名称からしてすでにスベッているGoToキャンペーン(予算額1兆6794億円)の運営事務委託費が、総予算の約2割に当たる3095億円で外部委託されている件が、誤魔化されようとしている。
これは、経産省、国交省、農水省との共同政策だが、元々は経産省が旗振り役となっており、ここにかかる事務委託費も経産省からまとめて外部委託される予定だった。
それに関しては以下の記事が詳しい。

この問題が注目され始めた当初、すでに公募が始まっていたが、公募前にこの事業に関して10回もヒアリングを受けていた「一般社団法人環境共創イニシアチブ」というトンネル法人の存在が明らかになった。
(2020年6月13日東京新聞)
笑ってしまうが、設立に関わった企業のメンツが「持続化給付金」の事務委託を請け負った「サービスデザイン推進協議会」とほぼ一致している。
東京新聞はさらに突っ込んだ調査をしている。
(2020年6月13日東京新聞)
覚えているだろうか?
これは「サービスデザイン推進協議会」の設立と全く同じことから、トンネル会社の設立の手順すらルーティンワーク化していたことが分かる。
この「一般社団法人環境共創イニシアチブ」が公募前に10回もヒアリングを受けていたことからも、GoToキャンペーン事業を、結果ありきの「仕込み入札」でこの法人が受託することに決まっていたと、ほぼ断言できる。
また、「一般社団法人環境共創イニシアチブ」は2020年9月から7か月間にわたって実施されるマイナンバーカードを使ったポイント還元事業「マイナポイント事業」を総務省から、157億円の事務委託を請け負っていたことも明らかになった。
「なんだこれは!?」と、当然世の中の怒りを買うことになり、予定されていたGoToキャンペーンの入札は一時中止されたわけだが、その後こんなニュースが出る。
(2020年6月15日福井新聞)
経産省ではなく、国交大臣の発言であるところもカギだ。
まあ、予算を抑えたことは評価しよう。
しかし、国民が「はぁ?!」と言っただけで、いきなり800億円が抑制できるとは、どういう算出なのかという疑問は残る。
ところが、ところがなのだ。
梶山氏の見直し表明を受けて、経産省と国土交通省、農林水産省が担当分野ごとに3分割し、公募をやり直すことにした。
各省が16日明らかにした委託費の上限は、国土交通省の観光支援が2294億円、農林水産省の飲食店支援が469億円、経産省のイベント支援が281億円、商店街支援が51億円で合計3095億円。
(2020年6月16日朝日新聞)
なぬ!?
金額が元に戻ったぞ。
つまり、経産省がまとめて発注する予定だったものを、そのまま3省庁間で割り振り、まるで委託価格が下がったかのように国民の目を一時だけごまかしたのだ。
赤羽国交大臣が発表した「800億円削減」はなんだったのか?
6月17日には国会が閉幕する。(あと1日だ)
これ以上の議論の機会はない。
赤羽国交大臣をはじめ梶山経産大臣は、間もなく閉幕する国会の期日を見据えて、時間稼ぎのフェイク発言をしたのか?
国会閉幕前日になって「実は金額は変わりません」、というのは、国民に対する騙し討ちとも言えるのではないだろうか。
税金の横モレが止まらない。