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東北新社・NTT社長、国会招致へ・・・総務省接待疑惑 続報5

3月15日、参院予算委集中審議、この日は東北新社の新社長中島信也氏とNTTの澤田純社長が参考人として出席した。
もちろん、話題は総務省の違法接待だ。

 

まずは立憲の福山哲郎議員から。

 

アベスガ政権において、疑惑が止まらない。
桜を見る会・前夜祭の問題では、安倍晋三氏が「事務所がホテルの宴会費を補てんする事実はない」と再三ウソの答弁をしてきたことについて、菅義偉氏が官房長官として、そのウソ答弁を常に後押ししてきた。
それに関し、福山氏は、「安倍元首相の虚偽答弁について、菅氏の政治的責任をどうとるのか?」と質問する。
これに対し菅首相は、「すでに国民にお詫びを述べている。」との答弁だった。

 

驚くことだが、この件について、誰がなにを言おうが「私はすでに謝った」というのが、いつも菅氏の結論なのだ。
本当に申し訳ないと思うのなら、「桜を見る会」の残りの疑惑も解明すべきだろう。
内閣府の名簿は未だに出てきていないのだ。
そして、長男の問題に関しても、「私の家族が関係して結果的に官僚が処分を受けることになったのは、申し訳ない」という謝罪の言葉以外は出ることがない。

 

質問は、これまで「疑惑を招くような会食」だけに言葉を絞って、身の潔白を訴えていた武田総務大臣に向く。
福山議員は、その裏をかく形で質問をした。
疑念を招かない会食は』あったのですね?
武田大臣からは、「個別の案件には答えられない」という定番の答弁が返ってくるだけであった。

 

「疑惑を招く」にこだわる武田大臣に、シンプルに福山議員は聞いた。
澤田さんと会食をしたことはないのですね?
これにも「個別の回答は差し控える」の定番回答で対応。

 

菅首相に至っては、言い訳の中に「長男とは家計が別」などという、意味の分からない説明を入れ始めた。

 

これらで分かるように、総理大臣から担当大臣まで、ひいては過去の大臣まで、この件について何か責任を感じている人は一人もいないということだ。

 

今回の質疑では、これらの無責任な閣僚たちが、どういう事実関係で動いてきたのか、ということが明らかになってきた。

 

まずは東北新社から。

 

「東北新社の木野元社長(会食報道後更迭)は、2017年8月に外資比率20%越えを把握したので総務省に報告した」と中村社長は説明した。
ところが総務省は、外資比率越えの事実を、会食報道後まで知らなかったと主張している。
東北新社がこの事実を伝えたのは、当時、情報流通行政局の総務課長であった鈴木という官僚だという。
なぜ「衛星放送事業部」の官僚でなく、他の部署の役人に報告したのか?
ここは、今後も詰められる点だ。
そして、課長職級の官僚が職務で外聞の人間と面会をした時、その記録は課長補佐によって詳細に記録される。
その「応接メモ」なるものが必ずあるということで、福山議員は理事会に提出を求めた。

 

東北新社は同8月に、本社の外資比率越えを理由に、地位を子会社に譲渡することを総務省に申し出ている。
そして子会社への移譲はスムーズに行われた。
ここでまた、「総務省が外資比率越えを把握していなかった」というのは、東北新社の説明と矛盾する。

 

質疑者は変わって、立憲・斎藤嘉隆になる。

 

東北新社・中村社長に「会食を設けた理由」を訪ねたところ、「顔つなぎ」という答弁が返ってきた。
「何を目的に『顔つなぎ』をしたのか?」という問いに、中村社長は苦しそうに「顔つなぎの目的は顔つなぎであります。」と答えた。

 

ここで「顔つなぎ」の意味を考えてみよう。
「顔つなぎ」とは、人と人を知り合わせて「よろしく」とやることだ。
通常なら東北新社の社長が面会や会食を申し出ても、せいぜい総務省の課長・補佐程度が対応するのが一般的だと、総務省衛星放送事業課出身の小西洋之氏が言っている。
接待する側に菅首相の長男がいたということは、総務省からトップ級の役人たちを引っ張り出し、まさに「顔つなぎ」をする場だったのだ。
この「顔つなぎ」という中村社長の言葉は、小西洋之氏の「菅正剛氏は接待要員であった」という主張を裏付けするものとなる。
菅正剛氏自身は、総務省の幹部官僚と「顔つなぎ」はする必要がない
なぜなら、大臣秘書官を務めた経験のある正剛氏には、もう「つながった顔」があったのだ。

 

NTTとの会食にはどういう意味があったのか。

 

まずは、十中八九、饗応があったと思われる武田大臣。
が武田大臣は、相変わらず「国民の疑惑を招く会食」がないという答弁にこだわった。
挙句の果てには
「大臣規範に触れる会食はない。」「大臣規範は法令ではない」などという無理なことまで言い出した。
加藤官房長官は、「国民の疑惑を招かない会食だからセーフ」とも言った。
会食というが、ごちそうしてもらえば饗応だ。
国民の疑惑を招かない饗応」などというものが存在するのか?
またお得意の、「定義」の話からさせられるのだろうか?
もううんざりする。

 

NTTの会食目的が何だったかということは、山添拓議員の質疑における総括が最も分かりやすい。

 

山添氏「なぜ会食が重ねられたのか。携帯料金値下げを看板に掲げるスガ総理とNTTグループの再編を狙うNTTの思惑が一致したからに他なりません。
その表れが昨年9月に発表されたNTTによるドコモの完全子会社化です。
澤田社長自身、ドコモの完全子会社化によって携帯料金値下げの原資が確保できると述べています。
これは一体に進められたものです。
NTT法にはドコモに関する規定は一つもない。監督官庁に確認を求めるのは当然だと思いますが、これを受けた総務省には応接記録があるはずです。提出を求めます。」

 

旧公社である巨大企業NTTの独壇場にならないようにとドコモを分割したのが30年前の話だ。
ドコモを完全子会社にすると、市場競争に大きな弊害が出る。
その具体的な事例も、山添氏から挙げられた。

 

山添氏「日本ケーブルテレビ連盟のある事業者はこう言います。『NTT西日本から光ファイバーを借り、自治体向けの情報通信ネットワークを提供していました。しかし、昨年の入札では、この事業者がNTTに払っている金額より低い金額でNTT自身が落札してしまったと言います。地域の通信事業者では逆立ちしても勝負にならない。こういう訴えがあります。同じことが、携帯事業でも起きかねないのではありませんか?そうなれば、競争どころかNTTの一人勝ちです。競争環境を歪める可能性、これは総理否定できないですね?」

 

菅首相は「世界的で最も高い携帯料金」「不透明な料金体系」というよく分からない理屈を持ち出して反論しようとするが、反論になっていない。
これ以前にも、菅首相は「世界で最も高い携帯料金」という言葉を繰り返してきたが、これを説明する海外の統計などを見た覚えはない。
国民に、印象論で「携帯料金が高い」と言っているように思える。
料金が高いと感じるのは、ひょっとしたら収入が下がったせいもあるのではないだろうか?

 

それはさておき、粒ぞろいの業者がそれぞれ市場で切磋琢磨して、新しい、より良いサービスを生み出そうというのが市場競争だ。
勝負にならないほどの巨体が同じ土俵に上がった時点で、マトモな競争は成り立たない。
ここで意味不明な反論をする菅首相は、端的に言って「経済に暗い」としか言いようがない。

 

一時は料金が下がって喜ぶ人も多いのかもしれないが、これにより競争がなくなりNTTの独占化が始まることは、将来的に国民の得と言えるのか?
これは政府を挙げて、日本の産業の発展を妨げているとしか思えない愚策だ。

 

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