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菅首相長男と総務省の接待疑惑 続報2

菅首相の長男、菅正剛氏が関わる総務省官僚幹部の接待問題で、これまで答弁していた秋本芳徳氏は、文春で写真を撮られた会合の出席だけは認めた。
が、あくまで家族に東北出身者がいる者同士の親睦会で、事業に関わるような話には一切触れていないと利益供与の疑惑を拒否してきた。

 

そして2月18日、衆・予算委で、立憲の後藤祐一議員の質問に、秋本氏が「東北新社、スターチャンネルの事業が話題に上ったことはない。BS・CSについての話題も一切ない。」と、堂々と否定したそのわずか数時間後に、文春によって、スターチャンネルやBS・CSという言葉を含んだ会話の音声記録が公開されたことで事態は急転した。

 

衝撃の報道に、ある程度まで状況を受け入れた政府は、総務省の「再調査」をせざるを得なくなり、その結果を待って22日の衆院予算委で審議する運びとなった。

 

というわけで、22日の予算委では多くの新事実が明らかになった。

 

 

まずは、原口一博氏から提供された貴重な一次情報から。
これは、総務省から国会資料として提出された、会食に関する調査結果だ。
東北新社と会食をした総務官僚は総勢12名。

 

そしてここに(資料2枚目)、注目していた山田真貴子氏が加わる。
山田氏は、現在は総務省を離れ、官邸の広報官に就いているので別紙になったと思われる。
第2次安倍政権で女性初の総理秘書官となった山田真貴子氏。
その後、放送事業を取り仕切る情報流通行政局長などを経て事務方ナンバー2である総務審議官を務める。
資料2枚目にある「7万円の接待」を受けたのはこのときのことだ。
「いったい何を食べたらそんな金額になるのか?」と辻元氏も驚いた豪華接待である。

 

実は、山田氏の接待がいつ明らかになるかは、私の大きな関心を引いていた。
菅義偉氏に一本釣りされ官邸広報官に引き上げられた山田真貴子氏が醜聞にまみれることは、菅首相にとって大きなダメージとなる。

 

おなじみの秋本芳徳氏と湯本博信氏は、2020年末だけでなく、2017年から18年ごろにも接待を受けていたことがこれまでの国会で明らかになっている。
この時期は電波帯域分配の基準作りが、まさに省内で進んでいた時期だった。
では、2020年の接待で、そのころ東北新社にはどんな思惑があったのか?

 

22日には、文春で報じられた4名全員が国会に登場した。
ことに、秋本、湯本両氏のさらに上司である、谷脇康彦総務審議官、吉田眞人総務審議官の両氏が登場したことは意味がある。
谷脇氏については、下のような人物像が紹介されている。

 

谷脇氏は、4回にわたり接待を受け、その金額は約11万8000円と最多である。携帯電話業界の競争政策を担う料金サービス課長をなどを歴任、2019年通信分野担当の総務審議官に就任した。菅氏からの重用を受ける。菅政権の携帯電話値下げは、谷脇氏を通じて断行しようとしていた。夏には事務次官就任の予定とも言われていた。
(2021年2月22日TBS)

 

22日の予算委から興味深いやり取りを抜粋する。

 

◇本多平直議員「谷脇審議官は、衛星放送をやっている業界が、空に浮かんでいる衛星の使用料が高い、だからなかなか儲けが出ない。これが悩みだということは知ってますか?」
◆谷脇審議官「報道で承知しております。」
◇本多平直議員「報道される前に、郵政分野、放送分野担当の審議官のあなたが、こんな衛星放送業界が一番求めている要求を知らないんですか?」
◆谷脇審議官「把握しておりませんでした。」(議場ええええの声)
◇本多平直議員「では12月に出たワーキンググループの報告書で衛星の料金を低くしてほしいという衛星放送業界からの要求を受け入れて、総務省もその引き下げに積極的に関与していくという報告書が出てることも知らないんですか?」
◆谷脇審議官「詳細にわたっては承知しておりませんでした。」(議場ええええの声)
◇本多平直議員「こんな大事な政策についてご存じないっていうのは本当なんですか?方向性ぐらいは報告受けてるでしょ。衛星の使用料っていうのは別の会社(東北新社ではない)なんですよ。それを安くするっていう大きな方針転換なんですよ。そんなことあなたが知らないで通ってるんですか?」
◆谷脇審議官「大きな方向性については話をすることもあったが、ワーキンググループの報告書については詳細は承知していなかった。」
◇本多平直議員「こんなところで逃げるっていうのが怪しいんですよ。あなたね、この4万7千円の会食で二つの話題出てませんか?衛星使用料が高すぎて困ってるって話と、右巻きと左巻きの電波の使い方、これ話してませんか?」
◆谷脇審議官「昨年10月の会合において、放送市場の動向や課題や東北新社の事業についての話が出たと思うが、衛星使用料の提言についての話があったという記憶はない。」
◇本多平直議員「一番関心のある話が話題に出なかったというのは本当ですか?」
◆谷脇審議官「衛星料金提言の要望についての話があったという記憶はない。」

 

このやり取りから、2020年の10月から12月にかけて次々と幹部が接待された理由が見えてくる。
12月に、衛星料金の改定案が動き始めていたのだ。
それを知らなかった、とすっとぼける総務省トップ。
これほどはっきりと否定しながら、再び文春砲に抜かれたら愉快な話なのだが、さすがにそれはないだろうか?

 

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