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【桜を見る会】招待者リスト廃棄、サーバーにも消去データなしー内閣府

「桜を見る会」疑獄、マスコミではもっぱら「前夜祭」でのホテルとの料金関係がスポットを浴びている。
スキャンダルとして分かりやすいし、マスコミが独自調査でネタを集めることもできるので、そうなるのが自然だろう。
一方、メインの「桜を見る会」は、公的行事なので、行政の瑕疵という視点から、こちらは国会で野党が連日追及を続けている。
「前夜祭」と違って、こちらの経過は堅苦しく、ニュースもバラバラに出てくるので追うのに根気がいる。
しかし、この2点とも、突き詰めれば「明細が出てこない」「文書が出てこない」という問題が解決を阻んでおり、安倍政権において「文書」は、問題のジャンルを問わず常にネックになる点と言っていい。

 

今回は、その堅苦しい野党のヒアリング記録から、一般人としてヒデェなと思うやりとりをやわらかく紹介したい。

 

「桜を見る会」に関する野党議員のヒアリングは今回で4回目になる。
当初から要求している「招待者リストを出せ」は、マスコミにも報じられているとおり、「捨てちゃった」というモリカケからすでに常套手段となっている言い訳で、いまだに出てきていない。

 

そこで野党議員は、「いつ捨てたのか?」という答えを、紙媒体と電子媒体の両方の点で求めている。
紙は、2019年5月9日に廃棄したことをすでに明かしている。
そう、共産党の宮本徹議員が「桜を見る会」に関する質疑のために資料請求を出したのが9日、その日に官僚たちは慌てて紙を捨てたのだ。
それだけでもトンデモナイ話なのだが。
では、データはいつ消去されたのか?
前回のヒアリングで、「紙を捨てた9日より少しあと」という回答は得ているが、明確な日にちは明かしていない。
引き続き調べなさい、ということで、今回のヒアリングを迎えた。

 

野党議員「電子データは結局いつ処分したんですか?」
官僚「前回ご説明した通り、文書の方は5月9日に紙ベースで処分したと、その頃であるということです。」
野党議員「頃、っていつ消去したか分かんないの?」
官僚「現時点で、さかのぼっていつだ、ということは分からない。」
野党議員「なんで分からないの?」
官僚「それは、あの・・そういうものだから。」
野党議員「はぁぁ?」

 

「そういうものだから」って返答がすごい。
「なんで?」「なんでも。」みたいなやり取りだ。

 

官僚「技術的に難しいかなと、何月何日に・・」
野党議員「誰が消したかも分からないの?」
官僚「それは担当の者が・・」
野党議員「それ、公式な答弁ですか?財務省の改竄がありましたね。あれ、データも含めていつなくしたのか、明らかになってますよ。あなたのところは電子データをいつ消したのかも言えない、分からないような文書管理なんですか?」
官僚「現時点で、さかのぼって、何年何月何日という風には、技術的に把握することはできない。」
野党議員「消去したのだって、公文書管理法で、いつ消去したって改訂を出さなきゃいけないんですよ。今さかのぼって分からないなら、未来永劫分かりませんよ。」
官僚「今の時点で、半年前くらい前に消したのかということは、技術的に分からない。」

 

いつ消去したかは、技術的な問題で「現時点では」分からないという回答を繰り返す。
「現時点で」「今の時点で」こういうワードには、官僚の将来的な言い逃れの伏線が隠れていることが多い。
あとあと、「日付は分からないと言ったじゃないか!」となったときに、「現時点では」と申し上げました、とくるわけだ。
官僚が、あまり意味のない限定句を繰り返し入れたがるとき、そこにはたぶんウソがある。

 

野党議員「いつ消したか分からないって、そりゃ文書管理法違反だよ。」
野党議員「サーバー管理している部署には確認してるんですか?」
官僚「確認をしております。」
野党議員「で、分からないと?」
官僚「はい、分かりません。」
野党議員「サーバーでログが残らないってことはあり得ないんですが、どうですか?」
官僚「要するにですね、技術的に、分からない、と。」

 

これ、「技術的」と言えば、野党議員風情には分からないだろうとタカをくくってるのだろうか?
役所では、おそらく中央のサーバーがあって、各職員が自分の端末からドキュメントを取りに行ったり保存したりする仕組みになっていると思うのだが、そのサーバーにすら「消去の記録がない」なんてこと、ふつうなら考えられない。

 

また、消去の理由を「個人情報なので漏えいすると困るから、用が済んだら遅滞なく廃棄」としていたが、後日、そのコピーが出回るような不測の事態が起きたときに、消去した証拠がないというのは、国家行政として、あまりにも間抜けなシステムだ。

 

なんだかもう、小バカにされているというか、その誠意のない態度に見ていて腹が立つ。

 

そんなこんなで、本当に捨てたのかどうかは分からないが「内閣府が取りまとめた名簿」というのは、どうやら当分出てきそうにない。

 

しかし、各省庁には内閣府に依頼されて提出した名簿が保存されている。
これは「栄典に関する文書」として、多くの省庁で10年の規定で保存されている。
今のところ、報道で確認できるだけでも、総務省、文科省、法務省、厚労省、国交省が名簿の存在を認めている。

 

また国交省に関しては、

赤羽一嘉国土交通相は19日の記者会見で、首相主催の「桜を見る会」の招待者に関し、国交省作成の推薦者名簿10年分を保存していると明らかにした。公表についても「求めがあれば適切に公開する予定だ」と述べた。
(2019年11月19日共同通信)

と報道されている。

国交相と言えば、大臣は公明党の指定席。
延焼を免れようと、避難の態勢に入ったとも言える。

そして19日、私の知る限りでは、省庁に割り当てられた人数が初めて明らかになった。

 

加藤勝信厚生労働相は19日午前の閣議後記者会見で、同省が作成した出席者の「推薦名簿」は、内部規則に基づいて10年間保存していると説明した。内閣府から示された基準に基づき、2018年は182人、19年は168人を推薦したという。
(2019年11月19日朝日新聞)

 

これを14府省庁で単純に掛け算すると2352人。
招待者は全部で1万8千人なので、はるかに及ばない。
この分だと、いわゆる「各府省からの推薦」された功労者という人たちは、5千人にも満たないのかもしれない。
そうなれば、選挙運動として招かれた招待客は、実に1万人以上ということもあり得る。
ジワジワと明らかになる未曽有の大規模饗応に、開いた口が塞がらない。

 

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