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参・予算委 石垣のり子氏、初予算委質疑 杉尾氏iPS細胞予算の闇を暴く

1月29日、予算委員会が衆議院から参議院にバトンタッチされた。
この日、野党議員から質問に立ったのは6人、うち女性が5人という珍しいことになった。
中でも、石垣のり子議員はまだ初当選から約半年ほどしか経っていない新人である。
石垣議員が当選するまでの経緯もあわせて知ると、なかなか興味深いので、昨年7月の参院選の記事をここで紹介する。
この記事では、各地の面白い選挙を紹介しているのだが、今現在、1億5千万円で話題の河井あんり議員の選挙区も紹介している。
広島選挙区の部分もぜひ参考にしていただきたい。

 

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石垣議員は「桜を見る会」ヒアリングでは、おもに内閣府の情報システムの観点からの追及を担当している。
今日の国会でもその本領を発揮した。
特に新しいものは出なかったが、この新人の女性議員が初の予算委員会で、安倍首相を相手に後れもなくかみつく発言内容は、なかなかに軽妙であった。
キャラが立ってる議員とは、こういう人のことを言うのだろうが、その端正な容姿と発言の精鋭さゆえに、ミソジニストの言われなき攻撃の的にもなりそうだ。
そんな石垣議員の発言をいくつか紹介する。

 

石垣議員「本来であれば、新型肺炎ウィルスの件また自衛隊の中東派遣など、我が国において我が国に住む人々その生命と財産、そこに直結する問題を質疑したいところでございますけれど、我が国の安全の最大の障壁となっているこの政権の公文書管理及び公金管理のずさんさ、責任感のなさを質さなくてはならないと思います。そのために、この政権の堕落の象徴とも言える『桜を見る会』について、主に質疑をさせていただきます。」

 

のっけからこれ。
すごい。
そして、シメがこれ。

 

石垣議員「『新聞広告で広く募集したわけではない』と仰ってるわけですが、ならば衆議院議員・安倍晋三事務所としては一般に広く募集したわけではなく、後援会メンバーや支援者・応援者など事務所として、衆議院議員・安倍晋三との繋がりを把握できる人だけを招待したというご答弁をしていると解釈してよろしいですか?」
議長「以上で・・(←えっ、終わり?)・・あべ・・安倍内閣総理大臣。」議場ザワザワ
安倍首相「あ、あの、お、お答えいたします。あの、これはあの、ワタクシだけではなくて、党においてはですね、党のいわば、知り得る方々の中において、この、ふさわしいと思われる方々を推薦しているわけでございます。つまり私の事務所を通じてということになればですね、事務所の中において、知り得る限りの方々について、一般の市井におられる方々についてですね、さまざまなご貢献を頂いている方も含めて、この、募っているということでございます。」
(ちょっとヤバいくらい、なに言ってるのか分からない。)
石垣議員「なにを取り繕うとしてもですね、代表質問答弁で、後援会のメンバーを含むという風に仰ってます。これはですね、たまさか就任した総理という立場と職権を利用して自身の選挙区の有権者に無料で飲食を提供した、史上最大の買収事件と言わざるを得ません。明らかに公職選挙法違反であると申し上げたいと思います。」

 

すごい、これが締め。
多くの野党議員が、「公職選挙法違反の可能性」などと表現する中、議場で堂々と「公選法違反だろ!」と迫る議員はなかなかいない。
しかも新人で女性だ。
この人は、この先いろいろ楽しみである。

 

さて、次に取り上げたいのは杉尾秀哉議員の質疑である。

 

厚生労働省の幹部・大坪寛子審議官が、2019年8月9日、和泉洋人総理補佐官とともに山中伸弥教授(2012年ノーベル賞を受賞)を訪問した際に、教授がすすめるiPS細胞のストック事業への補助金打ち切りの可能性を伝えたのではないかという問題。

 

これを聞いて、あの週刊誌報道を思い出す人も少なくないだろう。
そう、京都市内を和泉補佐官と仲良く腕を組んで観光、また甘味処で和泉氏の口にかき氷を「あ~ん」と食べさせるところを文春砲に撮られた、あの日の話だ。
杉尾議員から、この同伴がデートだったかどうかなどと質問されることはなかったものの傍観者にとっては、あのシーン抜きで想像することはできない一件だ。
それにしても、こんな面白い質疑を、新聞社は総スルー、テレビではTBSがちょっとニュースに流しただけ、というのは、どういうことなのだろう。

 

杉尾議員の話を聞いていると、一貫してこの大坪審議官が「iPS細胞のストック事業への補助金打ち切り」をやりたくて仕方がないという姿勢が窺える。
いくつかの議事録の内容を杉尾氏が紹介、なぜ大坪氏がここまで山中氏のプロジェクトを疎んでいるのか、よく理解が出来ない。

 

杉尾議員「山中教授、ノーベル賞の日本の宝ですよ。そして元号の選定委員会の有識者もやっていただいてる。iPS研究、国策ですよ。安倍成長戦略の柱の一つだったじゃないですか。それが、大坪審議官、和泉補佐官、何の権限があって概算要求から外せとか、こういう事業には国費を投入しないとか言って。あなたたちが決める権利がどこにあるんですか?」

 

「いいじゃない」と与党ヤジ。
杉尾議員「いいじゃない、じゃないですよ。予算の大切なことですよ。だからどうして、アナタ(大坪審議官)と和泉補佐官と山中氏と密室で3人だけで話をして、なんで各省庁に指示できるんですか?」

 

あくまで、「山中氏の意見を反映させた」と大坪審議官。

 

杉尾議員「そういいますが、さすがに山中教授も黙ってられなかったのでしょう。11月に日本記者クラブ会見で『一部の官僚の方の考えでもう国が金を出さないというなら理不尽だ。透明性が高い議論なら納得するが、違うところで話が決まってしまうという理由がよく分からない』と言っている。あなたは、山中さんの要望を入れたと言っているが、山中さんは全然納得してないじゃないですか。」
大坪審議官、事業化するにあたって云々カンヌン、理由があると主張。
杉尾議員「あんた、ごまかさないでくださいよ!週刊誌についてここで触れるつもりはありません。でもね、大坪審議官のバックに和泉補佐官がいるんです。それであなたは異例の出世を厚労省でしてきたんですよ。そして和泉補佐官のバックには、スガ官房長官や安倍首相がいるのは、みんな知ってるんですよ。それをいいことに、虎の威を借るなんとかで、こういうことをやっていたんじゃないですか。」

 

ここで審議が止まって、ちょっと面白いことが起こるのだが、話の腰が折れるので、それは後回しとする。

 

杉尾議員「ちゃんと担当官庁、専門部会でこのまま行こう(予算をつける)ということに決めているのに、それをね、あなたたち(大坪氏と和泉氏)が、そういう形でひっくり返していいのかと言っている。私はこの政権のサイエンスに対する姿勢が分からない。成長戦略に対する姿勢が分からない。山中教授のiPS細胞の業績に対するリスペクトが感じられない。」

 

これは、安倍政権に一貫して言えることで、これまで学術に関するリスペクト、成長戦略への本当の意気込みを感じたことはない。
そこにあるのは、唯一無二の利権。
どういう事業が、知人友人関係者等に、大きく利益誘導できるかということに知恵を絞ったシステム以外には見たことがない。
大坪氏・和泉氏が、山中教授のなにが気に喰わなくて予算大幅削減をするのか分からないが、この理屈に嵌めて考えれば、山中教授の事業が、あまり関係者に利益を流す形のものではないからなのではないか、と想像する。

 

さて、先ほどの審議一時停止の話。

 

審議が止まり、各理事が議長のそばへ。
ちょうどその時、不規則発言なので、内容ははっきり聞こえないのだが、女性の声でなにか叫ぶ声がする。
最後に「女性軽視だよ!」と聞こえた。
安住議員「ちょっと黙ってて!」
議長席脇にいた蓮舫議員が鋭く反応、「なに?今の発言?」
議長「まあまあ・・あの・・注意しといて。」
野党の男性議員もなだめにかかるが、見過ごすことのできない蓮舫議員、すごい迫力。
蓮舫議員「なに?今の?なーに、女性軽視って。誰あの人?ちょっと待って。ちょっと待って淳ちゃん。女性軽視ってナニ?そしてここでやってるのにまたなんでやり返すの?で、何でまだしゃべり続けてるの?岡山の人でしょ?小野田さん。」
小野田議員(席から)「〇〇です」←よく聞こえない。
蓮舫議員「知らなーい。」

 

すげえ・・オンナの戦いを垣間見た気が。
しかし、小野田紀美議員ですか・・・。
なるほど、質の低いヤジ。
ヤジと言えば、杉田水脈議員と並んで、この人も安倍チルドレンで当選した品質劣悪議員の一人だ。

 

で、蓮舫議員が、安住議員を「淳ちゃん」って呼んでることも初めて知った。
マスコミ出身同士だから、付き合いが長いのかな。
いろいろ面白いシーンだった。

メディアでほとんど取り上げられていないのが、残念。

追記
蓮舫議員の質疑で「桜を見る会」に関していくつか分かったことがあるのでメモをしておく。

・内閣官房総務官室が各省庁に推薦を依頼した時の締め切りが2月8日、一方、安倍事務所では「参加申し込み」の締め切りが2月20日であったこと。
・会場のケータリングを担当するジェーシーコムサ(昭恵夫人のオトモダチ会社)、この企業は2010年以前にも業務を請け負っているが、それは一分の食材に過ぎなかったこと。(2013年以降は食品全般で受注)

 

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