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「桜を見る会」なぜそんなにログが出せないのか?

2020年1月17日「桜を見る会」ヒアリング、第24回、国会召集前に急に開催されたようだ。

 

冒頭の質問となったのは、文書管理簿に2013年から2017年の「桜を見る会」の名簿の記載がなかったことだ。
文書管理法7条に違反する。
それを、いつ把握したのか?
なぜこの質問をするかというと、2019年12月から2020年1月にかけて、スガ官房長官が「文書管理簿に記載がない」ことを知っていたのではないか、という疑惑があるからだ。
これについて、スガ氏は記者会見で「1月10日に初めて報告を受けた」としている。
最初に会見でこの件に触れたのも、10日だった。
スガ氏の主張としては、事実を報告されて、速やかに記者会見で発表したということになっている。

 

ところが、だ。
2019年12月4日に、宮本徹議員が、「2013年から2019年までの招待者名簿の廃棄記録はあるのか?」という質問主意書を提出している。
その答弁書は12月17日に閣議決定され、「廃棄記録はなかった」としている。

 

廃棄記録は、正式には「移管廃棄簿」といい、文書管理簿から記載を抜き、廃棄記録簿上に移管する作業をいう。
つまり、廃棄記録に何らかのミスが発覚した場合、対になっている「文書管理簿」を確認しないはずがないのだ。

 

少なくとも、調査に当たった現場の官僚は、質問主意書が出された12月4日から閣議決定した17日までの間に、それを知っていたに違いない。
それが、年明け1月10日まで、スガ官房長官に報告されなかったというのは、明らかにおかしいのだ。

 

また1月17日の夜には、この文書管理簿不記載という法令違反に関して、当時の担当課長らが厳重注意処分を受けたと報道があった。

 

内閣府は17日、首相主催の「桜を見る会」に関する公文書の管理などが不適切だったとして、歴代の人事課長6人を厳重注意処分とした。(中略)
内閣府によると、2011~17年度に人事課長だった5人は在職時、招待者名簿を文書の管理簿に記載せず、廃棄した際に廃棄簿に記録しなかった。
11、12年度の桜を見る会は、東日本大震災などを理由に直前に中止されたが、準備のため招待者名簿を作成していた
(2020年1月17日読売新聞)

 

ここで注意してもらいたいのは、2011~17年度という期間である。
くどいようだが、11年12年は開催されていない。
それについては、最下段に注意書きのような一文があって、中止になっても名簿は作成されていた、という言い訳がされている。
これは、「厳重注意処分」で、この問題の落としどころにしようという意図ではなく、国会にこの問題を持ち込まれた場合、「民主党政権時代のやり方を踏襲した」という議論に時間を割くための下地作りのように見える。

 

この政権の考えるところは、どこまで国民をバカにしているのだろう。

 

さて、文書管理簿不記載問題の次は、ログ開示の問題について質問がされた。
この「ログ」とは?
2019年に開催された招待者名簿は、紙媒体は、宮本議員が請求したその日にシュレッダーにかけられた。
だが、電子媒体の方は5月8日前後という回答しか得ていず、その電子データを廃棄した痕跡である「ログ」の提出を、ヒアリングの初回近くからずっと求めているが、これが出てこない。

 

今回のヒアリングでは、酒田総務課長はこの「ログ」のあることを「ございます」とすんなり認めた。
ん?ログがあるということは、以前すでに認めていただろうか・・?
今回が初めて?
あまりに長丁場で、筆者にもはっきりしない。
まぁ、それはいい。
とにかく、「ある」ということははっきりした。
しかしどういうわけか、こんな簡単なものを頑なに出さない。

 

黒岩議員「酒田さん率直に言うとね、我々は『捨ててない』と思ってるわけですよ。その疑念を被ってるわけだから、ログを出せばいいじゃないですか。なんで出せないんですか?」
原口議員「電子データはあるんでしょ?」
酒田総務課長「電子データは、紙とあわせて廃棄をしております。」
原口議員「だったら廃棄したログがあるでしょ?」
酒田総務課長「そこにつきましては、現状ログの調査を行う予定はない、と。」←えー!?
原口議員「いやいや、予定はなくても、私たちが、『やってくれ』って言ってるんですよ。あなた方が、捨ててないと思ってるから。」

 

このやり取りで、「ログ」が相当のキモであることと、2019年招待者名簿の電子データは多分捨てられていない、という予感がさらに高まった。

 

宮本議員「ログ、出した頂かないと・・、皆さん口だけで、記憶ベースで捨てた捨てたと言ってますけども、それを証明するものはログしかないんですよ。なんの文書も出てきてないわけですから。本当に捨てたのなら、出してください。予算委員会でもコレやるんですか?やめましょうよ。(苦笑)」
原口議員「これね、みなさん(ヒアリング視聴者)見てます。納税だって記録に基づいてやるわけでしょ?納税者は言いますよ、『担当者に聞きましたけど、これは経費です、と言ってますから経費です』って。それで納税免れること出来ますか?

 

いや、ほんとそれ。

 

このままヒアリングで小者を相手にしても出てきそうにないので、国会の委員会でここは強く請求した方がいい。
キモが「ログ」にあるということが、世の中に広まれば、世論に押されて隠せ通せなくなるということもある。
ヒアリングでは、舞台がいかにも小さい。

 

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