スポンサーリンク

「桜を見る会」招待状悪用のジャパンライフに「忖度」で捜査配慮か

客の信頼を「桜を見る会」の招待状で釣っていたジャパンライフの問題が、「桜」の案件から、さらに違うフィールドへと延焼しつつある。
ジャパンライフと、消費者庁をはじめとした政府・政治家との癒着の問題だ。
この問題は「桜を見る会」からは独立して、一つの大きな疑獄として発展する様相を見せている。

 

12月2日の第9回野党ヒアリングでは、「人事異動で課長が交代したことをきっかけに立ち入り検査が取りやめになった」という案件を追求した。
先日、大門議員が国会で質疑した内容がベースになっている。
ヒアリングでは、「消費者庁の取引対策課長」という人物同席のもとで質問がされた。
11月29日の大門議員の質疑に関しては、次の記事にある。

 

「桜を見る会」で表れたジャパンライフと安倍首相の関係
安倍首相と「ジャパンライフ」という詐欺企業の、思いもよらぬ関係性が明らかになりつつある。 ジャパンライフが被害者に対して、圧倒的な信用の裏付けとして、「桜を見る会」の招待状を使っていたことは、ネットではずいぶん前から取り沙汰されていた。 ...

 

ヒアリング終了後、その問題の文書が、公開された。
『本件の特異性』というのは、森友問題の財務省文書改ざん事件で削除された『本件の特殊性』という言葉と、非常に類似性が高いことは、すでに上で紹介した記事にある。

 

今回、衝撃的なのは、文書の最下段にある※だ。
※政治的背景による余波懸念:外圧的に立ち入り検査(或いは召喚)の真意を問われる⇒政務三役へのレク必要性の有無
とある。

 

 

この一文を巡って、政治的圧力があったのではないかと野党議員は詰め寄るが、頑なに否定する取引対策課長。

 

原口議員「『余波』については、当時の担当者に聞き取りしてください。ここまで書くってすごいことですよ。やたらと大物がジャパンライフのバックにいるから、と。加藤勝信さん、二階俊博さん、安倍晋三さん、という名前を使ってジャパンライフが客を信用させる、と。そういうことを消費者庁が認識していたのではないか。聞き取りしてください。」
取引対策課長「当時の人には確認してみます。ただ、私の知る限り、外からの介入があって調査の時間を遅らせただとか、処分を歪めたということはございません。」
原口議員「いやいや、書いてあるわけだから。『政治的余波を懸念している』と。」
取引対策課長「この文書自体も、私はどこまでが本当かどうか
場内「ええええ」とどよめく。

 

あーあ、大門議員が持ってきた文書に、「本当かどうか分からない」って言っちゃったよ。
大門議員は、麻生大臣も神妙になる猛獣使いだよ。
モノを知らない若造なのか知らんが、相手が悪いよ。
それにしても官僚が、公文書の内容が「本当かどうか分からない」なんて、それだけでも問題発言だ。
改ざんと隠ぺいが横行して、官僚すら何が本当か分からなくなっているという告白だろうか。
そして、大門議員のムチは鳴った。

 

大門議員「資料が本当かどうかわからないって言ったけど、平成26年(2014年)4月31日のジャパンライフ事前調査結果課長レク、対処方針確認、取引対策課、名前は言いませんが、この中の正式な議事録の中に『本件の特異性』『要回収』っていう文言が出てきて、それでこの別紙があってね。この別紙は、国会の委員会で当時、民進党の井坂先生が配られてるんですよ。それをアナタ・・真偽が分からない?何を根拠にそういうこと言うの?そしたら、こういうの(文書の束を持って)全部マスコミに暴露しないと、本当のこと言わないわけ?やりましょうか?個人名いっぱい出てるけど。」

 

この『要回収』文書がマスコミに渡されて、一般に公開になったのには、こういう経緯があった。

 

それにしても、野党議員が持ってきた文書に対して、まるで怪文書かなにかのような言い草で「本当かどうか分からない」などと、よくもまぁ恐れもなく言ったものだ。
「取引対策課長」とはどういう人物なのだろう。
ヒアリングの中では、名前までは紹介されなかったので、この記事にもわざわざ名前を探してまで記載するつもりはなかったのだが、検索してみると思いもよらないことが分かった。

 

まずは、消費者庁のサイトの幹部リストから「取引対策課長」を探す。
2019年7月5日付で消費者庁・取引対策課長に就任したのは「笹路健」氏という人物。

 

ところが更なる検索で意外な肩書きが出てくる。
2011年1月24日付で経済産業省・アジア太平洋地域協力推進室長。(経産省!?)
2014年2月1日付、ローソンCEO補佐。(ローソン?・・・妙な経歴が・・)
2019年5月(消費者庁・取引対策課長に異動になる直前)には、『経済産業省 中小企業庁 中小企業政策上席調整官 元 内閣官房 内閣参事官(文化経済戦略特別チーム)』という肩書で講演をしている。

 

ナルホド、ナルホド、官邸と非常に距離が近い人物であることが分かった。
「取引対策課長」というのは、経産省からやってきた人が就くのが慣例であるようで、まぁ、そこはいいとしても、やはり「経産省+官邸」の周辺人物だということは、「またか!」と思わせる。

 

野党は、笹路氏に対して「当時の取引対策課長やその周辺の担当者たち」に『政治的余波を懸念』とはどういう意味か聞き取りをして、後日回答するよう求め、本人もそれに応じたけれど、この人物関係図ではマトモな回答を提示して来るとは到底思えない。

 

自民党の自浄作用が働かず、官僚の要所が首を抑えられ、司法当局が動かない中で、政府内で明らかに犯罪まがいのことが行われているというのに、手が出ないこのもどかしさよ。
ジャパンライフ事件を解明するには、相当多くの『民意』が必要だと思い知らされるのであった。

にほんブログ村 政治ブログへ