塚田一郎国交副大臣の「私は忖度します」発言に関して、
「どうせまた、これまでの自民議員のどんな不祥事もスルーされたように、今回も話題にならずクローズするのだろう」
と、半ばヤサぐれた思いで書いていたのだが、どうやら今回は、少し様相が違うようだ。

上の記事は、この失言問題は、新元号祭りを引きずっているマスコミが、それほど時間を割いて取り上げることはないだろうと予想して、ニュースからではなく、直接国会の動画を見てまとめたものだ。
ブログを更新した頃、夜のマスコミの報道が次々とネットにアップされ、それらを見て、軽い驚きを覚えた。
まず、NHKが問題の発言内容を、当時の録音音声を使って、7時と9時の両方の枠で報じたのだ。
しかも、ニュースウオッチ9に至っては「トップニュース」である。
これまでのNHKとは思えない報道ぶりで、見ているこちらが狼狽する。
他の民放も講演の音声を使って報じているので、「一部を切り取った」「誤解」という、失言でのスタンダードな言い訳は通用しない。
また、朝日新聞にあるように、自民党内はもちろん、官邸からまで厳しい声が上がっている。
「国会で徹底追及される。辞めさせたほうがいい」(自民党参院幹部)
(4月3日朝日新聞)
すでに統一地方選が公示されている、政治家にとっては「特別な時期」であることが大きいのはもちろんなのだが、なにか自民党内の「政局」のにおいも否めない。
問題発言の舞台が、まさに地元自民党と中央の麻生派が対立している分裂選挙、福岡県知事選の応援の場だったからだ。
そして塚田氏が、もし「辞任」ということになれば、なにより氏本人が、窮地に追い込まれる。
氏は、今年7月の参院選の改選メンバーだ。
新潟県は前回から定数が1人区になり、前回2人区で一位当選した塚田氏だが、野党が統一候補をぶつけてくれば、楽ではない戦いになる。
そういう選挙を数か月後に控えての、役職辞任は相当痛いだろう。
ひょっとしたら、この事件を皮切りに、これからの選挙では、なにかいつもと違うことが起きるかもしれない。
台東区では、3月に行われた区議選で、各党派に所属する候補が全員当選したのに、自民党だけが現職2人を含め5人落選という珍事がすでに起きている。
今年の選挙は、少し面白いことになりそうな予感がしてきた。