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経産省と電通を繋ぐ C、Dランクの「推進協議会」

中小企業の業績悪化を救済する持続化給付金の給付事務が、769億円で「サービスデザイン推進協議会」というトンネル会社に発注され、その業務を749億円で電通に丸投げした案件が明らかになってから、さほど日にちも経たないうちに、今度はGoToキャンペーンの事務事業が破格に高い3000億円で公募中であったことが明らかになり、さすがにこの公募はいったん中止を余儀なくされた。
6月8日が公募締め切りだったのだが、5日に公募中止が決定されたので、いわゆる「仕込み済み」の受注事業者がどこであったかは、今となっては分からない。
が、電通であったろうことは、想像に難くない。

 

そして6日には朝日新聞からこんな記事が出た。

 

キャッシュレス決済のポイント還元事業で事務局を担当する「一般社団法人キャッシュレス推進協議会」が、受託費の93%にあたる約316億円で大半の業務を広告大手電通などに再委託していたことが5日わかった。
・・経産省は5日にあった野党合同ヒアリングで、キャッシュレス推進協議会が19年度当初予算と20年度当初予算で計339億円を、事務費として受けとっていたことを明かした。
協議会はその93%にあたる計約316億円で、事務作業の大半を電通や情報システム大手の野村総合研究所、監査法人のトーマツに再委託していた。なかでも電通はそのうち約307億円と大部分を占める
(2020年6月6日朝日新聞)

 

またしても「推進協議会」である。
またしても「電通」である。

 

そして「サービスデザイン推進協議会」同様に、「キャッシュレス推進協議会」も、義務付けられている決算公告を一度も行っていなかったことが明らかになっている。

 

どれもこれも、判で押したように同じ構図になっている。
もはやこの官製談合の「手口」は、省庁の業務において、ひな形化しているのだろうか。

 

ところで、「全省庁統一資格審査」というものを聞いたことがあるだろうか?
筆者は、公共調達に関わった経験がなく、入札の現場などというものは全く知らないのだが、先日の国会で、笠井亮議員が持続化給付金の不透明な入札について、「サービスデザイン推進協議会」はランクCの会社であるのに、なぜランクAの競合事業者である「デロイトトーマツ」社が選ばれず、サービスデザイン社を起用したのか、という質問をしていたのを聞いて、初めてそういう入札事業者向けのランク付けなるものの存在を知った。

 

その国会質疑をブログで紹介したところ、とあるこのブログの読者さんから、面白いメールをいただいた。
直接の引用は避けるが、内容は、
国の入札に参加するには、業績、規模、業務年数などの判定でランクAからDまで仕切られた全省庁統一資格の取得が必要で、国の入札でランクCの事業者が受託することは不思議に思えた、というものだった。
この読者さんは、国の公共事業の入札参加は、経験上、ランクAでないと無理だと認識していたのとのことだ。
そして、そのランキングは、ネット上で一般に公開されているということを教えていただき、早速に見に行った。

 

統一資格審査申請・調達情報検索サイト

 

「統一資格の有資格者を検索する」というところから、一般人も企業名を検索できる。

 

ちなみに、
持続化給付金の「サービスデザイン推進協議会」は、ランクC
キャッシュレスポイント還元事業の「キャッシュレス推進協議会」は、ランクD
であることが、このサイトからは分かる。

 

さて、経産省はこのランクをどう使い分けているのか。
(実は、これも筆者のYoutube配信の視聴者さんから頂いた情報なのです。ありがたいことです。)
下の表は、経産省のHPにある、公共事業の価格規模と応札企業のランクのマッチング一覧表だ。

 

経済産業省所管の物品の製造・販売等の契約に係る平成31・32・33年度における競争入札参加者に必要な資格の取得について

そこにはこのような記述もある。

 

《第二 製造又は物件の買入れ等の契約についての一般競争に参加することができる者は、物品の製造、物品の販売、役務の提供等又は物品の買受けのそれぞれに対応する予定価格の金額に応じ、次表のとおり区分して資格を定める。》

 

経産省内にはこのような規定があるようだ。
それなのに、何故ランクC、Dといった法人が、億単位の事業の応札が出来たのか?
官僚のやることだ、どこかに小賢しく例外規定でもあるのかもしれないが、こうした基準を定めていながら、実に堂々とそれを無視し、2ケタも3ケタも違う規模の事業をお手盛りの社団法人に発注している。

 

こういうことをしているのは経産省だけなのか?
他省庁でも同様なのか?
インターネットという昭和時代にはなかったツールを使えば、マスコミでなくてもある程度のことを一般人が知ることが出来る世の中に感謝しかない。
安倍政権の態勢が弱体化し、今後さらに類似の案件が掘り起こされてくる可能性もある。
自分でネットを介して情報を取りに行くことの大事さを、この一件で知った。
大事なことをご教示いただいた、視聴者や読者の方々にも感謝したい。

本当にありがとうございます。

 

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