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「桜を見る会」ジャパンライフ山口氏他14人逮捕でどうなる?ヒアリング#34

コロナ禍の国会や安倍首相辞任など大きな出来事を経て、9月18日、久しぶりに「桜を見る会」#34ヒアリングが開催された。
スガ政権下では初めてのヒアリングとなる。
今回、久しぶりにヒアリングが開かれたのには大きなわけがある。
それはジャパンライフの元会長・山口隆祥氏をはじめ14名が詐欺容疑で逮捕された件だ。

 

「ジャパンライフと桜を見る会」の詳しい過去記事はこちら。

 

「桜を見る会」ジャパンライフ社長への招待状は首相枠?反社勢力は?
11月25日、参・行政監視委員会で共産党・田村智子議員から、また爆弾のような質問が出た。 質問というより、一方的な追及・暴露に終始していて、答弁に立った副官房長や官僚は、理詰めの追及に答弁することすらままならなかった、あっという間の15分...

 

ジャパンライフは安倍首相の「桜を見る会」招待状ほかに、加藤勝信官房長官との間柄も宣伝材料として使っていた。
現政権中枢の2人である。
また、「桜を見る会」でスガ首相と写真を撮っている48ホールディングスの淡路元会長は、証人買収罪で起訴されている秋元司議員の買収を手伝ったことで逮捕されている。
48ホールディングスは、クローバーコインという仮想通貨をマルチまがいのやり方で販売し、当局から警告を受けた企業である。
その宣伝は、安倍夫妻やスガ氏と映した自身のの写真を使って被害者に信用させるという類似の手口を使っていた。

 

また、スガ首相は山口氏逮捕の前日に唐突に「桜を見る会を来年以降中止する」と発表した。
事前に逮捕を知ってのことか?
唐突な中止宣言の理由は、詳しく語られていない。

 

今回のヒアリングに出席した官庁は、消費者庁、法務省、内閣府である。

 ヒアリングのポイント

消費者庁役人「消費者庁はジャパンライフに、平成28年から29年にかけて(2016~2017)特商法、預託法違反で4回行政処分を行っている。」
原口議員「4回もの処分というのは、他に例があるか?」
消費者庁役人「ございません。」
原口議員「2回目の違反で市場から出て行ってもらわなきゃならないのが普通。それがなぜ4回も?」

 

この「なぜ?」に断固答えない役人。
挙句の果てに「何度も処分をしたからこそ倒産に追い込まれた」などとしれっと言う。

 

倒産7年前から債務超過 ジャパンライフ、粉飾か―巨額詐欺事件・警視庁など
ジャパンライフ(破産)の巨額詐欺事件で、同社が事実上倒産する7年前の2010年から債務超過に陥っていたことが19日、捜査関係者への取材で分かった。
(2020年09月19日時事通信)

 

最新の報道で、この役人の主張は全く当たらないことが分かる。
なぜ異例の4回も続く処分しながらジャパンライフを放置したのか?その質問に役人が答えることはなかった。
そして、その態度は実にふてぶてしいものだった。

 

ジャパンライフ倒産
消費者庁の元担当者、天下りしていた
消費者庁の川口康裕次長は30日の衆院予算委員会で、消費者庁で同社の担当だった元課長補佐が、退職後に同社へ天下りしていたことを明らかにした。
(2018年1月30日毎日新聞)

 

こんな話があるにもかかわらず、だ。

 

内閣官房

内閣官房・原氏「個人情報保護の観点と、すでに名簿がないということからお答えできない。」

 

どんな質問もこの点に着地した。
名簿データの削除ログも「セキュリティ」の理由で開示を拒否。
特定のログ一つを開示するのに、セキュリティの問題などあるはずがない。
デジタル庁を推進している内閣とは思えないような、退デジタル発想だ。
しかし、内閣官房は総理大臣と官房長官が明確に「調べない」と言っているので、官僚を相手にひっくり返すのは難しい。
ここでは「調べろ!」という圧倒的な世論の後押しが必要となる。

第34回ヒアリングの効果

 

ジャパンライフ山口氏が逮捕されたことで、世論は「桜を見る会の問題を調査すべき」という傾向に一定程度はなるだろう。
しかし、現段階で官僚相手のヒアリングに何かを詰めるには、内閣が入れ替えになった今、細部にわたる政府見解が示されていないため、話が進みにくい。
国会で総理、各大臣、本人に確認すべきことが多すぎる。
今後、解散を打たれたりした日には、さらにしばらく国会が開かれないことになり、手を付けるチャンスがないというのが正直なところだろう。

 

世間には、このヒアリングを「官僚の重荷になる」などとおかしなことを言う人がある。
官僚が重荷になっているのは、なによりも「あること」を秘匿しながら行政を運営しなくてはいけない立場に彼らを追い込んでいる与党の方針せいである。
そういう批判は、野党にではなく憲法に違反してまで国会を開かない内閣に向けられるべきだ。

 

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