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「桜を見る会」追及に一層結束が固くなる野党

安倍首相の神通力も、そろそろエネルギー切れだろうか。
今日出たばかりのマスコミ各社の安倍政権支持率は、決して下がってはいないのだけれど、菅原・河井大臣が辞任して以降、今までのように政権の思い通りにならないことが増えて来たように感じる。

 

こうした局面は、モリカケ疑惑などをはじめ、これまでも何度かあったが、その度にガックリさせられてきた苦い過去もある。
なんだかんだで、安倍政権は、一貫してしぶとい。

 

ただ、今回は安倍政権の陰りが見えてきただけではなく、野党の動きがこれまでと違う。
安倍政権がしぶといのは確かだが、ここぞというチャンス到来にいつも野党がガタガタして、結果的に与党を利することになってしまうことが多かった。
ところが、今回は少し希望があるかもしれない。
というのも、ここ最近、野党の動きがいつもと違うのだ。
参院選後の野党に関するニュースを時系列に集めてみた。

 

共産党の志位和夫委員長とれいわ新選組の山本太郎代表は12日、国会内で会談し、共産党が提唱する野党連合政権の樹立に向けた「政権構想」に関する協議を始めるべきだとの考えで一致した。
(2019年9月12日産経)

 

「れいわ」と共産党はもともと相性が悪くないので、あまり意外な話でもない。

 

立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム野党4党派が、新たな会派を衆参両院に届け出た。略称は「立国社」。衆議院では総勢120人となり、第二次安倍政権発足以来、最大の野党会派となる。
(2019年9月30日日テレ)

 

「希望の党」騒動で、ガッツリ溝が走ってしまった立憲民主党と国民民主党だが、ようやく次の国会で会派を結ぶところまで歩み寄ることが出来た。

 

国民民主党の小沢一郎衆院議員は29日のインターネット番組で、次期衆院選での政権交代に向け、共同会派を組む立憲民主、国民民主両党などによる年内の新党結成を目指す考えを示した。小沢氏は「今年中の新党だ。選挙がいつあるか分からない」と強調した。
(2019年10月29日時事通信)

 

具体的にどういう構想なのかは全く分からないが、小沢一郎氏なら水面下できっといろんなことをしているのだろう。
これは、なかなか楽しみな思いにさせられる。

 

立憲民主党の枝野幸男代表は30日夜、国民民主党の小沢一郎衆院議員と東京都内のホテルで会談した。枝野氏が呼び掛けたもので、小沢氏が主張する年内の新党結成をめぐり意見交換したとみられる。
(2019年10月30日時事通信)

 

小沢一郎氏が年内の新党立ち上げを宣言した翌日、犬猿の仲と言われる二人がサシで会談したことには驚かされた。
しかも声をかけたのは枝野氏から、というところもポイントだ。
会談の内容は全く明かされていないが、前日の小沢氏の新党宣言が、根も葉もないことではないということを裏付けるのに十分すぎるニュースだった。

 

無所属の馬淵澄夫・元国土交通相とれいわ新選組の山本太郎代表が立ち上げた「消費税減税研究会」の初会合が30日、国会内で開かれた。代替財源を含め、消費税率5%への引き下げ案などを議論し、年度内の提言とりまとめを目指す。
(2019年10月30日朝日新聞)

 

小沢・枝野会談の裏では、こんな勉強会も開かれていた。
内訳は現役国会議員が、立憲2名、国民11名、社保2名、無所属2名、碧水2名、れいわ2名、そこに落選中の元議員が加わり、総勢50名の参加になったという。
共産党がいないことを指摘する人もあったが、「れいわ」と共産党は、そのずっと前にすでに「政権構想」に関する協議を始めるべきとのことで一致しているので、気にすることではないだろう。

 

野党のこうした動きの後に、「身の丈」発言で入試英語民間試験が導入延期となり、その騒ぎも収まるや否や、「桜を見る会」問題が吹き上がった。
「桜を見る会」の発端となった質疑は8日(金)のことだが、週末に天皇即位パレードがあり、マスコミの話題がそちらに持っていかれる中、ネットの「桜を見る会」に関する盛り上がりは異様なものだった。
とにかく、追及の資料となるものはネット上のブログなどにタダで転がっているのだ。
一般のネット民たちが画像やらブログやらを検索しまくり、目を皿のようにして「面白い新事実」を発見、発信することに励んだと思われる。

 

そんなネット炎上を横目に見てか、金曜日にはほとんど報じられなかった「桜を見る会」の質疑が、月曜になってテレビに取り上げられ始めた。
安倍首相が毎年多くの芸能人に囲まれた映像で報道される「桜を見る会」は、すでに多くの国民におなじみで、このスキャンダルは、モリカケなどと違って、圧倒的な「分かりやすさ」が特徴である。

 

なんとなく野党同士の繋がりが緩やかに出来上がりつつあるときに、政権打倒のチャンスは訪れた。
このスキャンダルは、野党の協力体制をさらに強いものにさせる。

これについて、立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党の野党4党の国会対策委員長らが会談し、公的な行事に安倍総理大臣の後援会から多くの人が招かれていたとすれば悪質な公私混同だとして、徹底して追及していく方針を確認しました。
そして、野党4党で合同の追及チームを立ち上げ、招待者を選ぶ基準などについて政府側に説明を求めるほか、参加者数が増えている経緯などを調査することを決めました。
(2019年11月11日NHK)

 

このニュースのポイントは、立国社の会派に共産党が協力体制に加わったということだ。
これまでなら立民・国民あたりから、「なんで共産党・・」みたいな声が出るところだが、今回はそういうこともなく、しかも1日ほどでスパッと決まった。
気前のいいことに、金曜日に「桜を見る会」について質疑をした共産党の田村議員は、この質疑のために収集した資料をこの場で立国社の会派にも配布したという。
さて、今後の国会の展開はどうなるのか?
これまでになく楽しみだ。

 

ところで、話は変わるが、野党共闘ついでにこんな話題がある。

 

11月24日投開票の高知県知事選で、いつにも増して熱い野党共闘が組まれている。
岩手県知事選、埼玉県知事選と、共闘で勝ち越してきた野党だが、高知県知事選ではさらにそれが進化している。
高知県知事選の野党共闘候補として出ているのは、松本けんじ氏。
前の参院選で惜しくも僅差で落選した経験がある。
この共闘がちょっと珍しいのは、まず松本氏が共産党員であることだ。
そして、選対本部長に元民主党の無所属議員の広田一氏、副本部長に立憲の県連代表という態勢で共産候補を支える、想像を超えた共闘がなされているのだ。

 

これらのことを踏まえると、野党の横のつながりというのは、一般の想像を超えてかなり深いところまで進んでいるのかもしれない。
まずは、「桜を見る会」追及の4野党チームが、国会でどのように活躍するか、健闘を祈りつつ応援したい。

 

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