日韓貿易紛争、いや、そうではないな。
この件の正式名称は、そもそもなんなのだろう。
ホワイト国除外問題だろうか?
日本政府が、半導体やモニターの原料となる製品を、韓国に輸出制限するという、アレだ。
日経新聞や、各テレビ局の世論調査が、「日本政府の対韓国方針に関して賛同するか、しないか」という質問しているのだが、どこの調査結果もおしなべて6~7割の人々が、賛同する、支持するという回答を出している。
日経ではこれに関して街頭インタビューも行ったようで、その様子がネットの動画に上がっていた。
答えたのは「賛成」の人ばかり。実は、制作側も「反対」という人に1人でも出会うまでは、取材をやめないぞ、と頑張って探したのだが、捕まらなかったのだそうだ。
では、「賛成」の人は、なぜ賛成なのか。
インタビューで、その問いに明確な回答を出す人もまた、皆無に等しかった。
「日本で生まれ、日本で育った日本人だから」などという意味不明な回答もあった。
私は政府の方針には一切逆らいませんという、従属宣言だろうか。
また、日経ではこの問題に対して、「輸出管理」という表現を使っており、回答の中には「管理しないよりは、管理したほうがいいんじゃないの?」というようなものもあった。
要するに、ほとんどの人が、なにが起きているか分かってないというのが、全体の印象だった。
ところが、世論調査と称して、「韓国と日本の、どっちの味方?」と聞かれているような気がして、「日本」と答える。
なんだか、みんなそんな風なのだ。
私だって、ワールドカップの試合が「韓国対日本」だったら、迷わず全力で日本を応援する。
しかしこれは、そういう話ではないのだ。
もし私が街頭インタビューを受けたとしたら、逆に日経の記者に聞いてみたい。
「日本政府はこれを、なんのためにやってるんですか?」教えてください、と。
日経の記者は回答できるだろうか?
政府が韓国相手にここまでヤケクソになる理由が、正直よく分からない。北方領土から目をそらすためか。安倍政権が想像以上に内部でレームダック化してるのか。憲法改正に向けての布石なのか。これで誰か得をする人がいるのか。
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) 2019年8月2日
8月5日に、山本太郎が「報道1930」に出演し、この件について見解を問われていた。
彼はこう答えた。
「これ私、獲得目標がなんなのかっていうのが見えないんですよ。いったいなんの為に。で、落としどころをどこにしたいのかということがあったうえで、日本側がそう言う措置を取るというならば、一定理解が出来るんですけれども、その獲得目標が見えない。日本から韓国への輸出、約6兆円くらいありますよね。これがどんどん悪化していくことによって失われる国益、それだけじゃなくて観光客によるインバウンドってことも、常に政府はアピールしてましたけれども、これ、ボイコット運動みたいのが拡大していったときの失われる国益のことを考えたならば、まず、ホワイト国から除外するということに対しての、獲得目標、いったいなにを目的にそれをしたのかということを、やっぱり明確にしないと、国益を毀損するような行為だったと、いう風に言わなきゃいけなくなる日が来るんじゃないかと思いますね。」
「れいわ」の党首でも、分からないらしい。
私なんぞに分かるはずがない。
なぜ、マスコミはこの部分をきちんと書かないのだろう。
分からないのだから、「その目的は不明」と報じるべきではないのか。
時間は数日さかのぼるが、こんな記事もあった。
(2019年8月3日西日本新聞)
この韓国への意地を、最後まで通さないと「政権が終わる」とはいったいどういうことなのか。
貿易問題は、諸刃の剣だ。
韓国の受けるダメージは一時的に大きいかもしれないが、日本だって、それなりのダメージを受ける。
それの痛みを伴いながら「得るもの」とは、なんなのか。
(2019年8月3日朝日新聞)
支持率?
冗談でしょう。
マスコミを使って、「韓国が日本に反発しています」(←そもそも、そりゃ反発もするだろうよ、という話なのだけど)という報道をジャンジャン打って、その韓国をギュウギュウの目に遭わせる、「我らが安倍首相!」というシナリオなのか。
これで支持率を得ようとは、安倍政権の支持率も私たちの分からないところで陰りが出てきているのではないか、という疑念すら湧いてくる。
もう頼みの綱は、ネトウヨです・・・・
・・・そんなこと、あるのだろうか??
にわかには信じられない。
↓九州の経済がまず苦しくなるのではないか、という記事

↓思えばこれが発端だったかも。
