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日ロ首脳会談出発の当日になって漏れてきた、安倍政権の譲歩案

21日、安倍首相は日ロ首脳会談に臨むべく日本を立った。
が、その日の早朝にはこんなニュースがあった。

安倍政権、2島決着案を検討
北方4島返還「非現実的」(2019/1/21共同)

今回の交渉で、4島すべてが返還されるなどと、夢のようなことを信じている人はあまりいないと思うが、せめて最初の2島を返還させ、その後残りの2島については長い将来に向けて粘り強く交渉を続ける・・
このくらいの期待をしていた人は多いのではないだろか。

この記事では、「安倍政権幹部によると・・」、というリークを思わせる書き出しで、「4島返還を迫るのは現実的ではない、2島で決着をつける」方針であることが明らかになったのだ。

これは「今回は2島で」という意味ではなく、2島で手を打って、残りの2島は「放棄する」という方針だ。
当日になってとんだ弱腰ぶりが露わになった。

安倍政権には、6月に予定されているプーチン来日の時に、「平和条約締結」の花火をドーンと上げたい、という思惑がある。折しもこの時期は、参議院選挙の直前でもある。
官邸の関心は、島の返還がどうのこうのよりも、この花火をいかに派手に打ち上げるかに集約されているに違いない。

しかし、現実はそんなに甘くなく、2島どころか、「返還」と言えるようなものは一つもなくなる可能性すら疑われるようになってきた。
それは、前回の河野外相が臨んだ外相レベルの会談で、大方察しがついた。

「北方領土」(この言葉の意味する日本の領土という部分)という名前すら気に入らないと変更を求めてきたのだ。

これはさすがに驚いた。「北方領土」という名称は、なにも最近になって使われ出したわけではない。
交渉を目前に、「現在の主権がどちらにあるのか、はっきりさせようではないか」と、今までの主張からロシア側が具体的に一歩踏み込んできたことになる。

ここで首脳同士が会って話したところで、「ウラジミール」とファーストネームで呼べる間柄だかなんだか知らないが、事が好転するとは到底思えない。仮に思えるとしたら、かなりどうかしている。

北方領土を「やってる感」のために放棄するのでは割りがあわない

「2島+アルファ」という日ロ交渉の初期の看板には、「半分より、少し多い」というイメージもあったと思う。
「やってる感」が何よりも大事な現政権だ。
4島のうち2島なら「半分」のような印象を国民に与えられる。
しかし実はこの2島は、「半分」などではない。
面積にしたら、4島のうちの7%に過ぎないのだ。

それが0%になろうとしているのが、現状況だ。

正直、ここまでこじれているのだから、交渉の土俵から降りるのも方策だと思う。IWC脱退で直近の類似経験もあることだし。

安倍政権の「やってる感」演出のために、これまで長い間築いてきた交渉の歴史をご破算にしてしまうのでは、あまりに割の合わない話だ。

 

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