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塚田副大臣の「忖度自慢」、その背景とは

4月3日内閣委員会、塚田国交副大臣の、「忖度自慢」が当然ながら追及された。

「忖度自慢」の詳しいいきさつは、こちらの記事でどうぞ。

国交副大臣の「忖度自慢」に、世がのけ反る
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塚田氏の答弁では、「忖度したというのは、事実ではない」「撤回した」の一点張り。

吉田幹事長が私の顔を見て、「塚田分かってるな、これは総理の地元と副総理の地元の事業なんだよ」と。私、すごく物わかりがいいんです。すぐ忖度します。「分かりました」と。

また、この部分の吉田幹事長のセリフすら「なかった」と答弁した。

会話のやり手と受け手が、双方の発言が、塚田氏のファンタジーだったなどということがあるだろうか。
凍結していた公共事業が再開、格上げになったことは「事実」で、それに権限を持つ人のプロセスは「事実でなかった」なんてこと、あるわけがないだろう。

ちなみに、「吉田幹事長」がどういう立場の人かは、共産・塩川鉄也議員からの質問でよく分かる。

塩川議員の質問
北九州・下関に関連する与党議員の集まりである「関門会」は、2016年3月に、「道路の早期実現を求める要望書」を提出しており、その要望書には安倍総理の名前も記載されている。
・・中略・・吉田幹事長が会長となって「下関・北九州道路の整備促進を諮る参議院議員の会」というのが設立されている。
昨年11月2日には、自民党本部で設立総会を行って、塚田副大臣や、政務官、道路局長らが出席をしている。
吉田会長は「政治生命をかけてという気持ちでやるので、よく肝に銘じてしっかりとやっていただく」と発言している。こういう動きを背景に、今回の発言があったのではないか。

塩川議員、ありがとう。
ことの背景が、スッキリクッキリ見えました。

なるほど、こういう背景であの発言が出たのは、実に納得のいく流れだ。
去年9月、吉田氏は、自民党総裁選で石破氏側に付いて敗れた。
その数か月後、官邸向けのゴマすり活動に「政治生命をかける」のも、また分かりやすい話だ。
森友・加計問題の時と、全く同じ展開だ。「首相案件」

今回の件で大きな問題は2つある。

一つは、閣僚という権限を、「覚えめでたくありたい」という私利私欲のために行使したこと、つまり利益誘導だ。
もう一つは、そうした私利私欲から出た特定の人への「利益誘導」が、まるで自分の「手柄」でもあるかのように、支持者の前で自慢してしまうほど、官邸周囲の権限に対する感覚は狂っていると証明されたことだ。

立憲・初鹿氏からは、興味深い過去の事例が挙げられた。

2000年の2月19日に、当時の金融再生委員長だった越智道夫氏が、栃木県の金融機関の関係者の前でこういう発言をした。
「検査の仕方のキツイところがあったら、どんどん仰ってください。最大限に考慮します。」
「手心発言」と当時言われて、国会でも追及され問題となった結果、2月25日に委員長を辞任した。

「この程度で・・」、と思ってしまうあなたは、すでに相当やられている。(私も含めて)
昔の日本の政治のマトモさを羨まずにはいられない。

こういう、日本全体を覆う「腐敗スルー」な感覚は、どうしたら改善されるのだろうか。

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