総務省接待問題については、国会で官僚が答弁をすると間もなく文春がそれを覆す、というループ劇が何度も繰り返されている。
政府の「調査」が省内の仲間内によるお手盛りで、バレていない部分は秘匿し、出来るだけ疑惑を小さく公表しようという姿勢がそうさせている。
調査結果発表とそれを覆す文春の報道が、幾度も繰り返されれば、政府による調査や聞き取りが自体が、全く国民から信用を得られるものではなく、これで事態を収めようとする与党政府にますます不信感が募る悪循環が起きる。
これまで、事態は以下のように二転三転してきた。
2月4日、文春砲の第1弾で、総務省の官僚たちを接待するための会食の「写真」が報道された。
2月17日、立憲・後藤議員の質問に以下のように答弁。
(2021年2月17日共同)
わずかその数時間後、文春砲第2弾で、まさに秋本局長、木田社長、菅正剛氏が「BS・CS、スロット」など、業界用語を含む事業に関する会話をしていた音声が公開された。
会食はしたが事業の話題は出ていないのでセーフ、ということで納めようとしていた政府だが、この音声公開によって「再調査」を余儀なくされる。
そしてこの「再調査」で明らかになったのが、総務省12人の会食犯と、官邸の山田真貴子広報官だ。
しかし、山田広報官はこの「再調査」の結果が発表されるまで、
(2021年2月22日毎日新聞)
こんな回答をしていた。
ところが、急に過去に1回だけ会食をしたことを認めることとなった。
日本共産党・宮本徹議員のツイッターから拝借。
上のペーパーを踏まえたうえで、日本共産党・塩川鉄也議員の質疑を紹介する。
2021年2月24日、衆院内閣委員会
・・・政府側、誰も挙手しないという事態に。
誰も自分の口から言いたくなかったのだろう。
◆議長「総務省、お願いします。」
◆総務省・坂本総括審議官「えーあー総務省が・・えー確認したということですが、えーあー、どういう風に調査したかを確認する資料は持ち合わせていない。」
◇塩川議員「この紙を見ますと、上の方に※があって、山田氏が相手方から確認を取りつつ、現時点で確認できた範囲での事実関係として、報告のあったもの、と書いてある。ということは、山田さん本人が、東北新社側と連絡を取って出しました、と。そういう受け止めでいいですか?」
◆加藤官房長官「山田広報官から確認を受けて、それを総務省から出されたものと承知している。加えて、今朝、杉田副長官に広報官から連絡があって、同趣旨の話を私どもも承知している。」
◇塩川議員「要は、山田さんが東北新社から確認を取って、総務省が記録をしたと。山田さんが東北新社と連絡を取ったのですか?」
◆坂本総括審議官「えー、あー、まさにそういうことです。」
◇塩川議員「自分が関わる事件を自分が調査をして報告をするなんてあり得ないじゃないですか?」
この質問に対する答弁は、長いので書き起こさないが、これに対する答弁では、加藤官房長官から
・山田氏がすでに総務省を退職していること
・内閣広報官は特別職の国家公務員であり、一般職のような法律に基づく懲戒処分の規定も設けられていないこと
・なんらかの対応は検討していること
の3点が、グダグダと説明される。
そして、山田真貴子氏に下された処分が
山田氏が1カ月分給与の10分の6を自主返納し、飲食代を東北新社側に返金する
である。
こんな話で誰が納得できるだろうか?
同日、菅首相は記者さんの取材にこう答えている。
(2021年2月24日朝日)
こんなバカげた話があるだろうか?
山田真貴子氏に関しては、会食はおそらくこの1回だけではない。
それに関しては下の記事が詳しい。

7万円という会食の金額でも、大きな話題になっている一連の会食問題。
世論の批判は薄れることなしにどこまで続くか。
ここは非常に重要な因子となる。
2月25日、衆院予算委員会に山田氏を参考人招致することで合意した。
どんな議論が展開されるのか。
おまけ
あまりに面白い逆転劇。
これは文春砲第3弾となる。
2021年2月19日、衆院総務委員会・日本共産党・本村伸子議員質疑から。(21分30秒あたりから当該部分)
本村議員の指摘に、自信満々に、堂々と「記憶にありません!」と答弁したのが19日、その後24日に問題の部分がそのまま文春により音声公開される。
度重なるウソと暴露に、秋本氏はもはや「恥ずかしい」という心すら持ち合わせていないのだろうか。
見ている方が辛くなるほどの失態だ。