が会見でウソを言ったことになってしまった。
このマスク調達の詳細だが、わずか数週間後の5月11日に厚労省が開示した文書では、驚く物量に増えていた。
妊婦用と介護施設用もあわせての公開だが、ここで、あの怪しい福島県の零細企業、「ユースビオ」社のマスクが、5億円どころではなく、さらに30億円ちかい契約がされていたことが明らかになった。
ざっとタテに足し算をすると約150億円ほどになる。
さらに注目してほしいのは、文書中に傍線を引いた「マツオカコーポレーション」という分だ。
2019年度の予備費で2億円、その後2020年度の予備費で7.6億円契約されたとある。
ここで、こんなニュースが出てきた。
・・同社は厚生労働省から3~5月の3カ月間の契約でマスクを納入。生産も同期間で行った。3月契約分は2020年3月期決算に計上しており、今回開示した51億円の売上は4月、5月契約分。
同社によると、4月に報道された7億6000万円の契約額は3、4月分での契約で計上された。
(2020年5月27日東京商工リサーチ)
いくら厚労省が事実を隠しても、企業は業績を発表する必要がある。
51億円という途方もなり売り上げが、ひょんなところから明らかになった。
そこでまた福島みずほ氏のツイート。
布マスクについてのすべての契約書を厚生労働省からもらいました。補正予算を使った全戸2枚マスクは、興和とマツオカコーポレーションは5月13日に、伊藤忠は5月15日に契約し、いずれも履行期限は6月30日です。6月30日以降に布マスクが届いても本当に遅いのではないでしょうか。 pic.twitter.com/4OiaB5a3fM
— 福島みずほ (@mizuhofukushima) 2020年5月30日
『興和とマツオカコーポレーションは5月13日に、伊藤忠は5月15日に契約し、いずれも履行期限は6月30日です。』
6月30日が最終納期ということか。
つまり、7月にアベノマスクが届く世帯もあるということになる。
さらにこんな報道も。
すでに公表されている6社以外に、新たに5社が受注していたことがわかった。
・・ワークス(東京都)、▽ブルマーレ(同)▽東洋繊維(岐阜県)▽RELIEF(大阪市)▽TSO International(高松市)で、契約金額は計約36・6億円。介護施設や妊婦向けなどとして5月12~15日に契約された。
(2020年5月30日朝日新聞)
大手3社に続き、新たな企業とも5月半ばに契約とは、どういうことか。
アベノマスクを首相会見で発表したのは4月1日。
問題になったのユースビオは、すでに3月中から発注を受けている。
5月も半ばになってから、また新たに発注数を増やすとはどういうことなのか。
これは推測だが、8億円を公金支出で検品したあと、おそらくかなりの部分が使い物にならなかったのではないか。
その分をさらに公金から出費して、新たに発注したということなのではないだろうか?
常識的な取引としては考えられない。
これではメーカーにとって、「不良品を混ぜるほど儲かる」というシステムになる。
こんな地獄のようなアベノマスクごっこはいつまで続くのか?
そして次は尾辻かな子議員のツイート。
厚労省から布マスク配布についての回答。
全戸配布用予算 466億円 1億3000万枚
介護施設 504億円 1億4000万枚?(2000万枚×7回?)
総額 970億円介護施設向け配布は全戸配布以上に予算額が大きく問題です。私が入手した契約書では、3回目まで契約済。
残りの布マスク契約は止めるべき。 pic.twitter.com/3Jtt2k3ZIB— 尾辻かな子 (@otsujikanako) 2020年5月29日
妊婦用と介護施設用を含めたアベノマスクプロジェクトは、実に総額970億円の事業だったのだ。
なんだこれは。
あきれてものが言えない。
これらには異物や汚れ等を検品する費用8億円がかかることもお忘れなく。
ちなみに、この5月に入ってから新たに調達された分のマスクには、さらに8億円の「検品費」がかかることも厚労省は想定している(国会答弁による)。
あなたは率直に、この税金の使い方をどう思いますか?