2019年3月14日、衆議院・総務委員会で小川淳也議員がNHK会長に、政治報道の姿勢を追求するという名場面があった。
去る3月1日、衆議院本会議で、小川議員は、根本厚労大臣の不信任案に対する賛成意見として、2時間近くに及ぶ演説をした。
その時のNHKの報道ぶりがひどいということで、当時、ツイッターでもかなり話題になっていた。
今日の総務委員会では、小川氏自らが、そのあまりにも恣意的な編集が施された報道について、NHK幹部を質した。
小川淳也議員による根本大臣不信任決議案趣旨弁明を悪意ある切り取り編集で貶めたNHK
小川議員「(根本厚労大臣の不信任案に対する賛成演説は)野党五会派を代表しての、意見でした。その骨子は何だったか?」
この問いに、NHK木田専務理事は、根本厚生大臣に対する不信任案の、野党の意図を正確に説明する。
これに対し、小川議員は、
そこまで分かっていて、どうしてあのような報道になるのか、と詰問。
演説の導入部分で紹介したにすぎない、ネットで話題になっている「統計を揶揄する川柳」紹介と、自身の体調不良から、いつもより多く水を飲んだシーンと、議長から「早めによろしく」と言われている部分だけを、NHKは引用し、演説の根幹部分の映像を全く採用しなかった。
一方、民放各局の報道では、まさに木田専務理事が述べた、野党意見の骨子部分の映像を拾っている。
小川議員「なぜ野党側の意見の骨子を、報道に取り上げなかったのが、その理由をお聞きします。」
NHK木田専務理事のグダグダした言い訳を簡略すると、
「お昼のニュースと夜7時のニュースでは、取り上げている。」
なにそれ、アリバイ作りか?
小川議員「もう一点。何度も水を飲んだのは事実だし、体調等の理由で必要だった。しかし議長には、結論を早めにと促されることはあったが、『水を飲まないように』注意された、事実はない。あたかも水を飲んだことを注意されたかのような、ナレーションの付され方、報道のされ方は、事実と異なる。いかがですか?」
木田専務「吟味した、自主的な判断で・・(略」
小川議員「水を飲んだことを注意されたと、ご認識なんですね?」
木田専務「吟味した、自主的な判断で・・(略」
速記止めるか?
議長「木田専務、もう一度答弁を」
木田専務「吟味した、自主的な判断で・・(略」
いや、ナメてるよね。ホント。
国会ですよ、ここは。
小川議員「(ナレーションは)何度も水を飲む姿に(議長は注意した)、ですよ。賛否両論あっていいんですよ。だけど、野党側の主張の骨子は伝えるべきでしょう。それから、議長が『何に』注意をしたのか、正確に事実に即して伝えるべきだ。5百万人、1千万人の視聴者を惑わした可能性がありますよ。」
これは、まさにこの日、ツイッターで多くの人が疑問を呈していた点。
それを本人から、NHKのトップにはっきりと伝えられたことは、とてもよかった。
小川議員、さらに続けて。
小川議員「NHKさんはですね、予算を毎年政府与党に握られてます。会長人事も、事実上握られている。予算と人事を握られている、という意味では、与党内、霞が関と同じなんですよね。なので、申し上げていることがある意味、酷かもしれない。例えば、BBCなんかは、10年に一回ですよね、政府の審査は。という、ちょっと距離を置く、制度的なことも考えなければならないかもしれない。」
ちゃんと、その原因も言い添える小川議員、ソツがない。
これは、確かに言えることだ。
制度的な問題とも言えなくはない。
とはいえ、NHKのやっていることは、あまりに罪深いが。
結局は、自民議員も、霞が関も、NHKも「官邸の顔色」を窺いながら仕事をせざるを得ない、巨大な「忖度システム」の中にいることが問題なのだ。
最後にダメ押し。
小池英夫報道局長を参考人として呼ぶよう、理事会に請求した。
これ、与党は出すかしら??
これまで、「総務委員会」は地味なので、ほとんどまともに視聴したことがなかったのだけれど、これはちょっと面白くなりそうだ。
この参考人招致が、叶うか叶わないかも含めて、ウォッチしていきたい。
なんだか、小川議員の追っかけブログのようになってきたが、この人の質疑は、聞いてて面白い。
理路整然としていて、攻め込みにすきがない。
頭はキレるが、安倍首相と違って、相手にはキレない。
さて、こんなに意味のある総務委員会、ほとんどのマスコミは、例によってスルーだ。
唯一、朝日新聞だけが記事にしているが、見出しがヒドイ。
NHK、野党の「政権寄り」批判に「真摯に受け止める」(2019年3月14日朝日新聞)
小川議員が苦言を言ったのは、「政権寄りだから」ではない。
・氏が、水を飲んで議長に叱られた、という内容が、事実ではないこと
・野党を代表した不信任案の意見主旨の部分が、報道に全く反映されていなかったこと
を批判したのだ。
この国会担当の記者は、ちゃんと審議を聞いていたのか?と疑う。
当ブログでは、今後も小川議員の活躍をどんどん取り上げようと思う。
ファンの方、乞うご期待!(笑)