3月4日、参・予算委から、福山哲郎議員の質疑から、桜を見る会の「前夜祭」についての質問があった。
ホテルニューオータニで、桜を見る会の前日に、安倍後援会によって開催された「前夜祭」で、参加者がそれぞれ5000円を払っていたことは、すでに周知のことと思う。
その5000円について、福山氏は詳しい内訳を追求した。
参加者が払ったのは、5000円ポッキリ、つまり消費税は内税だったことになる。
消費税に該当するのが、端数が出るが、約370円。
残りは4630円だ。
そしてホテルのパーティでは、サービス料が一律にかかる。
この質問に「サービス料も入っている」とは、なかなか答えたがらない安倍首相だが「すべてが入っている。」とそれを認めた。
サービス料は10%となっているので、これが約420円。
さて、残り4210円で、施設利用料と飲食を賄ったことになる。
ここで、安倍首相は「飲み放題」であったことを否定する。
では、どういう設定だったのか?という質問に対して、あくまでホテル側が、ホテル側による、ホテル側の設定でありという答弁で安倍首相は逃げる。
しかし考えて見てほしい。出席者が場内を歩き回る立食パーティの形式で飲み物代を事前に徴収するのであれば、入り口でワンドリンクを配るか、飲み放題以外にやりようがないのだ。
そこで福山議員は、同じ場所で開かれた違うパーティの明細書を出してきた。
おそらく誰かを通じて、鶴の間で似た形式でパーティを行った匿名の人から取り寄せたのだろう。
安倍首相「この、ニューオータニの明細、ニューオータニが出したん・・デスか?ニューオータニから直接・・それは違いますよね?じゃ、これを出されることをニューオータニから了解を取っておられる・・?」
福山氏「契約者の方から了解を得ました」←不規則発言で
安倍首相「え・・ではニューオータニではないということ?え・・いやいや、ニューオータニが直接ここに出したという資料ではないですね?」
福山氏「ここにってどこに?」←不規則発言で
安倍首相「ニューオータニがこの委員会に。いや、出典っとと書いてあるので・・」
この雰囲気、感じていただけただろうか?
福山議員は、これを「お客さん」である誰かから、取り寄せたのであるが、安倍首相は即座にそれを理解せず、「オータニからこんなものが出てくるはずがない」という前提で、狼狽しているように見えるのだ。
オータニとは、よほど強固に裏で話がついているらしいことが、ここから窺われる。
これを、「着席の宴会なので、立食の価格設定とは大きく異なる」と主張する安倍首相に福山氏はこう突きつける。
あくまで、ホテル側が、ホテル側による・・・と答弁して自分は知らないと言い逃げる安倍首相。
そこで、福山議員は、オータニの明細書を請求するように参・予算委の理事会に要請する。
そして翌日、こんな報道があった。
公共調達について、財務省は透明性を高めるため、契約の翌日から原則72日以内の公表を要請する通知を出している。晩さん会開催は19年4月に随意契約で締結。・・開催後に公表するつもりだったが、内部連絡が不十分で、先週野党の指摘を受けるまで未公表に気付かなかった。指摘を受けて既に公表した。
・・予算決算および会計令は、なるべく2者以上から見積書を取ると定めているが、晩さん会会場選定では省かれた。
(2020年3月5日時事)
この報道では触れていないが、この晩さん会が開かれた場所こそが、ニューオータニなのだ。
「随意契約」つまり、入札などを経ずに、政府が業者指名で委託した公的事業である。
この契約内容を、最近まで伏せていたというのは偶然なのか?
これだけの事業を、競争もなく受けさせてくれる安倍さんになら、後援会をタダで接待するのも朝飯前なのではないか?
そういう疑念を持たれても、致し方ないところまで来ている。
ちなみに毎日新聞は、恐れずにオータニ名を入れて報道。
しかも予算オーバーだった事実にまで触れている。
オーバーだった分は、前夜祭の経費だったりしないだろうね?
(2020年3月5日毎日新聞)