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新元号発表、そしてお粗末な首相会見

今さらここで言うまでもないが、新元号が発表された。

新元号を批判するつもりもないし、別に素晴らしいと思うわけでもない。
「そうですか」
という感想しかない。

安倍晋三氏は、そう滅多にあるわけではない改元が、自分の総理任期の間に起きるということで、ありったけの思いを込め、「改元の中心にいる私」をいかに国民の前で格式高く演出するか苦心されたようだ。

改元そのものには何の感想もないが、それを発表するにあたって、なにかと不必要に「私の思い」を絡めてくる安倍首相には、いつもの国会のごとくウンザリさせられた。

安倍晋三首相「天皇、皇族から一般庶民まで、広く多くの歌が収められている。豊かな国民文化の象徴であり、誇るべき国書だ」と強調
(4月1日時事)

誇るべき国書なんだって。
金メダリストやノーベル賞受賞なんかが日本人から出ると、すぐに誇ってしまう安倍氏だが、改元を期に、万葉集まで誇ってしまったようだ。
別に総理大臣が「誇りです」などと宣言しなくても、その価値を知る人は、今も昔もたくさんいる。
国立大学の文系学部を、「役に立たない」学問として、廃止論まで持ち出したのは安倍政権だ。
万葉集のような古典をコツコツ研究するなんてのは、儲からないから、カネを出す価値のない学問だとジャッジしておいて、日本文学が誇りだなどと言われてもね。
この人の言うことは、いちいち刹那的で、一貫性がない。
その時その時の、耽美さだけを狙っていて、極めて浅はかなのだ。

新元号発表で、首相が記者会見で長々と思いをしゃべり、1億総活躍とか働き方改革だとか、元号とは関係のない安倍政治の宣伝を織り込んだことにも、眉をひそめてしまう。

急に決まったSNSを使ったライブ中継を意識してか、やたらと「若い世代」をほめそやし、期待を寄せる段落もあったが、

「ニコニコ動画も既存メディアの発想にとらわれることなく、若者ならではの柔軟さで、多様な番組を生み出して、リアルタイムで個人がコメントを発信できる、新しいメディアの姿を形作られたと思っています」

というくだりで、ズッコケた。
えっ、ニコ動?
この人が言う若い世代って、どの世代を指しているのだろう。
40代?
いまどきの10代、20代は、ニコニコ動画なんて見てないぞ・・。
見るなら、圧倒的にYoutube、またはNetflix、Hulu、あたりだろう。
ニコ動はなんて、すでにオワコン気味で、カドカワのお荷物になっていることを、知らないのだろうか?
うーん、知らなそう。

古典を語ってもズレているし、かといって最先端を語ってもズレている安倍首相。
彼自身がというより、会見のシナリオを書きお膳立てをした「ブレーン」的な周囲の人物たちに、あまり優秀な人がいないことが、この会見からも窺える。

改元で世の中が急に変わるわけではないが、これを機になにか「心機一転」「新しいことを」と、意気込みたくなるのが日本人だ。
だったら、これまで5年以上もズレまくってきた政権も、心機一転する時なのではないだろうか。
新しい時代を迎えるにあたり、新しい政治にリフレッシュする、絶好のチャンスだと思う。

 

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