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安倍首相のイラン訪問が、壮大な藪蛇になる可能性

今回は、対イラン問題に触れてみる。
実を言うと、この分野に関してブログを書くのは、私にとって少し勇気がいる。
なぜなら、中東問題にあまり詳しくないからだ。(とる子というペンネームのくせに)
ただ、詳しくないなりにも、報道を見て「これは本当っぽい」「これは嘘くさい」と、個別に検討することくらいは可能なので、浅い知識なりにニュースから色んな可能性を考えてみよう、というのが今回の目標だ。

 

まずは、安倍首相が、なぜ急にイラン訪問することになったか、考えてみる。
訪問予定が固まったのは、5月にトランプ大統領が来日して、相撲観戦だなんだと大騒ぎしていたあの時だという。

トランプ氏は「ぜひイランに行ってほしい。シンゾーしかいない」と首相に要請。これを受け、首相はイランと関係が悪化している中東諸国の首脳級と相次いで電話会談し、環境整備を図った。イラン側からも5月中旬に来日したザリフ外相から訪問要請を受けた。(2019年6月8日産経)

「シンゾーしかいない」とは、産経はさすがに露骨だが、この時、他のメディアも足並みを揃えて、この訪問がトランプ大統領からの要請であったと報じていた。
ふつうに考えて、見るからに何もできそうにない安倍氏にお願いするというのは、ヘンな話だ。
逆に、安倍首相が自ら「希望した」という可能性もある。
イラン訪問で、彼にはいくつかの「利点」があるからだ。
一つは、参院選前に「外交の安倍」を国内にアピールしたいこと。
二つ目は、イランを通して北朝鮮との接触を試みたいのでは、ということ。

 

私は安倍首相が行きたがったのではないかと考えている。
けれど、仮にこれが「トランプの要請」だとしたら、違う意味で気味が悪い。
外交ベタの安倍首相を、わざわざ行かせたのであれば、彼を行かせることが、なにか今後の「布石」である可能性があるからだ。
安保法改正で集団的自衛権を認めてしまった日本が、何らかの形で巻き込まれそうで心配だ。

 

また、「イランから訪問の要請」というのは、かなり疑っていいと思う。

だって、いまにも戦争がはじまりそうなギリギリの緊張状態である相手国の大統領と、こんな写真を撮ったばかりの人が、何かを伝えてに来るって、こんなの迷惑以外のなにものでもないだろう。
日本とは友好的な国交があるからこそ、「来ても構わないよ」と言ってくれたのではないかと思う。
イランがそれを望んだというのは、あり得ない。

 

さて6月12日、安倍首相は旅立ち、ロウハニ大統領、ハメネイ師と会談を行った。
その会談から、なにか新しいものは・・・
あるはずがない。
とにかく、一触即発で、いまにも戦争をしそうな緊張感にある両国なのだ。
その一方の大統領を招いて有頂天に祭りを堪能した国の首相が、ちょこっと話をしたくらいで事態が変わるはずがない。
こじらせなかっただけマシという次元の話だ。
政府やマスコミは、「効果が表れるには時間がかかる」などという前置きで、「有意義な会談だった」と伝えているが、これを額面通りに鵜呑みにするのは無理な話だ。

 

ただ、時代はインターネット。
日本政府が垂れ流す情報だけが「情報」ではない時代にすでになっている。
今回も、中東側からいろんな情報が流れてきている。
例えばこれ。

ハメネイ師との会談中、最初はテーブルの上にあった「紙状のもの」が、しばらくしてお尻の下に敷かれている。
当初は「トランプ大統領からの手紙が受け取り拒否された」のではと、アラビア文字のツイートがついて流れて来たが(こういうツイートも翻訳機能ですぐに大意が分かるところが、本当にすごい世の中)、冊子上になっているようなので、今では「アンチョコ」かもしれないという説が有力になっている。
真相は分からないが、どちらにしても、あまり恰好のいい話ではない。
これについては、ツイッターではものすごく話題になったものの、日本のメディアが追及した形跡はない。

 

さらに、安倍首相がハメネイ師との会談中、オマーン湾でタンカーが攻撃を受けた。
このニュースには、さすがにヒヤリとする。
「日本タンカー」と短く表現している見出しが多いが、正確に言うと、「日本の国華産業という会社が運航する、パナマ船籍のタンカーが何者かから砲撃を受けた」ということだ。

誰に打たれたかは分からない。

英国(いまだに大英帝国気取り)と米国のタカ派は、「イランだー」と決めつけているし、米国政府も「イランがアヤシイ」という態度で臨んでいる。
日本政府が、それにはっきり追随しないのが、せめてもの救いだ。

 

過去の歴史を見ても、戦争というのは、一触即発のギリギリの緊張感の中で、偶発的に起きた事件だったり、時には(戦争を始めるための意図的な)謀略がきっかけとなって、一方が相手国に攻め入る大義名分を得て始まることがほとんどだ。

 

ここで考えられる最も怖い想定は、米国がうまいことを言って、このタイミングで安倍首相をイランに送り、時を合わせてマッチポンプで日本に関係のあるタンカーを狙い、地勢的に全く関わりのない日本を、将来起こりうる戦争に巻き込もうとしているのではないかというものだ。
憶測にすぎないけれど、こういう一触即発地帯というのは、どんな謀略が待っているか分からないので、本当にいろんな注意や想定が必要だ。

 

これもしも、選挙前に「外交の安倍」アピールしたさだけの軽率なイラン訪問が、日本を意味のない戦争に巻き込むようなことになったら・・・と考えると、安倍首相の責任はとてつもなく重い。

最後に・・

安倍首相アカウントにリプライした形のハメネイ師のツイート。
「あんた、なにしに来たの?」の意にしか読めない。

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