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「自治体の6割が」と「お父さん・・」で改憲はあり得ない

2019年2月13日、今日は立憲民主党の本多平直氏の質疑をピックアップしようと思う。
私は本多氏のことをあまりよく知らなかったので、ちょっとネットで検索してみたら、
先日、根本大臣をして「実質賃金を新たに計算すると、野党試算に近いマイナス値になる」ということを議場で認めさせた西村智奈美氏とはご夫婦だとか。
別姓なので気が付かなかった。(ま、どうでもいい個人情報ですが)

統計不正の質疑が相次ぐ中で、本多氏が最初に取り上げたのがこの問題。

護衛艦「いずも」は改造されて「空母」になったのか

本多氏「空母じゃないんですか?」

これに対する安倍首相の答弁がまたいつものごとし。
・一般的な空母
・憲法上の空母
・国際的常識の空母
どれにも明確に「空母」の定義がないので、これを「空母」というのは当たらない、と。

じゃ、一般的なヤツで頼むよ。
国民が相手なんだから。
日本語で「空母」って言ったら、大多数の人がアタマに思い浮かべるやつ。
それが空母だよ。

本多氏「ごまかしはやめたほうがいいと思うんですよ。時計を時計じゃないとかね。マイクはマイクの国際的定義がないから、これはマイクじゃないなんて言ったら、何の議論もできない。」

これはいつか見たデジャヴ、というか何度も見てきたデジャヴ
「FTA」を「TAG」と言い換え、
「戦闘」を「武力衝突」と言い換え、
「墜落」を「不時着」と言い換え、
「武器輸出」を「防衛装備移転」と言い換え、
ことに、軍備面に関して「言い換え」が、この政権では頻発する。

安倍政権のやり方はいつもひとつ、「議論にさせない」ことだ。
これで「野党、手詰まり」などと、毒まんじゅうが効いているマスコミが報道すれば、国民は「ああ、野党はだらしないんだな」と思う。
見ると聞くとは大違い、とはこのことだ。

「6割以上の自治体が、自衛官募集の協力を拒否している」は本当か?

さて、この後、1年前に予算委員会で安倍首相が言ったという「専守防衛は圧倒的に不利」発言を指摘し、
「自治体の6割以上が自衛官募集の協力を拒否する」という、先日、安倍首相が憲法に自衛隊を明記するべき根拠として挙げた話が取り上げられる。

この話は、最近になって急に安倍首相が主張しだしたのだけれど、どこから湧いた話なのだろう。
誰かにそう耳打ちでもされたのか。
色んな意味で改憲の根拠になんか、なりえない話であるのに。

自治体が高校3年生の名簿を渡さないのは、プライバシーの考えによるもので、自衛隊が憲法違反だから、などであるはずがない。
そもそも自衛官が集まらないのも、これも憲法とは関係がない。
人手不足なのだ。
昨日、志位氏の質疑でも出たが、安倍政権で増えた労働人口384万人のうち、266万人が65歳以上なのだ。
高齢者でも応募できるのなら、話は別だが・・・。

子供が涙を浮かべて「お父さん、憲法違反なの?」は実話なのか

こう言っちゃなんだが、この質疑は盛り上がった。

本多氏「『お父さん憲法違反なの?』と自衛官の息子さんが涙を浮かべてたって話、よくされるんですけど、実話ですか?」
安倍首相「実話です」
本多氏「何県でいつごろ聞かれた話ですか?」
安倍首相「これは防衛省から聞いた話です。・・・これについては、資料を出せと言うのであれば、資料を出させて頂きます。」

資料?資料があるの??
正式なルートを通って、上にあがって来た話だったということだろうか?
まさか、これから官僚にねつ造させるのか・・?

初めてこの話が出たのは、2017年11月27日の長妻氏への答弁だと思うのだけど、
参考:これに関する質問主意書
このときは「ある自衛官から聞いた」になっている。

これに続き、本多氏が「私の実感とは違う」「自衛隊が憲法違反だとよく仰るが、そういうことをいう議員がどこにいるのか?」と質問すると、ここで安倍首相、大いにキレる。

堰を切ったように、
「私がウソを言ったというのですか!」
「私がウソをつくわけないじゃないですか!」
「全面的に、人格攻撃ではないか!」
半ば、取り乱して反論する。

あぁ、見てる方としては、まさに、その姿がウソっぽいのだよ。
それにしても、いやに過剰に「ウソ」という言葉に反応した。
やはり、巷で自分が「ウソつき」と言われていることが、少しは耳に入っているのだろうか。

「お父さん・・」のような情緒問題が憲法を変える理由にもならないし、最近使い始めた「自治体の協力拒否」も、憲法改正の根拠には全くならない
ここでバシッと決めて、質疑を終えた本多氏。
拍手を送りたい。

統計不正の細かい議論が続く中で、要所要所に憲法改正問題やモリカケ問題を突っ込んで、議論を継続させるのは大事なことだ。
特に今回、安倍首相が新しく主張を始めた「自治体の非協力論」、こういうワケの分からない主張を早めに封じ込めておいたのはよかった。

13日の国会ハイライトでした。

 

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