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【桜を見る会】税金を使った盛大な選挙買収行為

11月8日の国会集中審議、共産党・田村智子議員から「桜を見る会」の実態について質問があった。
これまで、安倍首相が芸能人・有名人を侍らせて、その栄華を世間にアピールするイベントかと思っていたが、実態はそんな情緒的な目的ではなく、政治家として極めて個人的な基盤づくりを目的とした、脱法的な買収行為であることが見えてきた。

 

安倍首相が開催する「桜を見る会」、以前からゲンダイなどの週刊誌やスポーツ紙が取り上げ、問題になっていたが、その実態を一般マスコミが伝えることはほとんどなかった。
この会を始めたのは、安倍首相ではなく、ずいぶん以前から恒例行事として行われてきたようだが、ここ最近に至って、異様なまでの参加人数の増加、予算の増加が目に余り、そういう視点から問題視されつつあった。

 

「桜を見る会は意義ある」 政府、予算増額で答弁書
過去5年間約1766万円だった予算額が、2020年度当初予算の「概算要求で3倍の約5700万円」となっている理由を尋ねた。政府はテロ対策の強化や混雑緩和などの改善点を反映させたことで、「実態に合わせた経費を計上した」と答弁書で回答した。
(2019年10月15日朝日新聞)

 

山本太郎風にいうところの、「カジュアルな閣議決定」、上はその一つと言えるだろう。

 

予算が増えた理由にテロ対策や警備とあるが、この日の国会でも内閣府の官僚は同じ言い訳をしていた。
しかし田村議員によれば、支出内訳で一番かかっているのは「飲食物提供」だという。

 

近年の予算増加は、下記のようにある。

2014年度の参加者は1万3千人、3005万円
2019年度の参加者は1万8千人、5520万円
それ以前に関しては資料がないそうだ。(それも国家としてどうかと思うが)

 

では、どのような人が招待されるのか?
内閣府官僚の答弁によれば、「各省庁から各界で功労・功績のある人物を推薦していただき、内閣府内閣官房で取りまとめる」ことによって、個人に招待状が送付されるのだという。

 

田村議員「桜を見る会に参加した皆さんは、インターネットでたくさんそのもようを発信して頂いているので、見てみました。
稲田朋美 日々の活動報告 平成26年4月12日
桜を見る会、地元福井の後援会のみなさまも多数お越しくださり、大変思い出深い回になりました。
当時、規制改革担当大臣。
世耕弘成講演会ニュース 2016年新年号
桜を見る会にて、地元女性支援グループのみなさんと、とこういう写真が載ってます。
当時、官房副長官。
2016年に初入閣された松本純衆議院議員の国会奮戦記、なかなか興味深い物がありました。
2013年4月20日、内閣総理大臣主催『桜を見る会』、役職ごとに案内状が割り当てられます。今回は限られた少数の案内状しか入手できず、残念ながら講演会のみなさまにご案内することができず、やむなくわが陣営は不参加。
その後2015年4月18日、選挙のウグイス嬢のみなさまをはじめ、講演会のみなさまと参加いたしました。
もうひとりご紹介します。
萩生田光一の永田町見聞録 2014年4月18日
総理主催の『桜を見る会』が催され、今年は平素ご面倒をかけている常任幹事会のみなさまをお招きしました。
当時、自民党総裁特別補佐。」

 

いや、驚いた。
閣僚が、税金で催される会に「功労者」と偽って、自らの後援会や支援者を招いているのだ。
ウグイス嬢を買収するといえば、最近、類似案件があった。
そして、萩生田氏が招待した「常任幹事会」も、萩生田光一後援会の「常任幹事会」であることを、自らが答弁で明らかにした。

 

あくまで、招待客の選別にはかかわっていないので分からない、という安倍首相だが、田村議員のさらなるブログの朗読で、矛先は一気に安倍首相へと向かう。

 

田村議員「友田たもつ、下関選出の山口県議会議員のブログ、2014年5月1日号
4月12日安倍首相が主催する『桜を見る会』に行ってまいりました。今回はわたくしの後援会女性部の7名の会員の方と同行しました。早朝7時30分にホテルを出発し、貸し切りバスで新宿御苑に向かい、到着するとすぐに安倍首相夫妻との写真撮影会。安倍首相には長く政権を続けてもらい、今後もずっと『桜を見る会に』下関のみなさんを招いていただきたい。」

 

地元で功績のあった人が、たまたま講演会と重複することもある、と安倍首相。

 

赤旗の現地取材によれば、今年招待された下関市の後援会員の男性は、こう語る。

 

田村議員「2月ごろ、下関市の安倍事務所から、『桜を見る会』に行きませんかと案内が来た。名前や住所などの必要事項を紙に書いて安倍事務所に送り返すと、内閣府から『桜を見る会』の招待状が届いた。安倍政権になってから毎年参加している。下関からは毎年数百人が上京する。」

 

下関からの招待客は、どう考えても、安倍事務所が選別しているとしか思えない。
内閣府が、公金を使って各界の功績・功労があった人々を選別して招待するというのが「桜を見る会」の公的行事の要領である。だれでも参加できるわけではない。
そこに招待された人が、どのような功績を以て招待されたのか、明らかにされる必要がある。
しかも、下関だけで数百人とは、その規模の大きさにも開いた口が塞がらない。

 

まだまだ出てくるブログ。

田村議員「藤井律子山口県周南市長のブログ 2018年5月4日、当時山口の県議
『桜を見る会』に行ってきました。片山さつき先生とも久しぶりの再会を果たしました。『今日は山口県からたくさんの人が来てくださっているわね、10メートル歩いたら山口県の人に出会うわよ。』いつものように元気よくお声をかけて頂きました。
・・とまあ、こういうのがいーーっぱいあるんです。」

 

さらに紹介されたブログでは、招待客が一様に前日に上京し、毎年この会の前日に高級ホテルで安倍夫妻を囲む盛大な「前夜祭」パーティを行っていることが明らかになる。
『桜を見る会』は。前日の「前夜祭」とセットで、安倍首相が支援者を慰労するイベントであることは紛れもない。

 

田村議員「今年の今年の前夜祭の参加者は約850人。よく朝、貸し切りバス17台で新宿御苑に移動。」

 

850人!
貸し切りバス17台!
入場は無料のこの会、会場では樽酒、その他アルコール、オードブル、お菓子やお土産をふるまう。

 

菅原一秀氏がイクラやメロンを配った、河井克行氏がジャガイモを配った、そんな話がかすむような規模である。
そりゃ閣僚たちが、多少のものを配ったり香典を出したりすることに、なんの疑問を感じなかったのも不思議ではない。
自民党内では、これほどゴージャスな選挙買収が一般化しているのだから。
しかもこれは、全部が税金で賄われている。
かかった費用ばかりではない、このイベントに関わった多くの公務員が公用で業務を担っている。

 

安倍首相の800人でかすんでしまったが、安倍首相に近い側近たちや閣僚たちも、同様にそれぞれの後援会や支援者を税金による『桜を見る会』で接待、買収しているのだ。

 

入試の民間試験導入ではさかんに公平・公正が問わたが、今の政権からはどこから切ってもそんな言葉は出てこない。
もう存在自体が不公正、というのが今の政権・政府なのだ。

 

この省庁をあげた公金による自民党の買収行為、国をひっくり返すくらいの大スキャンダルになってもいいレベルの話だと思うのだが。
本邦の世論は鈍いようだ。

 

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