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1人区で勇み足が過ぎる自民党幹部

自民党・二階幹事長の言動が、選挙前だというのに、慎重さを欠いた強権的なものになっている。
お年のせいか、焦りか、もとからそうなのか。

金融庁の「老後2000万円不足」報告書が出たときは、「選挙を控えているのに(金融庁は)我々に迷惑をかけた」とか「有識者の名を借りて(金融庁が)やった。立場も考えずに。」などと、まるで一連のコメントが有権者に届くことを知らぬかのように、官僚の人事を握っているパワーについて露骨に言及した。

詳しくは、こちらの記事で。

「2000万円不足問題」自民党幹部のコメントがほとんど火消しになっていない
金融庁が出した「老後2000万円不足」報告書が決算委員会でも野党の追及を受け、世の中の反応は日増しに大きくなるばかり。 選挙が近づいていることもあって、自民党の重鎮からさまざまな火消しの声が出ている。 しかし、よく聞いてみると、「ちょっ...

 

さて、6月29日、二階幹事長はさらに新たな強権的発言が出た。
二階氏は、徳島市の三木亨参院議員の激励会で、土地改良事業関係者を前にあいさつをした。
その時の言葉がこうだ。

我々の方針と一緒にやってくれないところは予算は休ませてもらう
と述べた。
国の予算編成に対する与党の影響力をたてに協力を迫った形で、
選挙を一生懸命やってくれるところに予算をつけるのは当たり前。やりましたよと胸張って言えるようにすれば、要求に満額お応えする
(2019年6月29日毎日新聞)

ちなみに二階氏には、「全国土地改良事業団体連合会会長」という肩書もあるという。
完全に、国の予算をもって「選挙運動を手伝うなら公共事業を発注する。そうでないなら仕事はやらん。」と言っているわけだ。
長年の強権に溺れて、国庫とポッポの区別もつかなくなってしまったのか。
この強権を、苦戦すると思われる今回の選挙で存分に発揮するつもりなのではないかと、いやな不安も覚える。

 

もしくは、もう一つの可能性としては、これまでも実は陰で同様に強権ぶりを発揮していたが、そういうことが外に漏れ出ないような仲間内の「気」のつながりがあって、出てこなかったのかもしれない。
今回の発言は、会場にメディアが入っていてつかんだことなのか、それとも参加者にリークする人があったのか、その点は分からない。
しかし今回のこれが、連帯感の崩れで漏れ出てきた話なのなら、安倍政権にはすでに内部の危機があると言える。

 

実は、さらに一つ類似案件がある。
経産省東北経済産業局が、6月14日に福島県で催した「中小企業支援施策に関する意見交換会」なる会合で、長谷川栄一首相補佐官が、次の参院選で改選となる森まさこ議員を招きいれ、会場でアピールしたというのだ。

 長谷川氏は、旧民主党政権の事業仕分けを批判する一方、森氏の来場後は「森先生は福島県を代表して参院で頑張っている」と述べたほか、特定秘密保護法案の担当相として野党と対峙(たいじ)したと紹介した上で「野党から意地悪されたが、無事通した、すばらしい先生」と持ち上げた。森氏への投票を直接呼び掛ける発言はなかった。
(2019年6月29日朝日新聞)

首相補佐官だけあって、話の内容が、安倍テイストそのものだ。
野党の質疑を「イジワル」って、小学生か。
確かに、福島みずほ氏にキュウキュウに質問攻めにされ、知識のあまりない森議員は回答に詰まることが多かった。
でも最後は強行採決よ?
手柄でもなんでもなく、審議にのれば必ず可決される、ベルトコンベアーみたいなものだった。
それにしても、5年以上前の秘密保護法を手柄として持ち出してくるとは、よほどその後の活躍がなかったのだろう。

 

そんなくだらない森まさ子ヨイショよりも、問題なのは、省庁が開催する会合に審議とは関係のない議員を連れてきて、選挙前に集まった企業経営者に売り込む行為だ。
これは、公職選挙法違反にならないのか?
両者とも、政権与党という立場を利用した「ズル」は、やめていただきたいものだ。

 

ところで、ここで「徳島県」と「福島県」の間には、ある共通点がある。
それは、どちらも「1人区」で、野党共闘がすでに成立している選挙区なのだ。
興味深い集計が、東京新聞に載っていた。


野党「一本化」なら勝機 参院1人区 自民指定の16激戦区
(2019年5月15日東京新聞)

 

以前は選挙前になると、自民党の幹部たちは「奢るな」「慢心するな」などと注意喚起をしていたものだけど、今回は全くそういう声は聞かれない。
慢心できるほど、余裕のある選挙ではないのかもしれない。

 

二階氏の暴言の出た選挙区には、こんな背景が・・・

ここら辺は、完全に「政局」の話になってしまうが、これから参院選が始まる今、こうしたことをちょっと知っておくと、自分の選挙区でなくても、開票速報の時など、選挙を少し楽しむことが出来る。

これから選挙までは、分かる限りこういう情報も差し込んでいこうと思う。

 

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