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政見放送に見る、公明党の変化

政見放送を見た。
自民党のそれは、言うまでもなく醜悪だった。
安倍首相の隣に座るのは、三原じゅん子氏。
「八紘一宇」の絶叫で一躍ネトウヨのアイドルとなった三原じゅん子氏は、参議院本会議の演説や、政見放送のホステス役を任されたりと、官邸から重用され、さぞかし党内では鼻が高いことだろうと推察する。(キャリアも経歴も上の片山さつき氏なんぞは発狂寸前なのではないだろうか)
次期内閣では、大臣も任されるのでは?という週刊誌の報道を見たが、あながち噂ばかりでもなさそうだ。

 

政見放送の彼女の語りは、何かにとり憑かれたような思い込みの強い口調で、カルト宗教の勧誘ビデオのようにも見えた。
とてもあの放送内容で、一般の浮動票の心をつかみに行ってるとは思えない。
ああいうのが通用するということは、いかに日本の選挙が、組織票のみで出来上がっているかということの証左だと思う。

 

それよりちょっと意外に感じたのは、公明党の政見放送だった。
これまで公明党と言えば、しれーっと当選して、自民党の悪法にしれーっと賛同して、好戦的な自民党の態度にはしれーっと水を差して、の繰り返しで、とにかく内閣の「特定枠」である、国交大臣のイスを指定され、その利権にあずかっていれば、あとは野となれ山となれというイメージがあった。
創価学会員を総動員して毎回選挙を勝ち残る公明党は、凶暴なホオジロザメのお腹にくっついているのが芸だけの、主張のあまりない政党だと思っていた。

 

だが、今回の山口那津男氏の政権放送は、そうではなかった。
冒頭から、安倍首相並みの感情的な野党批判を繰り返し、終盤まで話の端々に、民主党が、民進党が、岡田克也氏が、などと、他者への批判が尽きない内容だった。
これまでの公明党と言えば、平和が~庶民が~と、良くも悪くも当たり障りのない主張をメインに据え、とにかく選挙では創価学会員の票だけガッチリつかめば、それ以上もそれ以下も望まない政党、だったはずだ。

 

その証拠に、2007年、2010年、2013年、2016年の政党別比例得票数を比べて見ると、公明党は常に750万票前後で、政権交代が起ころうが、自民党の評判が浮き沈みしようが、10万票程度の動きしかなく、とにかく750万票程度を常にキープしているのだ。
それに比べて自民党は、いい年と悪い年で、500万票以上の得票差が現れる。
公明党は、浮動票の影響は受けないということだ。
だから、過激なこと言ったり、なにかを批判して、強く民衆に訴える必要がもともとない。

 

そんな公明党が、なぜこうも感情的に他者を叩く論調に走るのか?
朱に交われば朱くなる、安倍首相の影響か?
それも、あるのかもしれない。
ただ、ちょっと気にかかるのは日本維新の会の存在だ。
自民党と、というよりは、党を飛び越えて、官邸に直接接近している維新は、自民党の古女房を自称する公明党には目障りな存在なのかもしれない。
大阪での住民投票に絡む遺恨もある。

 

また、嫌韓、民主党攻撃、共産党攻撃、口汚い罵り、が大好きな安倍首相に追従するように、維新の各議員たちもこういうのが大好きな傾向がある。
感情的な面で、安倍官邸と維新は共感する部分が少なくない。
また、三原じゅん子氏の重用でも分かるように、いかに帝国主義を声高に唱え、いかに口汚く韓国を罵り、いかに野党に感情的な攻撃をするかが、官邸から目をかけられる際のチェックポイントになりつつある。
だからこそ、谷川弥一氏のように、官邸の言うことを聞かない佐賀県を「北朝鮮のようだ」などと批判し、上目遣いに官邸のお褒めの言葉を期待するようなバカな議員が後を絶たない。

 

常に当たらず触らずの態度を取ってきた公明党だからこそ、その是非はさておき、唯々諾々と投票する創価学会員から、特に異論が上がることもなくこれまでやってきた。
だが、最近その創価学会に少し異変が起きているのかもしれない。
れいわ新選組から東京都選挙区に、創価学会員の野原氏が出ていることはすでに周知だろうが、宮城県では、立憲民主党の石垣のりこ氏の街宣に、創価学会のシンボルである三色旗を振って応援する人の写真をツイッターで見かけた。
これはちょっと考えられない事態だ。

 

だからといって、公明党がそう急速に衰退するなんていう甘いことは言うつもりはないが、ここに気になるツイートがある。あくまで参考までに。

上は、2017年衆院選の公明党の票の分布図だ。
公明党というのは、「西高東低」の分布になるのが、過去のデータを見ても通例だと、ツイ主のはるさんは言う。

そして上が、今の直近の分布図。
西日本の色が、東日本同様に薄くなっている。
偶然?
なんとも興味深い。

 

これから2週間近くある選挙期間、情勢はどう動くか分からないが、この現象がただの偶然なのか、必然なのか、続けて今後を見守りたい。

 

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