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テレ朝の「安倍首相独占取材」の内容がひどい件

2020年元旦に放送された《最後の課題・ポスト安倍”・・・総理の胸中を独占取材》というテレ朝の独占インタビューがあったのだが、これがなかなかひどい内容だった。(動画へのリンク

 

振り返ると、ちょっと前にこんなニュースがあった。

 

テレビ朝日は11日夜、「報道ステーション」が前日に安倍晋三首相主催の「桜を見る会」のニュースを報じた際、自民党の世耕弘成参院幹事長の発言の取り上げ方について、「誤解を招く表現」があったとし、アナウンサーが世耕氏と視聴者に向けおわびした。
(2019年12月11日朝日新聞)

 

許容範囲としか思えないニュース番組の内容に、世耕氏がまるで火が付いたように激怒し、テレ朝がお詫びをするという異様な出来事があった。
「あれは許容範囲だ」と反論することもなく、叱られるがままにあっさり詫びを入れたテレ朝には、報道における政府批判のハードルを自ら上げてしまった愚かな行為、との批判も相次いだ。

 

しかしこれも今になって思うと、この安倍首相独占インタビューが同月26日の撮影だったそうだから、「こういう批判的な報道をするなら、独占インタビューをキャンセルするぞ」との恫喝があったのかもしれない。
もしそうであるなら、テレ朝側には「おう!こっちから願い下げた。」と報道機関としてのスジを通してほしかった。
安倍首相への独占インタビューが、そんなに視聴率に関わるネタとも思えない。
全編20分ほどのインタビューには、これといって突っ込んだ質問も回答もなく、むしろ安倍首相がテレビの前で訴えたい内容が引き出せるよう、あらかじめ官邸側で設定した質問にシナリオ通り答えるという、「仕込み感」満載の内容だった。

 

そして安倍首相には、その仕込みの質問に答える形で、「桜を見る会」について、
「これまでも出来る限り、国会でも、また記者の皆さんの前でも説明を尽くしてきましたが、これからも求められれば、国会においてもしっかり説明していきたいと思います。」
などと、ヌケヌケとテレビで発信する機会を与えてしまっているのだ。

 

ここで復習しておくが、2019年11月に「桜を見る会」問題が勃発して以来、ガチンコで国会質疑を受けたのは、最初にこの問題を田村智子議員が提起した予算委員会の一回だけである。
最初の一発なので、これは逃げようがない。
その後、安倍首相が人前でこの件に触れたのは、首相官邸番の記者たちに突然ぶら下がりで行われた一方的な会見と、ライターが作成した答弁書をただ棒読みする国会本会議くらいである。

 

安倍首相が自らの言葉で答弁しなければならない「集中審議」は、自民党が「開催拒否」をする形で阻まれた。
「国会に求められれば説明する」とは、詭弁もいいところで、国会が求めるかどうかは、そもそも多数派を占める自民党・公明党が制圧しているのだ。
このあまりに都合のいい「詭弁」は、大方の国民がこういう仕組みを知るはずがないと、ナメた上での発言なのだろうか?
そうだとしたら、私たちは、よほど愚かだと思われているようだ。

 

そして、こんな詭弁を好きなだけ語らせて、ツッコミするわけでもなく、無責任に電波に乗せるテレ朝(というかこのインタビューを企画したテレ朝の中の人)も本当にアタマが腐っているとしか思えない。

 

挙句の果てに、インタビュアーはこんな質問までしている。

 

「憲法で解散というのはあるのですか?」

 

バカなのか?
何年か前までは、安倍首相自身ですら「改憲」に触れるときは、「自民党総裁として」或いは「総理大臣として」の発言には気を使い、使い分けていた。
総理大臣には、憲法を遵守した上で任務に当たることを求められるからだ。
そして一方、「解散」は「自民党総裁」として出来ることではない。
当たり前だ。
そうでなければ、場合によっては野党でも衆議院解散を打てることになってしまう。
あくまで「総理大臣として」なのである。
総理大臣が、改憲を訴えることそのものが憲法違反になると言われているのに、「改憲を争点に解散を打つことはあるのか?」と、この愚かなインタビュアーは総理大臣本人に尋ねているのだ。

 

本当なら、安倍首相が「改憲で解散」などと言いだした際に、「えっ・・それは憲法違反なのでは、総理?」とツッコむのが権力を監視する彼らの社会的役割のはずだ。

 

あくまで「自民党総裁」として改憲を唱えていた安倍首相が、なし崩しに「総理大臣」として改憲を唱えて憚らなくなったのは、マスコミにも責任があると思う。
こういうトロい総理大臣への対応が、彼をここまで増長させてしまったのだ。

 

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「桜を見る会」名簿廃棄が個人情報のためだという安倍首相の詭弁

 

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