シュレッダーにかけられてしまった「招待者全員名簿」のデータはまだあるのか。
これが出てくれば、どの議員がどんな人を招待していたかということが明らかになる。
しかし、この攻防はまだもう少し長引きそうだ。
そんな中、名簿ではなく、開催またはその準備における発注等の書類から、いろんな情報が読み取れる可能性が出て来た。
全員名簿は、官僚が無理矢理「保存期間1年未満」に規定して、ただちに廃棄してしまったが、「桜を見る会」開催に当たっての支払い等のその他の資料は、保存期間が3年や5年と比較的長い。
先日の田村議員の質疑では、招待状の封入作業を外注した伝票から、招待客の入場票にはナンバリングがあり、その最初の2ケタの区分番号が、推薦者を現しているのではないかということが、明らかになり始めた。

26日、衆・消費者問題特別委員会で宮本徹議員は、この観点から、招待状の入場票にある頭番号「20」「40」「60」という区分番号が、毎年同じように利用されていることから、どこかの資料に、この招待客の属性区分番号が分かる内容があるに違いないと追及した。
これらの属性区分番号は、毎年同じ区分を示す数字として利用されている。
年々新たな招待者名簿を作るのだったら、この数字が毎年同じ区分を現すということはあり得ない。
そこで宮本議員は、内閣府の膨大な書類リストの中から、名簿ではない「桜を見る会開催に関するファイル」という、おそらく業者への発注や支払いなどを一括にまとめたファイル、しかも保存期間5年!、を見せろと追及した。
しかし、たったこれだけのものを提出させるのは、官僚相手には至難の業だ。
保存期間は5年とあるのだから、書庫にあることは100%間違いないのだ。
それを見れば、招待客の名前は出なくとも、相当にいろいろな事実が明らかになることは間違いない。
大塚大臣官房長「(要約)名簿は1年未満扱いとなっております。」←関係ない、ひどい答弁
宮本議員「聞いたことに答えてません。私は保存期間5年の平成〇年桜を見る会文書ファイル、ここに招待区分番号が書いてあるんじゃないかと聞いてるんです。」
大塚大臣官房長「(要約)この5年保存文書は、経費や職員の派遣依頼、支払いなどの文書で、区分番号は該当しない。」
宮本議員「要求してるんですよ。出してください。」
大塚大臣官房長「(要約)その中に、区分番号などはない。」
宮本議員「答えてないよ。だーしてくださいって言ってるんですよ。」
大塚大臣官房長、ゆっくり席に戻り、ゆっくり立ち上がり時間を稼ぐ。
大塚大臣官房長「1年未満なので手元にございません。」←ハアァ?そりゃ名簿だろ。
宮本議員「委員長!答えてないじゃないですか!5年保存文書を出しなさいと言ってるんです。その答弁ナンですか!委員長、ちゃんと指示して。」
委員長「この件に関しては・・・あの・・後ほど理事会で・・」←ハアァ?なんでやねん??
宮本議員「答えさせてくださいよ!こんなおかしな話はないですよ!」
大塚大臣官房長「(要約)個人情報、企業のノウハウに関わるので、それをいちいちチェックするのに時間がかかっている。」
宮本議員「今週中に出してください。2か月もかかる話じゃないじゃないですか。」
官僚の答弁があまりにもひどい。
こうしたことは、時間制限のあるテレビではなかなか紹介されない。
国家公務員のこの不誠実な態度、そして議場の進行役である委員長(まぁこれも与党議員なのだが)が、官僚が回答に詰まりだすと、まるで援護するかのように「後日・・」などと言いだす。
委員長の「一蓮托生」感が丸出しで、実にヒドイ。
これはこの委員会に限ったことではないのだが、議事進行にもかなりの問題があることを、もっと多くの人にも知ってもらいたい。
野党議員は、必ずしも議場で条件が50:50の状況で、与党と議論しているわけではない。
絶対にある文書を「出す・出さない」が、ここまで官僚に握られている現実、議場を中立をもって進行できない委員長。
こんなやり取りも見ずに、結果だけ見て「文書、出せなかったのか。野党は甘いな。」などと言われたのでは、野党議員も気の毒すぎる。
政府、国会がどんどんブラックボックス化し、重い扉を閉めたまま、その中で好き勝手に身内を優遇する内閣と政府官僚。
その扉をこじ開けるには、国民がこういう現実を知って、「ふざけんな」と声を上げることが必要不可欠である。