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1月25日衆予算委のまとめ

ひとことで言えば不毛なやり取りだった。
野党と与党が同じ前提を共有できないことが、議論がかみ合わない最大の原因だ。

 

緊急事態宣言の発出が遅れた→遅れてない
事業者・医療機関・医療従事者への支援が足りていない→足りている
第3次補正予算にGoTo予算はいらない→必要

 

菅という人は、そもそも人と会話・議論をする能力がないのではないだろうか。
だからこそ人事という脅しで有無を言わさず言うことを聞かせる手法しか使えないのだろう。

 

今井雅人議員の質疑でこんなやり取りがあった。

 

今井議員「『総理は医療の専門家でもないのですから、分からないことは専門家に頼るというのは致し方ないと思います。しかしながらきちっと専門家に聞いたうえで、しかしながら自分なりにこう解釈しているんだということで、御自分の言葉で語っていただきたいと思っています。』(←アドバイザリーボードの専門家がマスコミのインタビューで言った言葉を引用)専門家のみなさんも『専門家の意見を聞いた、聞いた』とかじゃなくて、総理に私はこう思うというメッセージを出していただきたいということを訴えておられます。それに対して何か感想はありますか?」
菅首相「私は専門家がそう言ったらからと、そう理由にしたことは一回もないですよ。
専門家のみなさんに相談をする、これは国会の付帯決議の中にもあるじゃないですか。そうした中で最後に判断するのは、それは私です。私ひとりでありますから、いろんな方にご相談して、専門家もいろんな方がいらっしゃいますから、そういう中で、そうして最終的には分科会でご了解いただくわけです。そこに提案する前には、私の判断でこの緊急事態宣言を分科会に提案するわけでもありますので、いずれにしろ私自身がすべて、判断をして結果責任は私にあることはその通りでありますし、これからも全力で取り組んでいく。」

 

よく読めばわかるが、今井議員は「専門家のせいにしてるんじゃねえよ」と言ってるわけではない。
「専門家がそう言った」ではなくて、総理大臣が自分なりにそれを咀嚼した上で、自分の言葉で「メッセージを出してはどうか?」そういうリクエストをしているのだ。
猜疑心の強い菅首相はこれを聞いて、「専門家のせいにしてんじゃねえよ」と言われたと理解したのだろう。
なので、答弁の最初の一文から、妙な具合に質問とかみ合っていない。

 

その後も妙なことを言っている。
「結果責任は私にある」と言っている一方で、「最終的には分科会でご了解いただく」と妙なことを言っている。
「分科会に提案する前に私が判断する」と意味の分からないことを言っている。
菅首相は、総理大臣が分科会に提案し分科会が最終的に了解する、と説明しているのだ。
言っていることがおかしい。

 

この総理大臣は「ヤバいな」という感想しかない。
同じようにヤバいのを8年間も担いできたので、その感覚がマヒしかかっているところが恐ろしい。
それから、自らコロナ罹患を経験した小川淳也議員のいい発言があったので記録しておく。

先日の石原伸晃議員の陽性・入院について。

 

小川議員「一部報道です『あれだけ会食ダメと言っておきながら、自分たちだけは特権かよ』『症状ある人が入院できないのになんで無症状で即入院できるんだ?』という声もあるんですよ。これは石原さん本人、ご家族のことを考えると言いにくい。しかし現実問題、今も申し上げたように入院できない、自宅で亡くなっているという方々が多発している状況の中で、この国政に携わる、しかも自民党の大幹部がこういうことだと、疑念が生じるのも無理はない、と私は思う。この声に対して、総理大臣として、自民党総裁としてコメント頂けませんか?」
菅首相「石原大臣がどういう形で入院したか、私は承知しておりません。ただ、今委員からご発言頂きましたことをひとつの意見として受け止めさせていただきます。」

 

小川淳也、よく言った!と喝采を浴びせたい一方で、この総理大臣の答弁はなんだ?
よく知らないんだってさ
小川淳也からもう一発。

 

小川議員「自宅でなくなる方も多発している。そういう状況の中で、懲役刑を議論すること自体が笑えないんですよ。皮肉にも程がある。ね、総理。」
菅首相「コロナの患者で医療機関から無断で抜け出したという自案もあります。全国知事会からも罰則の創設を求める緊急提言もいただいている。コゥしたことも踏まえて、感染拡大防止を実効性を高めるために罰則をもうけると、コゥいうふうに考えてます。
小川議員「立法事実を立証する責任がありますからね。いったいどのくらい事例があるのか、把握してるのか、それも含めた前提で、私から。国民感情からすれば、むしろ処罰されるべきは、満足な入院環境を整えられなかった政府の側じゃないのか。それこそがいま、国民の抱えている思いだと思いますよ。」

 

小川淳也・・・感動するレベルだよ。

 

そしてもう一つ、今国会で大事なテーマ、第3次補正予算に関して江田憲司議員からいい発言があった。

 

 

江田議員「菅政権の危機意識の薄さを象徴するような予算ですよね。これ19.2兆円、コロナ感染防止策、4.4兆円ですよ。4分の1にも満たない。これ、言っときますけど『補正予算』っていうのは、予見できない緊急経費に充てるために補正を組むんですよ。しかも今年の補正です。3月いっぱいで使い切る前提で組むわけですよ。なんですかコレ。GoToキャンペーンに1.2兆円。3月いっぱいに使うんですか?(考えらんないよーとヤジ)脱炭素基金2兆円、大学ファンド0.5兆円、これは大事ですよ。でも補正でやることですか?本予算でしょう。わざわざ3月いっぱいにこんな基金や国土強靭化予算が入ってると。GoToキャンペーン、国土強靭化予算になんでこんなに多額に入っているかというと、ここについては二階幹事長の影を感じざるを得ません。」

 

ふざけてる。本当にふざけてる。
この補正予算を見て税金をこんな風に使われている国民は怒らなくてはダメだ。

 

追加

もう一つ、長妻氏から大事な指摘があったので追加する。

 

これは最近、民間病院が協力的じゃないという主旨のニュースで用いられることの多い図だが、作成は厚労省だ。
1人でもコロナ患者を受け入れていれば1病院とカウントされる数え方で作成された統計のようだ。
長妻氏の発言を聞いてからこの図を見ると、本当に実態を表わしているのか怪しい。
指摘のように、病床数をカウントしてグラフにしたらもっと違う形になるであろう。
これは厚労省が我田引水に作ってマスコミにばら撒いたグラフなのではないだろうか。

 

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