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「桜を見る会」ログの日付開示拒否はセキュリティ問題?そしてまた新文書

2020年1月23日は、またしてもヒアリング2本立てだった。
順番に、第28回目から順に追っていこうと思う。

 

最初に、28回目では、内閣府人事課長(招待者名簿の所轄課)、大事官房情報化推進室(ログに関する所轄課)の出席を拒否されたということを記しておきたい。

 

冒頭は、オブザーバーとして出席した《「桜を見る会」を追求する弁護士の会・宮城》の小野寺義象弁護士が、「桜を見る会」問題の中でも特に「前夜祭」について、この疑惑が安倍晋三氏の被選挙権に関わるものだと指摘した。

 

・後援会を「桜を見る会」に招待したこと自体が、公職選挙法に触れる可能性
・「前夜祭」の会費5000円が、会の内容との相場に見合わないこと
・「前夜祭」の相場と見合わない分の差額は、どこが負担したのか
・「前夜祭」のホテルが切ったという領収書の存否の疑惑(800枚近いものが1枚も発見されていない)

 

・・などの点から、この件を訴訟に持ち込むための準備をしているということだ。
「前夜祭」に関しては、省庁外の完全なる安倍晋三氏の議員活動であるために、内閣府へのヒアリングでは、ほとんど取り上げられることがない。
そういうわけで忘れられがちなのだが、民間にこうした活動を始めている専門家の人たちがいるということは、一市民としてもなんとも心強い。

 

もう少し突っ込んだ「前夜祭」に関する過去の記事はこちら

「桜を見る会・前夜祭」5千円の会費徴収は本当か?
「桜を見る会」は、田村智子議員が国会で安倍首相を追求するより何か月も前に、そもそも「予算がおかしくないか?」というところに東京新聞、赤旗新聞などが疑念を持ったことが発端になっている。 ザックリ説明すると、予算額は2013年度分...

 

次にテーマは「ログ」だ。

 

原口議員「ログはセキュリティ上出せないということだったけど、酒田さんはログを見て、いつ廃棄だったのか確認してもらえました?」
酒田総務課長「セキュリティ上の問題で、私はログの確認はしていません。」
会場・・はあ!?

 

名簿廃棄ログは存在しないのだろう。
電子データは捨てていない、この会話からはそういう結論しか見えない。

 

原口議員「宮本さんの要求に対して、『紙はいつ捨てました?』これには答えてるわけですよ。では電子データはいつ消しました?これはログにあるんですよ。財務省の改竄で、16あった文書のその一つが電子データだったんですよ。その電子データがいつどのように改ざんされたか、これ開示されてますよ。セキュリティに問題ありましたか?あなた方がそれをいつ捨てたか、くらいのことは開示されなければいけないんですよ。アナタがログを確認してその日付を教えてくれと、財務省がやったよりはるかに簡単なことをおねがいしてるんですよ。」
白鹿議員「あなたはログを確認したのですか?」
酒田総務課長「私は見ておりません。」
山井議員「酒田さん以外に確認した人はいるんですか?」
酒田総務課長「承知しておりません。」

 

なんだこれ。
としか言いようがない。

 

山井議員「酒田さんは、ログはあるけど出さない、とずっと仰って来た。見た人がいるかどうか分からないのに、廃棄ログはあると言っていたのは、どういうことなのか?」
酒田総務課長「私は見ておりません。誰も見ていないのかは、承知していません。」
原口議員「誰も見ていないか分からないなんて、アナタ自分の課を代表してここに来てるんですよ。それでどうやって『ログはある』って言ってたんですか?」
酒田総務課長「それは一般論として、システムの中にはログは当然にある、ということで。」

 

こういう腹の立つ言い訳をしてくる。
この酒田総務課長すら、ログがトップシークレットで見られないのだとしたら、この上にいるのは大塚官房長とスガ官房長官くらいのものだ。
彼らは日々、自身でログをチェックしているというのか?
まさか総理自ら?笑
だんだんバカバカしくなってきた。

 

酒田総務課長「『廃棄のログがある』とは、一度も申し上げたことはござしません。ログはある。その全体的な・・」
原口議員「いい加減にしてくださいよ。とんでもないよ!電子データを消去しましたね。消去したところの記録が残る、それをログっていうんですよ。改めて聞きますよ。電子データ、消去しましたか?」
酒田総務課長「はい、しております。」
原口議員「消去したらログは残りますね?」
酒田総務課長「残ります。」
原口議員「それは取ってありますね。」
酒田総務課長「それはログという形で残っているハズです。」
原口議員「変わりましたね。『残っています』だったんですよ、今までは。」
酒田総務課長「全体として、内閣府としてのログはあるんです。」

 

すごいことになってきた。
もはや「日本語が通じない」人を相手に話をしているような心持だ。

 

原口議員「ログを見せればセキュリティ上の脆弱性を示すという根拠を教えてください。次回まででいいです。総理のこの無茶苦茶な答弁。私、情報化推進やってきたんですよ。日本のセキュリティは他の国よりはるかに上なんですよ。桜を見る会のログを見たくらいでセキュリティ上の脆弱性が生まれるくらいだったら、マイナンバー即やめてください。」

 

いやはや、ほんとそれ。

 

そして同日、2回目のヒアリング緊急開催。
新たな文書がまた公開されたためだ。

 

新たな文書とは、
開催地となった新宿御苑のそれぞれの門(入口)から、一般・特別・外国人の3カテゴリの招待者が何時から何時までに(30分刻みで)何人入場したかをカウントした表の総計部分だけが見える、その内訳は黒塗りの形で公開された。
詳細は、石垣のり子議員後援会というアカウントが、ドロップボックスでデータを公開している。(リンク

 

パッと見て、この表から気になることは、2014年までは8時以前に入場した人が2人または0なのに、2015年は823人、2016年は1533人、2017年は889人、2018年19年は1800人以上がであることだ。
ちなみに、招待状に書かれた開催時間は8時半で、聞き取り調査から安倍後援会の17台のバスで参加した方々は、7時半ころには現地に到着し、ノーチェックで入場、安倍首相と集合写真を撮っていることが明らかになっている。

 

29回目の臨時ヒアリングでは、この点に関心が集まった。
2019年に関しては、安倍後援会から約850人が参加していたことが明らかになっているのだが、そうするとこの年の8時以前に入場した人が1842人いるので、半分以上の残り約1000人はどういう人なのか?
他の自民党議員の団体後援会は入っていたのか、他にもバスを乗り付けるほどの団体で参加したグループはあったのか?という問いには、明確な答えが得られなかった。

 

ペーパーが配布されてすぐのヒアリングだったので、これといって目立った疑問点は出なかったが、首相枠60の問題と複合的に考える等、知恵を合わせれば思わぬ糸口が出てくるかもしれない。

 

国会が始まった途端に、こうして毎日のようにポロポロと政権に差し支えない程度の文書が公開されている。
今後もこうした政権に都合の悪くない程度の文書公開は、説明責任のアピールの一環として繰り返されるだろう。
それによって、言い訳の理由はどんどん狭められていく。

 

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