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安倍国会招致 補てんは後援会か晋和会か

12月25日、「桜を見る会」・前夜祭(夕食会)の費用補てん問題で、安倍晋三前首相が衆・参、議院運営委員会に招致された。
維新を含めた自公の議員は、ある者はこの期に及んで安倍政権の功績を恥ずかしいほどに褒めちぎり、ある者は撫でるような優しい質問を投げかけ、ある者は急所を避けながら注意深く質問した。
野党議員たちは、おしなべて頑張ったと思うが、その中でもやはり安倍氏の天敵とも言える辻元氏の質問は鋭かった。
その中から重要だと思われたポイントを紹介したい。

 

辻元議員「問題になっていた今年5月27日に提出した昨年分、ホテルニューオータニに補てん分は、260万4908円と出ています。しかしこれを見ていただいたら、『領収書亡失』という届け出を(直近の)3年分やってるわけです。領収書がないのに、なぜ細かい数字まで、3年分なくしてるんですよ。昨年(今年?)の5月に問題になったときも、領収書をなくしていると(亡失届けを)添付しているわけです。・・・なぜ領収書がないのに細かい数字まで書けるんですか。説明してください。」
安倍氏「訂正に当たってはですね、弁護士が当局の指摘を踏まえて訂正を行っていると認識しています。」

 

ここ、皆さんも不思議に思いませんか?
領収書がないのに、なぜ数百万の金額の1の位まで正確に訂正できるのか。
話は続く。

 

辻元議員「領収書がないのに細かい数字が書けるということは、帳簿があるということなんですよ。総理、確認していただけますか?そしてその帳簿を出してください。」
安倍氏「帳簿というのはなんの帳簿ですか?」
辻元議員「こういうのを裏帳簿というんです。領収書をなくしているのに細かい金額が分かるには、二つの可能性があります。『領収書の宛名が公表できない宛名だったから』その場合は例えば、あなたが代表である資金管理団体の『晋和会』で領収書を切ってたら、晋和会の収支報告書も虚偽になってしまいます。あなたが代表だからその場合は、あなた自身が政治資金規正法第2条2項の違反に当たって刑事責任を問われる可能性があるから、領収書をなくしたことにしているのか。もう一つは、領収書は本当に捨てちゃった。しかし(裏)帳簿があったから細かい数字まで書けている。これは政治資金の流れをフォローしているのとは別の帳簿が、安倍事務所には存在するということです。そうじゃないとここにこんなに細かい数字は書けない。」
安倍氏「そんなものはない、と認識をしております。その上で、いわば、どうして訂正できたのか、ということなんだろうと思いますが、捜査当局の指摘を受けてですね、『このような額に訂正しろ』ということも含めてということで、訂正しているんだろうと。急なご質問ですから私の認識の限りでお答えさせていただいておりますが、その中において、訂正させていただいたんだろうと。」

 

ここでNHKの12月24日のNHKの記事から引用する。

 

「桜を見る会」の前日夜に開催された懇親会を主催した「安倍晋三後援会」が、23日付けで政治資金収支報告書を訂正し、参加者から受け取った会費や、安倍氏側が負担した懇親会の費用とみられる収支が新たに記載されました。
一方支出には、毎年、ホテルニューオータニに対する「宴会料等」として、会費による収入と同じ金額が記載されているほか、後日、安倍氏側が負担したとみられるホテルへの支払いも記載されていて、その金額は平成29年分が190万1056円、平成30年分が150万6365円、去年分が260万4908円となっています。

 

記事からも分かるように、辻元議員が議場で示している「収支報告書」とは「安倍晋三後援会」のものである。

 

ちなみに「安倍晋三後援会」の代表は、略式起訴された公設第一秘書・配川博之氏である。
今回の件は、補てんされたのが「安倍晋三後援会」からの支出であり、領収書の宛名がそれと同じ「安倍晋三後援会」であることが大前提なのだ。
その一方で、亡失した領収書の宛名が安倍晋三の資金団体「晋和会」だった場合、代表は安倍晋三であり、収支報告書にこの記載が漏れていれば、安倍本人が罪を問われることになる。
領収証を紛失しました、にはそういう背景があるのではないかと辻元氏は詰め寄ったわけだ。
つまり、この亡失した領収書の宛名が「晋和会」だったとしたらエライことなのだ。

 

そして、これに対して安倍氏はおかしなことを口走っている。
「捜査当局の指摘を受けてですね、『このような額に訂正しろ』ということも含めてということで、訂正している・・」
1の位まで正確な金額を知り得たのは、検察の指導によるものだと言っているのだ。
これが本当なら大問題である。

 

質問の最後に、辻元氏が「ホテルから明細書の再発行をしてもらい、議会に提出しろ」と迫ると、安倍氏は「ホテルの営業上の秘密で・・」と拒否した。
これではまた20年2月の国会に逆戻りである。
虚偽答弁の弁解をするために国会招致を受けて出てきた安倍氏だが、まだ譲れないラインを維持しているということだ。
つまり、安倍氏は次の段階のウソをついている可能性が高い。

 

「検察に指導された」という発言が、このままスルーされるとは思わない。
なんらかの形で問題になるだろう。

 

以上の事情を受けて、トリをとった田村智子議員の質疑を聞くとさらに香ばしいので紹介する。

 

田村氏「あなたの私費から最初は出したといい、それを建て替えたと言い換えを行っています。誰が負担すべきものを建て替えたということですか?」
安倍氏「それは、安倍晋三後援会に記載するべきものであったわけでございまして、ですから今回はそのように修正さして、『修正するように』という指導を頂き、修正をさして頂いたわけでございます。」

 

耳を疑いませんか?
「こういう風にすると不起訴が可能です」と検察のレクチャーがあったかのようにも受け取れる。
これは一体どういうことなのか。
検察もグルなのか。
安倍晋三が想像を超えたウソツキなのか。

 

秘書の略式起訴が決まって幕を閉じるかと思われたこの事件、展開によっては新たな罪状が湧き出る可能性もある。
目が離せなくなった。

 

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