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アベノマスクの調達先1社、公開を頑なに拒むナゾ

4月1日、皮肉にもエイプリルフールのこの日、安倍首相によって全世帯に2枚ずつ布製マスクが配布されることが発表された。

 

想像よりも手配は速く、4月の半ばを過ぎたころから、学校や福祉施設、妊婦のいる家庭を対象に先行配布がされた。
が、数が行き渡るごとに、髪の毛、ホコリ、虫、異臭など、衛生用品としては考えられないレベルの不良品だというクレームが、23日時点で7000件以上も寄せられたというのだから驚く。

 

さて、政府は一体どういうスジからこの劣悪品を調達したのか。

 

厚労省は、17日から始まった一般世帯向けへの布マスクは、目視による点検を徹底しているため不良品が配られる可能性は減っている、としている。メーカー4社に対し、生産体制の見直しや検品の徹底を求めている。
(2020年4月18日朝日新聞)

 

この記事では、調達先が「4社」であることを記している。
ところが、福島みずほ議員の厚労省への問い合わせに対する回答は、腑に落ちないものだった。
これがその時のツイートの引用だ。

 

 

興和株式会社 約54.8億円
伊藤忠商事株式会社 28.5億円
株式会社マツオカコーポレーション 7.6億円

 

1社足りない。
しかも合計金額も、90.9億円とおかしい。
233億円ではなかったのか。

 

価格についてはどういう経緯であったのか、もう一度時間を遡って追ってみる。

 

スガ官房長官は4月2日の定例会見で記者に問われ、「費用は1枚200円程度と聞いている」と答えている。
5000世帯×2で1億枚確保するとして、ざっくり200億円がかかる計算になる。

 

4月9日には、立憲民主党などの会派会合で政府側が「466億円の経費を見積もっている」と回答したことが明らかにされている。
これは、マスク代金と送料をあわせた最終的な費用であろう。

そしてこれが、4月24日のスガ官房長官の定例会見(午前)でのやりとりである。

 

朝日新聞安倍記者「世帯向けマスクの配布について、予算は466億円ですけども、政府は野党議員の問い合わせに対して、受注企業3社の契約額は約91億円だとしています。残る差額の内訳はどうなっているのでしょうか?」
スガ官房長官「御指摘の予算額466億円のうち、現在は半数の6500万枚のマスクの調達配送のため、予備費233億円の執行を進めているところです。本件についてはより安く、速く調達をすることに努めた結果、マスク調達費用が積算よりも低い90億円におさまる予定であり、残りの金額は、世帯向けマスクの配布には使用されないことになります。」

 

虫だ、カビだと不良品が相次ぎ、アベノマスクの粗悪品であることが周知されてくると、途端に文書から取引先が「1社」消え、233億円だったマスク代も91億円に減り、142億円の行方が分からなくなってしまった。

 

ちなみに、財務省がHPで公開している、令和2年度補正予算第1号の概要には、「全世帯への布製マスクの配布233億円」がはっきりと書かれている。

 

残る1社についても公共調達のルール上、公表する義務があり、野党は公表を強く求めているが、厚労省の担当者はかたくなに拒み、かえって疑念が広がっている。
(2020年4月24日毎日新聞)

 

「かたくなに拒み」ってなんなんだ・・・。
この残り1社の社名を公開しないために、合計金額まで変更してくるとは、そこまで明かしてはマズい社名なのか。
昭恵夫人のトモダチとかなのだろうか??

 

スポーツ紙の記事に、気になるくだりがあった。

 

厚労省は「一定の手続きを踏むルールがある。4社目のマスクは他の3社と形状が異なる。不具合の報告があった物の中に見当たらなかった」と、非公表の理由を説明した。
(2020年4月23日日刊スポーツ)

 

スガ官房長官は、「90億円で収まる予定」と24日の会見で言っている。
ところが、公表になっている3社の金額を合計すると、すでに90億円を超えている。
そして、上の記事では厚労省が「4社目」の存在を肯定しており、そこからなんらかの「形状の違う?」マスクを調達をしていることも明らかにしている。
スガ官房長官と厚労省の説明では、両者の金額が一致しないことになる。
つまり、どちらかがウソをついているということだ。
おそらく、この「残り1社」のストーリーは、まだ裏方ではっきりと筋道がつけられていないのだろう。
だから、政府の発表に一貫性がない。

 

役所が「頑なに拒み」公開を拒否していると言えば、さんざんやってきた「桜を見る会・招待者名簿」を思い出さずにはいられない。
逆算すれば、役所が文書を公開できないということは、安倍首相またはその筋に、これを公開されると都合が悪い人物がいるということだと想像せずにはいられない。
これまでもずっとそうだったからだ。
コロナ禍で国民がさまざまな不安を抱えている事態になっても、こんなふうに、まだ安倍政権は不透明な後ろめたい税金の使い方をしているのだ。

 

桜を見る会、森友問題、加計問題を潜り抜けてきた政権が、また同じことをこうして繰り返して、同じように潜り抜けようとしている。
日本社会は、いつまでこんな政権を放置するのか。
その実害は、緊急事態下でこんなにはっきり表れているというのに。

 

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