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「電力総連議員」の落日

「電力総連」の擁立する候補が、青息吐息なのだそうだ。
実にいい話だ。
私は、野党共闘を応援する態度でいるが、野党の仮面をかぶった経団連の回し者のような議員は、心から御免被る。
だって、そんな野党議員に存在意義はないだろう。

 

今回の参院選で改選される「電力総連」議員は、
比例候補 浜野よしふみ氏(国民民主党・当選1回・関西電力出身)
である。

 

泣く子も黙るの原発推進派である。
その挙動も徹底している。

 

今年三月十九日、東京・霞が関の経済産業省で、電力総連の岸本薫会長が世耕弘成経産相に、原発再稼働を着実に進めるよう求める要請書を手渡した。その場には電力総連出身の小林正夫(東京電力労組)、浜野喜史(よしふみ)(関西電力労組)両参院議員が同席していた。浜野氏は今回改選を迎える一人だ。
(2019年7月3日東京新聞)

小林正夫氏は、残念ながら今回は改選ではないが、彼のFBを見に行くと、何か月も前から日本中の電力会社労働組合の関連組織を行脚し、浜野氏の後援を呼び掛けている。
この小林氏も国民民主党のバリバリ原発推進派の現職参議院議員だ。
ちなみに、出身は東電である。

 

2016年、小池百合子氏が「希望の党」を立ち上げ、民主党内のいわゆる「経団連的」考えの議員を中心に吸収し、そのお眼鏡にかなわず、「排除」された議員たちが集まって、立憲民主党を立ち上げた。
立憲民主党が、脱原発に積極的なのに対して、国民民主党がどうしてもそちらに舵を切れないわけは、そこにある。

 

立憲民主党も国民民主党も、大まかな方向性はそんなに違う政党だとは思えないけれど、国民民主党には今すぐ自民党に移っていただいても、円満にやっていけそうな議員が一定数いる。
同じ野党でも、両党の人気の差が大きく異なる理由は、まさにここにある。

 

国民民主党には申し訳ないが、この浜野氏は、どうしても今回で御退場いただきたい議員なのだ。

 

そんな中、東京新聞のこの記事には、思わず頬が緩んでしまう。

一六年の参院選で民進党の政党名得票は約八百七十五万票。六月下旬の共同通信の世論調査では、比例の投票先は国民民主が1・6%、立憲民主が9・0%。この比率で単純計算すると、国民民主は百三十万票程度で、今回見込まれる個人名得票と合わせても最大で二百万票台にとどまる。一議席獲得の目安は百万票とされ、一人か二人しか当選できない情勢だ。
(2019年7月3日東京新聞)

政党としての支持率が低い国民民主党の比例票は、今回は130万票程度しか望めない計算になるという。
参院選の比例名簿には事前の順番がなく、比例票用紙に書かれた個人名の多かった順に当選していくシステムだ。
つまり、国民民主党全体で1人か2人の当選枠しかない中で、浜野氏を個人名で投票した人が党内で最多である必要があるのだ。
ちなみに、国民民主党の比例候補者は、全部で14人もいる。
これは電力総連に激震が走るのも無理はない。

 

こうして、国民民主党の中から業界利権しか考えないような議員が淘汰されていけば、いずれこの党の人気がもう少し上がるのも夢ではないし、心置きなく立憲民主党とうまくやっていける日も来るのではないかと思う。
時間はかかるが、この参院選、次の衆院選、次の参院選、と段階を踏んでいくことで、国民民主党が浄化されていくことを願う。

追記(2019年7月22日)

 

7月21日に投開票を終えた参院選、その結果はというと・・・。

 

ご覧の通り、自動車総連と電力総連は、その固い組織票でなんとか彼らを国会に押し上げることに成功した。
今回の選挙が投票率48%という異例な低さを背景に、全体の投票数から見た組織票数の占有率が高くなったのだ。
投票率の高い選挙では、危なかっただろう。
このように、今の日本政治というのは共通した利権をもつ団体の「組織票」が大半を占める。
つまり、そういう人たちを優遇した政治になっていることを、有権者は忘れてはいけない。

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