4月7日に緊急事態宣言が安倍首相によって発令され、8日から有効になったわけだが、小池知事が事前に強調した通り、だからと言って、特に何かが変わったわけではないようだ。
果たして、宣言の意味はあったのだろうか?
野党や世論に押されて、やむなく発したものなのか。
安倍政権の内部ですら、いまだに「宣言」することによって、具体的にどこを目指しているのか、その目指す道がまだはっきりしていないのではないかと思われる。
(2020年4月8日共同)
要請を見送るように地方の知事たちに打診するくらいなら、なぜ7日に発令したのか?
閣内では、こうした意見の一致は一体どうなっているのだろう。
これは、西村担当大臣の個別の意見が先走っているのか?
また、2週間という期間の区切りに、どんな意味があるかもよく分からない。
どちらにしても、政権内で目標が一致していないことが分かる。
それが窺われる発言がもう一つある。
(2020年4月8日TBS)
できるわけがないことを国民にお願いしたという、二階氏の謎発言。
できるわけがないというのなら、感染拡大に関して、「これが有効な手立てではない」と二階氏は言っていることになる。
与党政権内で、戦略の方向性が決まっていないという、この期に及んで恐ろしいことになっている。
自民党の幹部らからこうした発言が相次ぐことは、そもそも与党にこの感染拡大を抑制しようという意思があるのかないのかというところから確かめる必要があるのかもしれない。
日テレの報道では、緊急事態が出て初めての朝となる4月8日の品川駅は、いつも通り通勤客であふれ、売店の店員の話によれば、宣言前と宣言後では、混み具合は変わっていないという。
ということは、テレワークで出勤を避けられるのは、その前に減った1~2割程度の労働者に限られるということだ。
(2020年4月3日日経新聞)
人と人との接触を8割減らさなければ、今後も感染者がどんどん増えると警告している。
この警告を無視して経済活動を取るのか、経済活動を譲歩して感染抑制を取るのか、そういう基本的な決意がまだ安倍政権では下されていないように見えて仕方がない。