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「桜を見る会」まだまだ続く新年ヒアリング~後編~

1月7日、約2時間の「桜を見る会」野党ヒアリングの後半戦である。
前半は、以下の記事で。

 

専門職者のヒアリング出席拒否と昭恵夫人のオトモダチ業者優遇
2020年初の「桜を見る会」野党ヒアリングも、とうとう通算で20回目を迎えた。 初回から約2時間と、なかなかのボリュームだ。 2019年最後のヒアリングで、いくつかの本質的な質問に酒田課長は答えられなかったので、実務者の話を...

 

後半のテーマは大きく二つ。
10月28日に改正された、内閣府の「文書保存期間表」について。
これが一つめ。

 

それと、内閣府サーバ構築に関するマニュアル、その業務に関して、業者との委託内容を示した契約書等の開示である。
データ管理の質問に関してのキモは、消された招待者名簿が復元できるかどうかと、データ削除をしたログがあるかどうかである。
この件で、野党は「内閣府・セキュリティ室長」のヒアリング出席を要請しているが、あっさり拒否された。
おそらく理由は一つ。
内閣府が、サーバーのあり方について細かく説明したくないが、それを正当化する理由として「セキュリティ」が言い訳になっている。
名簿の廃棄理由を「個人情報」と言い逃げているのと同じだ。
なので、セキュリティに詳しい実務者がヒアリングに現れて、万が一正直な回答をされると、政府答弁と齟齬が生じる可能性がある。
それを恐れて、内閣府はたかだか「セキュリティ室長」という人をヒアリングに出せずにいるのだろうと思う。
これも立派な国民に対する背信ではないだろうか。

 

余談かもしれないが、ツイッターに気になる指摘があった。
安倍首相が、谷内氏に会っている。

 

午後7時26分、東京・阿佐谷南の焼き肉店「SATOブリアン本店」着。谷内正太郎前国家安全保障局長、辻慎吾森ビル社長と会食。
(2020年1月6日時事通信)

 

谷内氏は、富士通の現・エグゼクティブアドバイザーを委嘱されている。
この会合で、内閣府のサーバー管理を請け負っている富士通について、なにか谷内氏と名簿のデータについての会話があったのかは分からない。
が、背景にこのような一事実があったことは、ほんの少し記憶しておく価値があろうかと思う。

 

サーバーの件はこのくらいで、内閣府の「文書保存期間表」の話に戻る。
10月28日に改正されたのだが、この日時が問題なのだ。
共産党の田村智子議員が、内閣府に「桜を見る会」の開催についてレクをお願いしたのが、同日だという。
そうした野党議員の動きに反応するように、この「文書保存期間表」の改訂が行われたのだ。

 

「桜を見る会」では、似たようなことがもう一つ起きている。
そう、同じく共産党の宮本徹議員が2019年開催分の招待者名簿を請求したその同日に、名簿がシュレッダーにかけられたというあの事件だ。
そういう意味では、蓮舫議員が安倍昭恵夫人のオトモダチのケータリング企業について国会で追及しようとしたところ、その業者がどうして知ったか、蓮舫氏の私的携帯電話に慌てて「言い訳」の電話をかけてきたことも、類似事件と言えるだろう。
内閣府の官僚が、背後で何かしらの「手を打った」のである。

 

とにかく内閣府では、野党による国会質疑の準備の動向を嗅ぎ付けたら、すぐに火消し活動をするという行為が日常化しているように思われる。

 

では、この「文書保存期間表」で、何が対策されたのか?
かなり端折って説明する。

 

2019年10月28日までは、「文書保存期間表」にはこう記載されていた。

 

「他の行事等の推薦」小分類として「平成〇年桜を見る会」

 

内閣府の名簿には、2種類ある。
.内閣府が「一省庁として、開催部署に提出した推薦名簿」
.各省庁から上がってきたもの(内閣府を含む)を取りまとめた、最終的な「招待者名簿」

 

問題は、28日までの「文書保存期間表」の内容では、上の2.の名簿が含まれないことだ。
なんとしても「全招待者リスト」を廃棄するには、「文書保存期間表」、つまりルールを改定する必要があった。

 

そして改訂された内容がこうなった。

 

「関係行政機関に協力して行う行事の案内の発送(2019年10月28日改訂)

 

まず、これほど短い文の中で「等」が3つに増えた。
笑えるけど笑えない現実だ。
例えば「関係行政機関等」としたことで、赤裸々に言えば、「関係行政機関や安倍事務所など・・」なんて解釈も可能になったわけだ。
「行事等」「発送等」としたことで、「桜を見る会」関連文書がことごとくこの表現の中にねじ込めるような建て付けになったのだ。

 

この件をもっと詳細に理解したい方には、非営利活動法人の「情報公開クリアリングハウス」のサイトをお勧めする。(リンク
ややこしいが、細かい専門的なところまでキッチリ解説されている。

 

さて、この「保存期間表」が改訂された経緯にも、実は疑問がある。
誰がどういう根拠でどういう承認を経て、改訂に至ったのか、内閣府は質問しても明らかにしないのだ。
決裁はなく、表が記された紙を当該部局に示し、紙の上を指さしながら
「ここ、変えますね~」
「ああ、オッケー」
と決定した、というのが、酒田総務課長の言い分なのだが・・・

 

そ ん な わ け な い だ ろ!

しかし、ここで酒田課長の失態が一つ。
「オッケー」のこのシーンで使った「メモ」があるということを、ヒアリングでポロリと漏らしてしまったのだ。
野党はすぐに提出を要求したが、次回のヒアリングでこれが出るか?

 

そんなわけで現在、「内閣府」というのは、政府の行政機関において、最も国民をバカにしている省庁だと断言していい。
総理大臣とその取り巻き議員、取り巻き官僚が、気に入ったものだけ一本釣りして周りに集めた結果がこの組織なのだ。
早々にぶっ壊す必要がある。

 

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