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30・40代「貯金ゼロ」が23%、の状態で迎える不景気

最近どこかでチラッと見た、マツコさんの番組。
いつのどんな番組だったかは、全く覚えていないのだけど、印象に残ったくだりがあるので紹介したい。

「結婚相手に、高収入は絶対条件。」
との、持論を主張する20代の素人女性が、マツコさんと会話していた。
正確な会話は覚えていないのだが、おおまかな内容はこんなかんじだった。

マツコ「高収入ってどのくらいを望んでんのよ。」
女性「んー、私が欲しいものなんでも買ってくれるくらい。」
マツコ「それって、具体的に給料いくらぐらいの人を言ってるわけ?」
女性「んー、月給50万円くらいかな。」

マツコ、目を丸くして、

マツコ「えー、それでいいの?あ、なんだ、そんなんでよかったの?アンタ、謙虚なのね。」

という部分だ。
番組としては、全く核の部分ではないのだけど、このシーンが心に張り付いて忘れられない。

マツコとほぼ同世代で、バブルを少し知ってる私は、高収入彼氏募集中の、ちょい派手めな若い女性の言う「欲しい物」とは、DCブランド製品ではないかと想像したのだけれど・・・。
月給50万円の彼氏・夫に買ってもらいたいものとは、いったいなんだったのだろうか?
コンビニで手に入るようなものなのだろうか?

今の日本社会では、「貧困」と「富裕」の定義に、世代間で大きな格差があるのだな、と想像するに至った。

相対的貧困である人々が、ごく身近な範囲の周りと比べて、格差があると感じにくいために、そもそも自分が貧困層に入っていることを自覚してないのかもしれない。
周りを見て、こんなものか、と。

先日、世をアッと言わせた統計が、SMBCコンシューマーファイナンス社から発表された。


http://www.smbc-cf.com/bincan-station/antenna/11.html

このグラフからは、貯蓄が0円~50万円以下という人が、なんと47%と、半数近く占めることが分かる。

年代別の報告では、

30代・・2018年198万円→2019年194万円(4万円減)
40代・・2018年316万円→2019年196万円(120万円減)

と、40代では、たった1年で、平均が120万円も減少しているのだ。

平均で出すと分かりにくいが、これまでの流れから見ると、全体的に額面が落ちたのではなく、おそらく「ゼロに近い人の頭数」が増えたのではないだろうか。

ここへ来て、中国の景気減速のニュースが多く入り、日本でもようやく不景気入りを真剣に考える人が増えてきた。
しかし、政府は相変わらず、忖度統計をもとに「景気は緩やかに回復」という見解姿勢を崩さない。
これは、アベノミクスが成功したかしないか、与野党が国会で言い争うネタなどという、安っぽい話ではない。
政府が不景気を認めない、ということは、それに対して何も手を打たない、と宣言しているのと同じことだ。

本格的に日本国内に不景気の波が押し寄せたとき、非正規で働く人、倒産やリストラで職を失う人の、四半分が「貯金がない」状態であるというのは、かなり恐ろしい話だ。
また、企業が苦しくなって、従業員への待遇が、いわゆる「ブラック」になったとき、貯金ゼロでは、転職してそこから逃げ出すことすら難しい。

約10年の周期で入れ替わるという景気の波だが、その波が、仮にバブル崩壊やリーマンショックほど深刻でないものだとしても、これほど多くの人が無貯蓄で迎える不景気というのは、初めての経験だ。

こういう状況のもと、「景気はいいのです」と言い張って何もしない政府とともに、その時を迎えたら、日本はいったいどうなってしまうのだろう。

 

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