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スガ新首相会見にツッコむ

9月16日、菅義偉首相の初めての総理会見が行われた。
安倍政権の下で長い間官房長官として日々会見を行ってきたスガ氏に「しゃべる能力」を期待する向きもあったようだが、総理大臣としての会見は、まず用意した原稿を読んだうえで、質疑応答でも原稿を見ながら回答するという、スポークスマンとしてなんのスキルアップもしなかったことがこの会見で露呈してしまった。

 

そんなスガ総理、
「今取り組むべき最優先の課題は、新型コロナウイルス対策です。」
と、冒頭にコロナ問題。
これが現在、国民の一番の関心事だと認識した上での順番だと思われる。
10月の解散が取り沙汰されているが、第一に取り組むべきをコロナ対策と就任会見で言い切って、翌月に解散を打つということは、通常ではやりにくい。
気温の下がって来るこの時期、一か月後二か月後のコロナの蔓延状況は、容易に予想がつかない。
まぁ、安倍首相の辞任会見の前日に、「安倍総理は任期を全うする」と言い切ったスガ氏なので、なんでもあり得るのかもしれないが。

 

そして、経済「アベノミクスを引き継ぐ」。
アベノミクスのいいところだけを時間を割いて褒めちぎり、これを継続すると、スガ氏。
経済再生を強調するわりに、独自ビジョンはなし。

 

「やるぞ!」とやる気を見せたのは以下の政策。

 

マイナンバーカード
どうもデジタル庁という新省庁は、役所のIT化よりも、マイナンバーに力を入れる省庁となりそうだ。

 

縦割りと既得権益と悪しき前例の撤廃
パッと見、国民寄りに聞こえるが、縦割り撤廃は、省庁への指令元を官邸に一元化することが目標ではないかと思われる。
悪しき前例は、何を「悪しき」とするかによるが、前例主義は制度上の倫理維持の側面もあり、これを官邸トップダウンで「前例関係ねえ」とするのであれば、縦割り撤廃とも共通する意図があるとも読める。
いずれにしても、この項目に関しては、きちんと仕事をしたい官僚からは反発が起こりうる。

 

電波許認可
これが一番ヤバい。
国民向けには「携帯電話料金の値下げ」という看板で示されているが、この政策を竹中平蔵氏は「消費減税よりも経済効果があるだろう」と絶賛している。
月々数千円の値引きで消費減税よりインパクトがあるはずがないし、なによりこういう怪しい人物が「絶賛」しているという事実だけでも、この携帯料金政策は胡散臭さがプンプンする。
また、電波許認可にメスを入れるということは、携帯電話やネットだけでなく、テレビ局やラジオ局も影響を受ける。
これがマスコミへの圧力手段とならないよう、私たちはきちんと監視する必要がある。

 

自助、共助、公助そして絆
コロナ禍で困っている人が大勢出ているこのご時世に、「まず自助せよ」などという政府としてのやる気のなさを宣言するような言葉を、自らのセールスポイントとしていること自体が信じられない。

 

ちなみに、ふるさと納税を自分の功績と機会があれば自画自賛するスガ氏だが、ふるさと納税というシステムがどれだけクソ徴税システムかというのは、以前に記事にしたことがあるので、参考までに載せておく。

 

「ふるさと納税」はすぐに廃止すべき
ふるさと納税に関する問題が、あちらこちらで小さく吹き上がっている。 が、一つ一つの問題が分散しているうえに、それぞれが話題として扱いが小さく、総体的な問題の大きさが分かりにくい。 今回はひとつ、それらの小さな記事をかき集めて、実は日...

 

安倍政権から何も変わらない政権と言えばそれまでだが、油断のならない安倍政権というのが、内閣の顔ぶれと初の首相会見を見た、私の第一印象だ。

 

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