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「桜を見る会」白塗り改ざん、官房長官答弁に合わせた? #23

2020年1月16日「桜を見る会」ヒアリング、第23回目。
通常国会召集前の最後のヒアリングになる。

 

文書管理簿に2013年から17年までの「桜を見る会」の名簿が記載されていない法令違反は、目下最大の問題だが、もう一つの大問題がある。
2019年11月22日に、内閣府が参院予算委の理事懇談会に提出した「桜を見る会・推薦名簿」の中に一部「白塗り」をして隠していた部分があった件だ。

 

(2020年1月16日朝日新聞より引用)

 

2時間近くあるヒアリングのうち、この話題に費やされたのはほぼ1時間半。
この間、内閣府は「推薦の遅延があったため、この一名だけ人事課の推薦としてねじ込んだ」「本当は、『閣総』(官邸事務所のこと)と記入されているべきだった」などなど、入り組んだ言い訳をするが、それを私たちが詳しく理解する必要はあまりないと思うので割愛する。

 

まず考えたいのは、白塗り改ざんをした理由についてだ。
いったいなぜ法令まで犯して、こんなつまらない法令違反をしでかしたのか?

 

原口議員「これ、なんでこんなことしたんですか?」
酒田総務課長「(意訳)内閣府の人事課として推薦することに決めたのに、このままだと官邸事務所が推薦したように見えてしまうので、適切でないと考えたので、この部分を削除した。」
宮本議員「人事課の推薦、というのは、この形で決裁したんですか?」
酒田総務課長「(意訳)内閣府人事課では推薦名簿は、決裁は取らずにやっている。」
森ゆうこ議員「だから残っているのは、改ざん前は、人事課じゃないんですよ。人事課が書いた、決裁した、推薦したという元々の文書ってのは『ない』んですよね。もう一回確認します。ないんですよね?」
酒田総務課長「(意訳)内閣府人事課として提出した、ということが分かるものは、ないです。」

 

ここで、「推定」だが、ズバリ理由が出てくる。

 

森ゆうこ議員「人事課が決裁をして人事課の枠で推薦したということを客観的に示す公文書は『ない』ってことなんです。だから、先ほどの説明は全くのウソで、これを白塗りにしたのは、スガ官房長官が、20日の衆・内閣委員会、21日は参・内閣委員会で、『内総、官邸事務所でした推薦名簿は廃棄した』って答弁しちゃったから、この一枚(白塗り加工したもの)が残ってると、虚偽答弁になっちゃうでしょ?」

 

森議員の言うことは、内閣府のイイワケよりも、はるかに辻褄があっている。
内閣府の他の部局の推薦名簿は「一年保存」であるのに、なぜか内閣官房内閣総務官室だけが保存期間が「一年未満」に規定されているのだ。
改ざんのあったこの文書は「某功績者一名」だが、首相に推薦された招待者は、内閣官房内閣総務官室、まさにこの部局で取りまとめられ提出される、というところがミソだ。
あまりその周辺の事情を詳しく知らない時点で、首相推薦のリストが出てくる部局、「その部局の名簿は廃棄済みで、なにも残ってない」と、慌ててウソの言い訳をしたことが、こうして後日に響いてきているのだ。
なるほど、と腑に落ちる。

 

今回のヒアリングでは、酒田課長は「私は事実を申し上げております。」を何度も繰り返した。
それは「信じてほしい」と訴えているように聞こえる。
文書改ざんをするような政府の役人に、なんの証拠も文書もなく「信じてほしい」などと言われても、「笑わせるな」という感想しかない。

 

この改ざんの理由も、「申し込み遅延の事情から、内総ではなく人事部枠扱いということで部局間で話をつけた」というが、その当時のやり取りの文書があるわけでもなければ、その当時を思い出して担当者が語ったという聞き取り調査のメモすらない。
全部口述なのだ。

 

「白塗り問題」にかなり時間を割いた後、この「聞き取り調査のメモ」に関しても、興味深いやり取りがあった。

 

移管廃棄簿に不記載だったこと、文書管理簿に不記載だったことについて、担当者へ聞き取り調査した際の記述・文書に値するものを提出しろと、野党は何回も前のヒアリングから再三要求している。
それに対する回答がこれだ。

 

酒田総務課長「このメモにつきましては、今回の事案を受けまして、2013年から17年まで・・あぁっ・・その前の2011年から17年におきまして、適正な手続きがなされていなかったということで、今後、関係者に適切に対処するようにというご指示を頂いております。まさに、どういう風に対処するかと検討しているところなので、その検討のプロセスに関わる重要な情報である上に、人事管理にも関わるものなのでお出しできない。」
黒岩議員「そうきたか」

 

係争中なのでコメントできません、みたいな言い訳だ。
だが、この説明で少なくとも、担当者へ聞き取りをした際のメモ・記述類のものは「ある」ということが明らかになった。
前回のヒアリングでは、このメモの有無さえ酒田課長は答えようとしなかった。

 

ところで、「2013年から17年まで・・あぁっ・・」、ここに注目してもらいたい。

 

宮本議員「メモ出してもらわなきゃ困りますよ。さっきもね、5年間じゃなくて7年間っていう風にいま、言い直しましたよね?その言い直し方、大問題だと私は思ってるんですよ。官房長官も「7年間」と、昨日の記者会見で仰ってますけども、2011年12年を引き継いだと。中止になってるわけですよ。招待者名簿は完成してないんですよ。決裁も取ってないんですよ。その年を前例踏襲するはずがないじゃないですか。私昨日、内閣府の方に確認しました。2010年の招待者名簿がいつまで保存されていたのかと。2015年2月25日まで、2010年の招待者名簿は、保存されていたわけなんですよ。つまりですよ、2013年に安倍政権になってから桜を見る会をやったときも、中止した時の前例じゃなくて、やったときの前例もちゃんと残ってるわけですよ。」

 

相変わらず鋭い宮本徹議員。
しかも2010年の名簿が2015年まで管理保存されていたという新事実まで出してきた。
コツコツと聞き込んでるいるのだろう。

ここで酒田課長、「あなたは中止になった2011年と12年の招待者名簿が文書管理簿にないことを、『法令違反』だと認識しているのか?」と聞かれて、キッパリと「はい」と答えている。
この人、23回のヒアリングで、こんなにはっきりと「はい」ということは、ほとんどなかった。
そのくせ、「白塗り加工が『改ざん』であるいう認識はないのか?」と聞かれて、「ワタクシ今、『改ざん』という詳細な定義を了承していないものですから・・」などと言う。

 

あと数日で国会が始まる。
アンタはもういいよ。
分かる人と話させてくれ。
酒田課長相手では、そろそろ限界である。

 

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