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お盆直前、日本の夏はもはや無政府状態

お盆前の週末に差し掛かっている。
7日(金)を乗り切れば、明日から9連休に入る人も少なくない。
しかし、全国の陽性判明者は1600人を超え(NHK調べ)、どこかへ行って羽を伸ばそうと気楽に出かけられる状況ではない感染実態が、多く報道されている。

 

 

そんな中、政府はどんな見解を掲げているのか。
まずは、7日の分科会。
7月31日に話し合われた4段階のステージについて、具体的な指標数値を示した。
今後の参考のために、その内容をNHKのニュースからコピーしておく。

 

「ステージ3」に入ったと判断するための指標の数値
▽「病床のひっ迫具合」は、患者向けの全体の病床数か、重症者用の病床数について最大確保できる5分の1以上が埋まっているかその時点で確保している4分の1以上が埋まっていること
▽「入院患者と宿泊施設や自宅で療養している人の数」が10万人当たり15人以上
▽「PCR検査の陽性率」が10%
▽「新規感染者数」は1週間で10万人当たり15人以上
▽直近1週間の感染者数が前の週よりも多いこと
▽「感染経路が不明な人の割合」が50%としています。
・・・・・・・・・・・・
「ステージ4」に入ったと判断するための指標の数値として
▽「病床のひっ迫具合」は、全体の患者向けの病床数か、重症者用の病床数について、最大確保できる半分以上以上が埋まっていること
▽「入院患者と宿泊施設や自宅で療養している人の数」が10万人当たり25人以上
▽「PCR検査の陽性率」が10%
▽「新規感染者数」は1週間で10万人当たり25人以上
▽直近1週間の感染者数がその前の週よりも多いこと
▽「感染経路が不明な人の割合」が50%としています。
(2020年8月7日NHK)

 

これを示しながら、分科会の尾身会長は、全国の知事に「地域によって柔軟な対応を」と訴えている。
しかし、分科会は国の儲けた有識者会議だ。
各地域に対応を求める前に、東京を除いて一律で推進されているGoTo旅行をなんとかするよう進言すべきではないのか。

 

では政府はどういう見解なのか。

 

安倍首相「直ちに緊急事態宣言を出すものではないが、高い緊張感をもって注視する」(前日会見)
(見てるだけ。要するに何もしない)
西村経済再生担当大臣「国としても、数値を見ながら、各都道府県とこれまで以上に緊密に連携をとっていく」(NHK)
(緊急事態宣言を独自発令している県にGoToで観光客がやって来ることとの整合性は?)
スガ官房長官「政府としては全国一律に自粛を求めるものではない」「分科会の提言に沿って判断してほしい」(時事)
(分科会の提言に沿って緊急事態と判断している自治体にもGoTo推進するのか?)
加藤厚労相「感染増加急激なら 再び緊急事態宣言の可能性」(NHK)
(増加急激なら・・って十分急激になっていると思うのだが)

 

そして、誰もGoToについては触れていない。
西村大臣は、知事らと緊密な連携を取ると言っているが、全国の知事たちはどんな態度なのか。
陽性確認が連日50件以上出ているレベルの自治体の首長たちの直近の発言を調べてみた。

 

千葉県・森田知事 「GoTo夏休みは“ちば旅”を満喫」
埼玉県・大野知事 「GoTo近場で」
神奈川県・黒岩知事 「会食では食事中もマスクを」
東京都・小池知事 「お盆の帰省や旅行は控えて」
愛知県・大村知事 緊急事態宣言 不要不急の行動や県境をまたいだ移動の自粛
大阪府・吉村知事 「イソジンでうがいを」
兵庫県・井戸知事 「不要不急の県外移動自粛を」
福岡県・小川知事 コロナ警報 飲み会は2時間内に
沖縄県・玉城知事 緊急事態宣言 本島全域で外出自粛要請

 

調べてみたら、その緊張感は一律ではなく、案外面白い結果が出た。
各自治体の首長の能力の差を見事に可視化している。

 

このように、政府はあくまでもGoToで旅行推進、各自治体は一部の首長の良識とその細い予算に頼っている状況だ。

 

コロナ予備費、支出を閣議決定
政府は7日、新型コロナウイルス対策の予備費支出を閣議決定した。総額は1兆1257億円で、新型コロナの影響で業績が悪化した中小企業などを支援する「持続化給付金」事業に追加分9150億円を充てる。予備費使用に関し、7日午前に非公開の衆院予算委員会理事懇談会で、午後には参院予算委員会理事懇談会でそれぞれ説明する。
(2020年8月7日共同)

 

7日には、10兆円の予備費から1兆1257億円が「コロナ対策」として支出されることが閣議決定されたが、驚くことに、ここに検査の拡充や医療機関支援が含まれていない
しかもその説明が「非公開」の懇談会とはあまりに国民をバカにしている。

 

政府が全く国内の状況を認識していないまま、連休に突入する。
人々がどんなに移動しようと、個々が感染対策を心がけていれば心配はないのだというのが、どうやら政府の見解らしいのだが、一方で政治家たちは慎重だ。

 

自民・細田派が研修会中止 新型コロナ急増で
自民党細田派は7日、新型コロナウイルスの感染者が急増していることを受け、8月下旬に長野県軽井沢町で予定していた同派研修会を中止すると発表した。
(2020年8月7日時事)

 

この決断は常識的だとは思う。
しかし、細田派と言えば、安倍首相の派閥だ。
そういう人たちが、国民には「ディスタンスやマスクの対策が十分なら問題ない」として旅行を喚起し、自分らは慎重に行動するというこの態度はいかがなものか。

 

「経済を回す」ことは、国民が危険にさらされることよりも重要なことのか。

 

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