スポンサーリンク

参院選が10倍おもしろくなる豆知識

参院選、投票日直前まで自分の選挙区の候補者もよく分からない、という人が少なくないのではないだろうか。
これから2週間ちかく、もうちょっとだけ選挙期間を楽しむ方法がある。

 

それは、自分とは縁もゆかりもない地方の選挙情勢を見ることだ。
野球やサッカーだって、ひいきのチームや選手がいれば、観戦もいっそう盛り上がる。
どんなに応援しても票が投じられるわけではないし、勝敗が決したところで、自分に責任があるわけでもないので、気楽に観戦できるのが、よその地方の選挙だ。
最終日には、開票速報から目が離せなくなるのでご注意あれ。

 

といっても、どこの地方も面白いというわけではない。
今回は、ざっくりとだが、私がひそかに注目している地域を抜粋してみた。

秋田県 1人区

自民党・中泉松司氏は地元の県議を経て当選1回。
選挙区以外ではほとんど知名度のない、自民党の末端議員と言っていい。
しかしここには、昔からの強い自民党の地盤があるので、今回も安全圏と思われていた。
そこに起きてしまったのが、「陸上イージス」問題だ。
全国ニュースとしては、その話題性が少し下がったとはいえ、地元にしたら重要な問題だ。
安全圏と思われていた秋田県は、自民党にとって喫緊の対策が必要な選挙区に変わった。

 

対抗馬の立憲・寺田静氏は、同じく立憲・寺田学氏の妻である。
詳しい人となりは分からないが、高学歴の才女であるようだ。

 

秋田県の見どころは、安全圏と言われていた情勢が、選挙戦スタートの少し前に明らかになったイージス問題で、少々の差とはいうものの、逆転からのスタートになったところだ。
立憲・寺田氏は、最終日まで逆転を維持し続けられるかどうか、イージス問題を思いながら情勢を窺うのが見どころ。

宮城県 1人区

愛知治郎氏は当選3回なので議員歴は18年になる。
ベテランと言ってもいいキャリアだと思うが、全国的にはそれほど知名度があるわけでもない、自民党内では中堅的な議員と言えるのではないだろうか。
ただ、18年間のキャリアとその地盤は堅固で、宮城県内の主な市町村長はほぼ自民党に与している情勢だ。

 

こういう状況の中で、なかなか無茶とも言えるケンカを挑んだのが、立憲・石垣のりこ氏だ。
FM仙台のアナウンサーで、もともと地元での知名度はある程度あったそうだが、国会議員に挑戦するのは初めてのこと。
彼女の演説は、アナウンサー出身だけに滑舌がよく、自分の言葉で歯に衣着せない物言いが鋭く、ネットでも評判がいい。
ここもまた、石垣氏が少し頭を出した状態でスタートを切っている。
今後2週間で引き離すことが出来るかどうかがみどころだ。

 

新潟県 1人区

言うまでもないが、塚田一郎氏は、今年の4月に「私はどんどん忖度します」とのスピーチでやらかした、元国交副大臣だ。
6年に1回しか改選されない自身の参院選の直前にやらかしてしまうとは、なんともウカツである。
向かうは、立憲の新人、打越さくら氏だ。
副大臣を務める現職議員に、野党共闘の新人が挑むという、なかなか厳しい戦いが強いられると思っていたが、忖度副大臣の失言で、グッと距離を縮めてのスタートとなった。
選挙期間中に、打越候補がアタマを出せるかどうか、見ごたえのある接戦になりそうだ。

広島県 2人区

マスコミも取り上げる話題なので、御存知の方も多いかもしれない。
ポスト安倍と言われる岸田氏のお膝元、広島県。

 

自民党は現職、溝手顕正候補、当選5回、安定のベテランだ。

 

同じく自民党新人の河井案里氏は、首相補佐官も務める、非常に官邸に近い人物、河井克行氏の妻だ。
官邸が、あまり必要のない広島県区に身近な人物を候補にねじ込んできたことは、岸田氏にあまり愉快でない思いを抱かせている。

森本真治氏は、国民民主党で1期務めた現職議員であるが、今回は、共産党を除いた立憲・国民・社民の共闘候補として、出るため無所属として立候補。

 

この3名の三つ巴の戦いになりそうだ。
7月6日時点では、毎日と朝日の情勢調査にですでに順位の違いが生じているので、この3名がかなりギリギリのところで1人を蹴落とすゲームになりそうだ。
溝手氏が落ちれば、自民党内に大きな禍根ができるし、河井氏が落ちれば元の鞘、森本氏が落ちれば、広島県からは自民議員が2人になる自民党大躍進の選挙区になる。
今後、どんなふうに勢力が動くのか見逃せない。

 

静岡県 2人区

トップを走る自民の牧野氏は置いといて。
見どころは、2人目に誰が入るかだ。
ここは野党と野党の争いになる。
榛葉賀津也氏は当選3回の現職議員、国民民主党の参議院幹事長。
全国的にも名前を知られる国民民主党の幹部だ。

 

対するは立憲民主党の徳川家広氏。
こんな面白い人が出ているのに、なぜかテレビが取り上げた様子はない。
徳川というのは、正真正銘の本名だ。
徳川家広氏は、あの将軍家の徳川宗家19代目の主である。
今回の出馬について問われ、16代目のひいおじいさんが明治時代に東京市選挙に担ぎ出されそうになったとき、勝海舟から「徳川は、国によほどのことがない限り政治に携わるべきでない」と諭され断念したという逸話を紹介しながら、今が日本の「よほどのこと」だというのが動機だと述べたり、出馬に臨んで幕臣の末裔が登場したり、実に面白い人物だ。

 

徳川宗家「第19代目」が参院選に出馬 自民党ではなく立憲民主党を選んだ理由
このデイリー新潮のインタビューで、彼の人物像がよく分かるので、一読をお勧めする。

 

将軍のの末裔というだけでなく、見識・教養ともにしっかりした人物であることが、インタビューからも窺える。
個人的には、かなりイチオシに応援している。

 

上様が乗り出したこの選挙区、堅苦しい政治の話は置いておいて、野次馬根性丸出しで観戦したい。
安倍政権がやたらと「長州」びいきで、自民党PRに浪人者の集団のイラストを起用し、やれ明治だ、維新だ、武士道だというイメージ戦略を展開する中、まるでそれに横やりを入れるように、本物の上様が登場した。
こんな面白い話があるだろうか。

また榛葉氏は、2世議員でもあるので、2世vs末裔というレースの見方で楽しむこともできる。

年金が、社会保障が、と政治の深刻な局面から選挙を語るのもいいけれど、お祭りのように、ワイワイ候補者をイジって楽しむのもまたアリだと思う。
これから色んなマスコミが報道するであろう情勢報道を見ながら、一喜一憂して過ごす2週間も悪くない。
そして、最終日は開票中継を見ながら大いに興奮しよう。

 

にほんブログ村 政治ブログへ