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GPIF損失15兆円で将来の年金は減るのか?

公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、2018年10~12月期の運用結果が過去最悪の14兆8039億円の赤字だったことを発表した。

「将来の年金が減ってしまう」と、怖れる人、怒る人がいると思えば、
「なになに、過去の黒字と累積算出すれば、まだまだ黒字」などと、誰得か分からないような安心感を発信する人、様々な反応があった。

「赤字」なのは、2018年の最後の3か月における、GPIFが保有する株の資産価値の目減りであって、銀行口座から現金の一部が雲のように消えたのとは、少し意味が違う。

私たちが、本当に心配しなければならないのは、実は、こういう短期的な赤字ではない。

クジラと呼ばれる巨額買い

日銀のETF買いもあわせて、GPIFの大量の買い付けは、市場では「クジラ」と呼ばれている。
ザブーンと現れて、大量の株を飲み込み、去って行く。
なかなか言い得て妙な、ナイスネーミングと感心する。

その規模は、専門家が一日の時間軸グラフで見れば、「この辺にクジラが出ましたね。」と分かるくらい、市場に大きな影響を及ぼす。
そりゃそうだ、日銀ETF買いでさえ、一日の買いは700億円にも上る
もっと予算の大きいGPIFは、さらに大きな影響を与えることは、言うまでもない。

投資家の間では、「クジラがいつ現れるか?」というのも、大きな関心のひとつになっている。
クジラ出現で株価が上がったところを売りぬく、という投資方法もあるし、株価が下落傾向にあるとき、必ず入ってくるのがこのクジラさんたちなので、株屋さんにとっては、救世主のような存在だろう。

そしてこのクジラさん、絶対に売らない

ザブーンと丸呑みで買っていくことはしても、クジラがガフーっと吐き出したという話は聞いたことがない。
実際、そんなことをされたら大変なことになる。
こういうことを続けている間に、

年金+日銀の公的マネーが、東証1部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株主となっている

ことが、2016年8月29日の日経で報じられた。
これ、まだ2016年の話である。
2019年ではどれほどになっているのか・・?

そして問題は、「市場のクジラはいつまで活動できるのか?」である。

クジラが現れなくなったら?

クジラは、永遠に今のペースで株を買い続けられるのか?

当たり前だが、これははっきり「NO」である。
そんなわけない。

いずれ、購入がストップ、もしくは大幅に買い付け予算を縮小する日が来るだろう。
その時に市場に与える影響は計り知れない。
実際の「下支え」がなくなることはもちろんだが、下支えがなくなることへの「ガッカリ」感、市場への心理的作用もバカにならない。

買い支えを止めただけでも、大きな影響が予想される、公的資金による株式投資は、つまり、「買ってこそ」の話で、絶対に「売ることができない」のが大きな弱点と言えるのだ。
だから、「黒字」だからといって喜ぶこともできない
仮にそれを利益確定して現金化すれば、たちまち市場に悪影響を及ぼすからだ。
個人投資家とは、ケタが大幅に違うのだから。

2019年には世界全体に不景気の波がやってくると多くの人が予想している。
米中貿易摩擦やイギリスのEU脱退、ユーロの行方、など、世界的な突然の株暴落の引き金となりそうな「不安要素」もたくさんある。
再びリーマン級のショックがあったとき、その損失は15兆円程度では済まない。

そういうケースが起きたとき、何か手当てする策を、GPIFは考えているのだろうか?

これまでは、クジラが買うことで日本の株価を押し上げ、世界的な好景気も手伝って、結果的にその利益はクジラ自身にも回ってきた。
だから、通算で見ればGPIFは、これまで利益を上げてきたことになる。

その好循環はずっと続くのか?
本当の心配はそこにある。

 

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