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国交副大臣の「忖度自慢」に、世がのけ反る

自民党の分裂候補で話題になっている、福岡県知事選。

現在リードするのは、麻生氏と折り合いが悪い、現職の小川洋候補。
対するのが、麻生氏が担ぐ、厚労省出身の新人、自民党本部が公認を出した武内和久候補だ。

そんな奇妙な選挙の応援合戦で、麻生側の候補の応援に駆け付けた、塚田一郎国土交通副大臣から問題発言が出た。
それは、「下関北九州道路」という地元事業に触れた折だった。

安倍氏と麻生氏の互いの地盤をつなぐ、別名「安倍・麻生道路」とも揶揄されてきたこの地元事業は、

2008年に凍結されたが、17年度に地元自治体の予算と国の補助で調査を再開。国は先月29日、19年度からは、国が調査費用を全額負担することを発表した。(2019年4月2日朝日新聞)

財政難を理由に、一度凍結された事業がよみがえり、さらに格上げされたことについて、それが自らの「忖度」の成果であることを、自慢げに聴衆の前で語ったのだ。

国交副大臣なので、ちょっとだけ仕事の話を。大家さんが吉田博美・自民参議院幹事長と一緒に、「地元の要望がある」と副大臣室に来た。下関北九州道路(の案件)です。

これは11年前に凍結されているんです。何とかせにゃならん。下関と北九州ですよ。よく考えてください。下関は誰の地盤ですか。安倍晋三総理です。総理から麻生副総理の地元でもある北九州への道路事業が止まっている。

吉田幹事長が私の顔を見て、「塚田分かってるな、これは総理の地元と副総理の地元の事業なんだよ」と。私、すごく物わかりがいいんです。すぐ忖度します「分かりました」と。

そりゃ総理とか副総理がそんなこと言えません。でも私は忖度します。この事業を再スタートするには、いったん国で調査を引き取らせてもらいます、と。今回の新年度の予算で、国で直轄の調査計画に引き上げました。

別に知事に頼まれたからやったわけじゃないですよ。大家敏志が言ってきた、そして私が忖度した、ということですので。(2019年4月2日朝日新聞)

国交副大臣の権限を使って、官邸筋に利益誘導することは、心の底から彼らの「職務」であると思いこんでいるようだ。

間もなく、塚田氏は、「一連の発言は事実と異なるため」として撤回、謝罪のコメントを発表したが、この引用部分だけでも「忖度」という言葉が3回も出てくる。
言い間違いのはずがない。

凍結の憂き目にあっていた地元の公共事業が、ここへ来てトントン拍子に前進したのは、現職知事の功績ではなくて、麻生氏の心意気ですよ。
なぜなら、その意を「忖度」したのは、アタクシですから!
と、いう切り口で、現職をおろし、麻生派を持ち上げる展開だったのだろうが、あまりに常態化した不正をそれと気づかず暴露するに至ってしまった、浅はかな塚田氏である。

そんな塚田一郎氏は、新潟選挙区から2期当選目の麻生派の参議院議員である。
2期目で副大臣とは、意外に重用されているようだ。
今年7月の参議院選挙で、改選されることになっている。
新潟選挙区は2人区から1人区に縮小されたので、野党が統一候補を立ててくれば、塚田氏とてあまりウカウカできない状況にある。

ここはひとつ、党本部にしっかりゴマをすって・・という意気込みが裏目に出た。

近々、国会でこのことが野党から厳しく追及されるだろう。
その時は、また国会レポートをまとめようと思う。

 

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