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持続化給付金 デロイト社が電通の約半額で受注

まずはこの記事から。

 

持続化給付金、委託先を変更 デロイト社に 契約額427億円、想定の半分
中小企業などを支援する持続化給付金事業の民間委託先が変わる。経済産業省は今年度第2次補正予算分について、コンサルティング会社のデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーと委託契約を14日付で結んだ。
(2020年8月18日朝日新聞)

 

5月の連休明け頃から支給が始まった「持続化給付金」。
これは、緊急事態宣言等で売り上げが半減した中小企業や個人事業主を援助するためにつくられた国の給付金制度である。
第一弾では、予算2.3兆円うち外部委託事務費が769億円で電通に発注されたことが問題となった。
これに関しては、次の記事が詳しい。
ついでにデロイトトーマツ社との絡みについても書いてあるので参考になるだろう。

 

「持続化給付金」膨らみすぎる事務手数料
6月3日衆・経済産業委員会でトップバッターの質疑者、自民党・武部新議員からとんでもない言葉が発せられた。 与党・自民党の議員であるのでこれは仕方がない、と片づけられていい問題なのか? 質疑は冒頭からサービスデザイン社の仕事が...

 

そして、長引くコロナ禍を背景に、第二次補正予算では1.9兆円の追加予算がとられたが、うち外部委託事務費が850億円と大きく値上がりしたことは、世間から大きな批判を浴びた。
これにより、電通のトンネル会社と見られている「サービスデザイン推進協議会」は入札への参加を断念、それに代わって受注したのがデロイトトーマツ社というわけだ。

 

ここでまず考えたいのは、第二弾の支給事務作業を、電通が受けた場合の事務経費の金額である。
そもそも、持続化給付金の第一弾で、給付に関する事務体制はすでに整っているはずである。
当たり前だが、新事業は立ち上げの時に最も経費が必要となる。
数十万件単位で申請される書類を、派遣で集められた人たちが審査し、給付手続きに回す。
このレーンを作るために、人を募集し、場所を手配し、人やモノの管理の仕組みを作り・・・やることはたくさんあるはずだ。
当然カネもかかる。

 

しかし、第二弾で確保された事務費予算は、769億円→850億円と値上がりする不思議。
しかも給付金予算自体は、2.3兆円→1.9兆円と減っているのにだ。

 

これだけでも電通絡まりが経産省と取引する予算建てのいい加減さ、濡れ手に粟の図々しさが透けて見える。

 

そのような経緯を経て、8月18日、持続化給付金第二弾の事務事業は電通絡みではなく、デロイトトーマツ社が受けることになったのだが、その金額には驚いた。

 

契約額427億円

 

なんと、電通が請け負った第一弾の半額に近い。
しかも、デロイトトーマツ社は、本業が会計コンサルということもあり、いわば本業である。
仕事の質も電通よりもはるかに期待が出来る。
なのに「半額」。

 

デロイト社がすでに第一弾給付で電通によって作られた、支給審査事務システムをそっくり受け継ぐとは考えにくい。
そこには人集めのノウハウ等、競合する民間企業同士の競争があるはずだからだ。
おそらくだが、デロイト社は申請審査事務スタッフを一から募集するところから立ち上げるのだろう。
そう考えると、第一弾支給からデロイト社に発注し、その事務システムを引き継ぐやり方でデロイト社に第二弾を受注させたら、どれほど合理的な経費に納めることが出来ただろうか。

 

デロイト社だって、まさか手弁当で受けるはずがない。
この予算の中に、なにがしかの利益はしっかり積んでいるはずだ。
電通と経産省がつるんで、いかにもデタラメで不当な利益を盛るだけ盛りまくったかということが想像される。
経産省は、二社の委託費の大きな「差額」について、国民に説明する義務があるのではないか。
・・が、今のところ、そういう動きはない。

 

さて、腹の立つ事実であるが、実はニュースとしての扱いもとても小さい。
各社がどんなふうにこれを報じたかというのも、調べてみるとなかなかに興味深い。

 

朝日新聞・・「想定の半分」という言葉を見出しに入れて、分かる人が見れば「おっ!」となるように書かれている。
読売新聞・・本文中には金額が書いてあるが、それが電通の半額になったという記述はない。
NHK・・デロイトが受けたという報道だけで、受注金額の記述なし(←!?)

さすがNHKである。
まだまだ私たちは、目を皿のようにして経産省と電通の動きをチェックしなければならないようだ。

 

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