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感染拡大を認めない安倍政権

8月5日の野党合同ヒアリングを視聴した。
約一時間の前半部は、前日にあった吉村知事の「うがい薬」会見について、政府の見解を確かめる。
吉村会見に関しては、バカと罵りたいポイントが山ほどあるが、それはヒアリングから引き出されたものとは違うのでここでは詳しい内容は割愛する。
政府は「うがい薬」の効能に関しては今まで通り、コロナに対して特別な効能があるということは確認していない、と。
まぁ、常識的な回答であった。

 

問題は後半部のGoToトラベルキャンペーンについてである。
GoToに関する問題点は、予算執行の問題、仕組みの問題、コロナ流行の時期との問題、などさまざまある。
そして現在の最も大きいのは、言うまでもなくコロナ流行との兼ね合いだ。

 

しかし、この点に関して、野党議員が議会ではないヒアリングという場で官僚を相手に質問や批判をしても、具体的な結果が出るわけではなく、聞いていてかなり空しい。
それは、なにより参加している野党議員が一番感じているだろう。
役人は、政府が決定したことを、支障なく淡々と遂行するのが任務なのだから。
彼らの側から「なるほど、そうですね、この時期GoToはないですね。ではやめましょう。」なんて答えは出てくるはずがないのだ。
それを分かっていながらも、野党議員はこうした場を設けて、問題を公にする必要がある。

 

なぜ?

 

それは国会が開かれないからだ。

 

野党議員が、総理大臣をはじめ各担当大臣が出席する議会で、政策の問題点を批判すれば停止や中止といった措置が取られることも期待できるが、ヒアリングではそれはない。
こんな、一見ムダに見えるヒアリングをコツコツと開催しているのも、国会がないからなのである。

 

今回も、いろんな問題が提起された。
それに対して役人は、いま進行している政策が「正しい」という前提で、なんとか回答をしようとする。
当然だ。それは仕方がない。
が、そもそも前提がデタラメなので回答も辻褄が合わなくなるし、理屈的に無理のある建てつけになる。

 

役人の回答はテキトーとはいえ、いくつかの問題が明らかとなった。

 

・東京の親会社が登録していると、観光地の子会社は自動的に登録事業者になる
(遠く離れた親会社の申請で、現場の子会社の感染対策なんてチェックできるのか?)
・登録宿泊施設から感染者が出た場合、GoTo事務局に宿から報告が来ない限り、情報を得るルートがない
(すでに報道で明らかになっていた参加ホテルでの感染例を、国交省は把握せず)
・感染例を把握したとしても、それを公表することはない
(その後も宿泊客を受け入れ続けるのか?)
・参加宿には感染対策をしているかどうかのチェックもされるというのだが、その基準や方法が明らかとなっていない上に、感染例が出て、宿に問題があった場合は認定を取り消すこともある。
(専門外の国交省の立場で感染対策の質を判断し、認定を取り消したり、懲罰的な宿名公開などをすることは適当なのか?)

 

これらの問題点を総合すると、要するに感染流行期に無理に旅行を推進しておきながら、その対策は国交省としては万全と公言しつつ、実はすべてを接客業者と宿泊客に丸投げし、場合によってはGoTo認定取り消しなどという措置権限だけを作り、あたかもコロナ対策を何かをやっているように見せかけているのだ。

 

しかし結論から言えば、たとえ感染を出したとしても、宿に責任を問うのは酷である。
専門家が寄ってたかって健康管理をしているはずの、五輪代表選手でさえ感染してしまうほどの流行状況なのだ。
無症候者が宿泊客の中にいた場合、同じ宿の中で一人も感染者を出さないというのは難しい。
だから多くの国民も、野党議員たちも「今はやめろ」と言っている。
最終的には話がここに落ちてしまうのだ。

 

しかしヒアリングに参加している役人たちに、ここを決断する権限はない。

 

だから国会を開いて議論を尽くす必要があるのだ。
逆に言えば、だから自公政権は、国会を開きたくないのかもしれない。

 

自民党の一部には、国会を開いて特措法を改正し、強制力のある休業を可能になどという声があるが、その前にまず現政府は「今が感染拡大期である」ということを、国会で認めなければならない。
それをしなければ話が始まらないのだ。

 

さっさと国会を開け。

 

そんなに国会がキライなら、国会議員なんて今すぐ辞めればいい。

 

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